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Stable Diffusionにおすすめのグラフィックボード(GPU)は?選び方や買い替える際の注意点も解説

この記事では、画像生成AI「Stable Diffusion」におすすめのグラフィックボード(GPU)を解説します。

選び方や買い替える際の注意点もあわせてお伝えするので、Stable Diffusion用のグラフィックボードの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

Stable Diffusionを使ったAIイラストの生成に必要なグラフィックボード(GPU)の選び方

GTXRTX_1.jpgのサムネイル画像

まずは、Stable Diffusionを使用したAIイラスト自動生成に必要なグラフィックボードの選び方を解説します。

グラフィックボードとは、PCのグラフィック処理に欠かせない装置のひとつで、画像処理に特化したGPUや、ビデオメモリのVRAM、冷却ファンなどで構成されています。

Stable Diffusionのような高いグラフィック処理性能が求められるイラスト自動生成AIには、高性能なグラフィックボードが必須なので、以下で解説する選び方を参考に、Stable Diffusion用のグラフィックボードの導入を検討してみてください。

メーカーはNVIDIAがおすすめ

グラフィックボードの主要メーカー・シリーズには、NVIDIA®の「GeForce™ シリーズ」とAMDの「Radeon™ シリーズ」がありますが、Stable Diffusionで使用する場合は、NVIDIA製のGeForceシリーズがおすすめです。

Stable Diffusionは、市場普及率の高いNVIDIAのGeForceシリーズでの使用を前提に開発されているため、最適化されていないAMDのRadeonシリーズと比べて性能が高く、効率的に利用できます。

そのため、これからStable Diffusion用のグラフィックボードを購入する方には、NVIDIAのGeForceシリーズをおすすめします。

VRAM容量は12GB以上がおすすめ

GPUのメモリであるVRAMの容量は、12GB以上がおすすめです。

Stable Diffusion公式のトラブルシューティングに関するページでは、VRAMの容量について、以下の記載があります。

When running on video cards with a low amount of VRAM (<=4GB), out of memory errors may arise. Various optimizations may be enabled through command line arguments, sacrificing some/a lot of speed in favor of using less VRAM:

日本語訳:VRAMの容量が少ない(4GB以下)ビデオカード(グラフィックボード)で実行すると、メモリ不足エラーが発生する可能性があります。コマンドライン引数を通じてさまざまな最適化を有効にすることができ、VRAMの使用量を少なくする代わりに速度を多少犠牲にすることができます

※引用:https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui/wiki/Troubleshooting

VARMの容量が4GBの状態でStable Diffusionを使用すると、メモリ不足のエラーが発生し、正常に動作しない場合があります。

また、VARM容量によって生成できる画像のサイズが制約を受けるため、仮にエラーが出ずに動作できても、少ない容量だと解像度・サイズを向上させるタイミングや複数のタスクを同時に実行しているときにエラーが発生する可能性があります。

そのため、快適にStable Diffusionを使用したい方は、余裕を持って12GB以上のVRAMを備えたグラフィックボードの導入がおすすめです。

具体的には、以下のグラフィックボードが12GB以上のVRAMを搭載しています。

AMDのRadeonシリーズにもVRAM容量が12GBを超えるグラフィックボードはありますが、前述のとおりNVIDIAのGeForceシリーズよりも性能効率が低いため、メモリの使用量が増えてエラーが発生する場合があります。

これらのグラフィックボードの詳細は後述するので、ぜひ最後までご覧ください。

CUDAコア数・Tensorコア数が多いGPUを選ぶ

Stable Diffusionで効率的にAIイラストを生成するには、CUDAコアやTensorコアが多いGPUの選定も重要です。

CUDAコアとは、NVIDIAのGPUに搭載された並列処理ユニットで、CUDAコア数が多いほど、より多くの計算を同時並行で実行できます。

Tensorコアとは、ディープラーニングや機械学習に特化した演算回路で、Tensorコア数が多いほど、AIを活用した大量のデータの演算処理パフォーマンスが向上します。

Stable Diffusionでは、AIが大量のデータを学習してイラストを生成するため、Stable Diffusionの推論処理や計算処理の実行速度を向上させ、より効率的にStable Diffusionを使用するには、CUDAコア数やTensorコア数が多いGPUの選定が大切です。

