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RTX A5000とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「NVIDIA RTX™ A5000」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説します。

RTX A5000の口コミ・評判、RTX A5000をカスタマイズできるおすすめのパソコンも合わせて紹介するので、自社でグラフィックボードの導入を検討している方や、RTX A5000の評価を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を読めば、RTX A5000の特徴がわかるだけでなく、グラフィックボードの導入イメージが明確になります。

RTX A5000の基本スペック

NVIDIA RTX™ A5000
アーキテクチャ NVIDIA Ampere アーキテクチャ
GPU GA102
プロセス 8 nm
トランジスタ数 283億
ダイサイズ 628 mm²
CUDAコア 8,192基
ベースクロック 1170MHz
ブーストクロック 1695MHz
メモリ規格 GDDR6
メモリ容量 24GB
メモリバス 384 bit
バンド幅 768 GB/s
発売日 2021/5

RTX A5000は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。RTX A5000のメモリ容量は、24GBの1種類で、2021年5月に発売されました。

RTX A5000は、NVIDIA RTXシリーズのなかで、高性能かつ比較的手に取りやすい価格帯の「ミドルモデル」に該当します。レンダリングやAI、グラフィックスといった複雑なワークフローに対応できる性能を備えており、RTXシリーズのNVIDIA RTX™ A2000やNVIDIA RTX™ A4000といった低価格モデルよりもプロフェッショナル向けのグラフィックボードです。

そのため、業務で高画質な映像や画像の処理を行っている企業や、AIを活用した研究を行う大学などでの採用がみられます。

RTX A5000のスペック比較

NVIDIA RTX™ A5000 NVIDIA RTX™ A4500 NVIDIA RTX™ A5500
アーキテクチャ NVIDIA Ampere アーキテクチャ NVIDIA Ampere アーキテクチャ NVIDIA Ampere アーキテクチャ
GPU GA102 GA102 GA102
プロセス 8 nm 8 nm 8 nm
トランジスタ数 283億 283億 283億
ダイサイズ 628 mm² 628 mm² 628 mm²
CUDAコア 8,192基 7,168基 10,240基
ベースクロック 1170MHz 1050MHz 1170MHz
ブーストクロック 1695MHz 1650MHz 1695MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR6 GDDR6
メモリ容量 24GB 20GB 24GB
メモリバス 384 bit 320 bit 384 bit
バンド幅 768 GB/s 640 GB/s 768 GB/s
発売日 2021/5 2022/2 2022/5

RTX A5000のスペックを、RTX A5000のスペックダウンモデルであるNVIDIA RTX™ A4500と上位モデルのNVIDIA RTX™ A5500と比較してみていきましょう。

RTX A4500は、RTX A5000の後に発売された製品ですが、CUDAコアやベースクロック、メモリバスなどの数値を下回っています。GPUが同じGA102であることから、RTX A4500はRTX A5000のスペックダウンモデルとして位置づけられており、価格もRTX A4500の方が安価であるため、GA102を採用したグラフィックボードを手頃に導入したい方におすすめです。

RTX A4500の詳細は「RTX A4500とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」の記事でさらに詳しく紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。

一方でRTX A5500は、2022年5月に発売されたRTX A5000の上位モデルです。RTX A5000は「ミドルモデル」ですが、RTX A5500は、よりハイスペックな性能を備えている「ハイエンドモデル」に位置づけられています。GPUやメモリ規格・容量は同じですが、CUDAコアなどの数値において、RTX A5500はRTX A5000を上回っています。

ミドルモデルのRTX A5000よりも高価ですが、今のグラフィックボードの性能に満足できていない方や、より高性能なグラフィックボードを使って質の高いコンテンツを作成したい方におすすめです。

RTX A5000の特徴

RTX A5000の特徴を4つ解説します。

性能面だけでなく、コスト面の特徴もあわせて解説するので、導入において価格を重視したい方は参考にしてください。製品のさまざまな面の特徴を把握して、自社に合った最適なグラフィックボードを選定しましょう。