グラフィックボードなしやノートパソコンでは性能不足

グラフィックボードを搭載していないパソコンは、ローカル環境でStable Diffusionを使用できません。

前述のとおり、VRAM容量が4GB以上ないとStable Diffusionは正常に動作しないため、必ずグラフィックボードを用意しましょう。

加えて、Stable Diffusionは、機械学習を通して大量のデータを学習しイラストを生成しますが、GPUがないとメモリなどのスペック不足が原因で、十分な学習を行えません。

十分な学習を行うという意味でも、Stable Diffusionを使用するにはグラフィックボードが必須といえます。

また、ノートパソコンでStable Diffusionを使用する場合にも注意が必要です。

ノートパソコンは、デスクトップパソコンと比べてGPU性能が低く、VRAM容量も少ない傾向にあるので、日常的にStable Diffusionを使用したい方は、デスクトップパソコンがおすすめです。

ノートパソコンを使用したい方は、VRAM容量が十分でより高性能なGPUが搭載されているパソコンを選定しましょう。

Stable Diffusionにおすすめのグラフィックボード

GTXRTX_2.jpgのサムネイル画像

Stable Diffusionにおすすめのグラフィックボードを利用者のレベル別に紹介します。

今回紹介するグラフィックボードの性能を比較した結果は、以下のとおりです。

NVIDIA® GeForce RTX™ 3060 NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Ti NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 NVIDIA® GeForce RTX™ 4080 NVIDIA® GeForce RTX™ 4090 NVIDIA RTX™ A4000 NVIDIA RTX™ A5000
CUDAコア 3584基 4352基 5888基 9728基 16384基 6144基 8192基
Tensorコア 第3世代 112基 第4世代 136基 第4世代 184基 第4世代 304基 第4世代 512基 第3世代 192 第3世代 256
RTコア 第2世代 28基 第3世代 34基 第3世代 46基 第3世代 76基 第3世代 128基 第2世代 48 第2世代 64基
ベースクロック 1320MHz 2310MHz 1920MHz 2210MHz 2230MHz 735MHz 1170MHz
ブーストクロック 1780MHz 2540MHz 2480MHz 2510MHz 2520MHz 1560MHz 1695MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR6 GDDR6X GDDR6X GDDR6X GDDR6 GDDR6
メモリ容量 8GB/12GB 8GB/16GB 12GB 16GB 24GB 16GB 24GB
消費電力 170W 160Wまたは165W 200W 320W 450W 140W 230W

以下でそれぞれのグラフィックボードを解説します。

価格重視のAIイラスト入門者向けグラフィックボード

まずは、AIイラストの生成が初めてで、価格重視でグラフィックボードを選定したい方向けにおすすめの製品を紹介します。

RTX 3060

NVIDIA® GeForce RTX™ 3060は、 クリエイターに優れたパフォーマンスを提供するNVIDIA® GeForce RTX™ 30シリーズです。

上位モデルを上回る12GBのVRAM容量を備えているため、Stable Diffusionでも快適にイラストを生成できます。

また、レンダリングの高速化やクリエイティブレベルの向上を狙える「NVIDIA Studio(外部サイト)」にも対応しているため、幅広いクリエイターにおすすめです。

コスパに優れた中級者向けグラフィックボード

次に、コスパに優れた中級者向けのグラフィックボードを紹介します。

入門者向けと比べて価格は高めですが、高いグラフィック処理性能を持ち、Stable Diffusionで高品質なAIイラストを生成できるので、ぜひ参考にしてください。

RTX 4060 Ti

NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Tiは、NVIDIA® GeForce RTX™ 40シリーズのエントリークラスにあたります。

CUDAコア数は4352基と、RTX 3070よりも少ないですが、機械学習に特化したTensorコアは最新の第4世代を搭載しており、クロック速度もRTX 3070より高い数値です。

VRAM容量も16GBと、Stable Diffusionの推奨スペックを満たしているので、Stable DiffusionをはじめとしたAI用途での使用がおすすめです。

RTX 4070

NVIDIA® GeForce RTX™ 4070は、RTX 40シリーズのミドルクラスにあたり、VARMは12GBと、Stable Diffusionの推奨スペックを満たしています。

RTX 4060 Tiと同様に、第4世代のTensorコアを搭載しているため、AI学習やビッグデータの演算処理に適しています。

RTX 4060 Tiを上回る5888基のCUDAコアを搭載しているので、より快適にStable Diffusionを使用できるでしょう。

RTX 4080

NVIDIA® GeForce RTX™ 4080は、RTX 4070から大幅なスペック向上がみられるRTX 40シリーズのハイエンドモデルです。

RTX 4070を大きく上回る9728基ものCUDAコアを搭載しているのに加え、VARMは16GBと大容量です。

グラフィック処理能力も高いため、サイズが大きめのイラストを生成したい方におすすめです。

RTX 4090

NVIDIA® GeForce RTX™ 4090は、NVIDIA® GeForce RTX™ シリーズの中でも屈指の処理性能を誇るRTX 40シリーズの最上位モデルです。

CUDAコア数は16384基と、これまで紹介したグラフィックボードの中で最も多く、VRAM容量も24GBと大容量であるため、高速で、サイズの大きいイラストの生成や機械学習を進められます。

ハイスペックである分、ほかのグラフィックボードと比べて価格は高めですが、価格以上のパフォーマンスを期待できる、コスパに優れたグラフィックボードであるため、予算に余裕のある方や、業務などでStable Diffusionを毎日使用したい方におすすめです。

プロフェッショナル向けグラフィックボード

プロフェッショナル向けに設計されたNVIDIA RTX™ Aシリーズのグラフィックボードも紹介します。

RTX A4000

NVIDIA RTX™ A4000は、プロフェッショナル向けでありながら、RTX Aシリーズの中では低価格モデルで手に取りやすいのが特徴です。

VRAM容量は16GBと、RTX 4060 TiやRTX 4080と同じ大容量VRAMを搭載しており、CUDAコア数も6144基と多いため、快適にStable Diffusionを使用できるでしょう。

また、消費電力が140Wに抑えられているので、発熱による性能低下が気になる方におすすめです。以下はNVIDIA RTX™ A4000の後継であるNVIDIA RTX™ 4000 Adaを搭載したPC製品です。

RTX A5000

NVIDIA RTX™ A5000は、RTX A4000の上位モデルです。

TensorコアやRTコアは、最新のRTX 40シリーズよりも1世代古いものが採用されていますが、CUDAコア数は8192基と多く、RTX 4070を上回る搭載数です。VRAM容量も24GBと大容量なので、RTX 4090と同等のサイズのイラストを生成できるでしょう。

以下は、NVIDIA RTX™ A5000をカスタマイズで搭載可能なワークステーション製品です。

Stable Diffusion用にグラフィックボードを買い替える際の注意点

stable diffusion gpu.jpg

最後に、Stable Diffusion用にグラフィックボードを買い替える際の注意点を解説します。

PCケースに収まるか確認する

すでにPCケースを所有している場合は、PCケースに購入を検討しているグラフィックボードが収まるか、あらかじめ確認しておきましょう。

いざ購入したとしても、PCケースに収まらないとPCケースも買い替えなければならなくなるので、スムーズにStable Diffusionを始めるためにも、事前の確認をおすすめします。

グラフィックボードのサイズは、販売元やメーカー公式サイトから確認できます。

補助電源端子の有無を確認する

グラフィックボードを購入する際には、補助電源端子の有無やコネクタの形状も確認しておきましょう。

グラフィックボードには、補助電源が必要な製品があります。

補助電源がないと、電力が足りずに十分な性能を発揮できない場合があるため、必要な補助電源端子がPCに備わっているかの確認をおすすめします。

電源ユニットの容量が十分か確認する

電源ユニットの容量に余裕があるかも確認が必要です。

買い替え後のグラフィックボードの消費電力のほうが高い場合、これまで余裕のあったPCの電源出力が不足し、正常に動作しなくなるケースがあります。

場合によっては、パソコン内のデータ破損などにつながりかねないので、グラフィックボードを買い替える際は、これまで使用していたものと消費電力を比較して、現在使っているPCでも問題なく使用できるかを確認しておきましょう。

まとめ

この記事では、画像生成AI「Stable Diffusion」におすすめのグラフィックボード(GPU)を解説しました。

Stable Diffusionには、高いグラフィック処理性能とVRAM容量を備えた、GeForceシリーズのRTX 30シリーズ〜RTX 40シリーズのグラフィックボードがおすすめです。

スペックが不足していると、エラーが発生してStable Diffusionが正しく動作しない場合があるので、この記事で解説した選び方や注意点も参考に購入を検討してみてください。

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