プロフェッショナル向けGPU

RTX A5000は、NVIDIAが製造するGPUの中でもプロフェッショナル向けに位置するNVIDIA RTXシリーズの中でもデスクトップ向けGPUです。

旧世代のプロ向けGPUであるQuadroシリーズでは、NVIDIA Turing™/NVIDIA Pascal™を採用していたのに対し、NVIDIA RTXシリーズではNVIDIA Ampere アーキテクチャを採用しています。

APIは旧Quadroと同じくOpenGLとなっており、3DCGやCADソフトなどOpenGLを採用したクリエイター向けソフトで主に力を発揮します。

Ampereアーキテクチャ搭載で作業効率を上昇

前述の通り、RTX A5000は前世代のTuringをベースに改良されたAmpereアーキテクチャを搭載しているグラフィックボードです。Ampereアーキテクチャは、Turing世代からレイトレーシング速度がおよそ2倍に向上しているため、高画質な映像を扱う方でもストレスなく快適に作業できます。

また、映像処理に特化したコアであるCUDAコアの数も大幅に向上しているので、3D映像や動画再生などの複雑な処理を業務で行う方に適しています。

そのため、RTX A5000は、Turing世代のグラフィックボードに満足できていない方や、複雑な映像処理をマルチタスクで行いたい方におすすめです。

優れた電力効率でコスト削減

RTX A5000が採用しているAmpereアーキテクチャは、ワットパフォーマンスに優れた特徴も兼ね備えています。Ampereアーキテクチャは、前世代のTuringアーキテクチャと比較して、およそ2倍のワットパフォーマンスを発揮します。

つまり、これまでTuringアーキテクチャが搭載されたグラフィックボードを使っていた方は、Ampereアーキテクチャのグラフィックボードを導入することで、消費電力を1/2に削減可能です。

そのため、会社規模でグラフィックボードを導入したいと検討している企業や、ランニングコストを削減できるグラフィックボードへの買い替えを検討している企業におすすめです。

RTXシリーズのなかでは高価

RTX A5000は、RTXシリーズのなかで「ハイエンドモデル」に位置づけられており、プロフェッショナル向けの性能を備えているため、高性能な分高価です。

そのため、RTX A5000ほどのスペックは不要で、はじめてグラフィックボードの導入を検討している方には、ミドルモデルや低価格モデルの製品がおすすめです。特にRTX A4500は、RTX A5000と一部の性能が同じスペックダウンモデルなので、RTX A5000に近い性能のグラフィックボードを比較的安価に導入できます。

また、RTX A5000は、ワットパフォーマンスに優れたAmpereアーキテクチャを採用しているため、導入後はランニングコストを抑えて運用できます。

RTX A5000は、ミドルモデルのグラフィックボードからの買い替えを検討している方よりや、導入後のコストをなるべく抑えたい方におすすめのグラフィックボードです。

RTX A5000のベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、Passmark G3D Mark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。

Passmark G3D Mark

RTX A5000_Passmark.png

Passmark G3D Markは、3Dグラフィックスを扱うシステムの能力を表すベンチマークスコアです。

RTX A5000の数値は23283と、5つの製品のなかで最も優れたスコアでした。下位モデルのRTX A4500と比較すると、RTX A5000がおよそ110%のスコアです。また、上位モデルのNVIDIA RTX™ A5500の109%、NVIDIA RTX™ A6000の102%である点も注目です。

上位モデルの方が性能は上だと考えられがちですが、このようにベンチマークによっては下位モデルの方が優れている場合も珍しくありません。

これからグラフィックボードを導入する方は、前述したCUDAコアなどの項目だけでなく、ベンチマークスコアも比較して製品を選定しましょう。

レイトレーシング

RTX A5000_3DMark PortRoyal.png

レイトレーシングは、光や影を表現・追跡する機能のベンチマークスコアです。

RTX A4500の数値は13867と、5つの製品のなかで3番目のスコアでした。

Passmark G3D Markとは異なり、RTX A5500の数値はRTX A5000の112%、RTX A6000は113%の数値で、上位モデルの2製品がともに上回っていました。下位モデルと比較すると、RTX A5000の数値は、RTX A4000の126%、RTX A4500の137%のスコアで大きく上回っていることがわかります。

よりリアリティのある光や影を作りたい方は、RTX Aシリーズのミドルクラスからハイエンドクラスのグラフィックボードがおすすめです。

消費電力

RTX A5000_消費電力.png

RTX A5000の消費電力は230Wで、5つの製品のなかでは中間にあたります。下位モデルのRTX 4500からは30Wのアップです。

一方で、上位モデルのRTX A5500は、RTX A5000と同じ230Wであることから、消費電力のみの観点でいえば、RTX A5500の方がコスパに優れたグラフィックボードといえます。RTX  A6000は、70Wアップの300Wです。

一般的に消費電力は、上記のようにモデルの向上と比例して上がっていきます。

これからグラフィックボードを選定する方は、消費電力にも注目しつつ、求める性能が満たされているグラフィックボードか、ベンチマークスコアを確認して自社に合う製品を見極めましょう。

RTX A5000を使用している方の口コミ・評価

情報が集まり次第、更新します。

RTX A5000はどのような用途におすすめ?

RTX A5000のメモリ容量は24GBと大容量なので、グラフィックを扱う企業はもちろん、大規模なデータを処理しながら研究を行う大学研究所などにおすすめのグラフィックボードです。

また、メモリ規格にはデータ転送に優れたGDDR6を採用しており、メモリバスが384bit、バンド幅が768GB/sと高い数値であるため、負荷の大きい作業でも生産性を落とさずに行えるでしょう。

そのため、RTX A5000は、メモリ容量の消費が大きいグラフィック系の作業の生産効率を向上させたい企業や大学におすすめです。

大量のメモリ領域が必要なアプリケーションでも、快適に使用できるでしょう。

GPU搭載PCを仕事で使うことについて

PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。

グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするために生まれたものですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。

主にクリエイティブ用途で活躍

特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。

具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。今回ご紹介しているRTX A4500を含むNVIDIA RTX™シリーズは、3DCADや3DCGモデリング、医療用イメージングなどのグラフィック系作業者向けに開発・設計されており、OpenGLに最適化されています。

CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に

グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。

したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。

PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。

その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。

ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC

結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際やGPUを駆使した解析など研究分野では処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅は広がります。

以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。一つ目の事例では、RTX A5000と同じシリーズにあたるNVIDIA RTX™ 4000を搭載したワークステーションを映像解析AIプラットフォームを活用した魚類計測システムの運用環境として、ご導入いただきました。AI領域での利用にもNVIDIA RTX™ シリーズは最適です。

その他にもGPUを搭載したハードウェア導入事例が満載。高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。

RTX A5000搭載おすすめデスクトップパソコン

RTX A5000を標準搭載したおすすめのパソコンを紹介します。
RTX A5000の導入を検討している方や、どのパソコンを選んだら良いかわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。

raytrek 4CZQ50

raytrek 4CZQ50は、グラフィックにRTX A5000、CPUにインテル14世代Core i9を標準搭載したハイスペックデスクトップパソコンです。
A4000より複雑なレンダリングやAI、グラフィックスといった複雑なワークフローに対応できるのでおすすめです。

RTX A5000をカスタマイズ可能なおすすめワークステーション

RTX A5000をカスタマイズ可能なおすすめのワークステーションを紹介します。
RTX A5000の導入を検討している方や、どのワークステーションを選んだら良いかわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。

raytrek Workstation X2614 標準モデル

raytrek Workstation X2614は、raytrek Workstationシリーズのなかでは安価であるため、エントリークラスとして導入する企業が多いワークステーションです。

CPUに最大18コア36スレッドまで対応可能なインテル  Xeon Wプロセッサを搭載しており、効率の良いマルチタスクを実現します。

また、拡張性にも優れており、RTX A5000はもちろん、グラフィック性能に秀でたNVIDIA RTXシリーズを最大2基まで搭載できるため、高いパフォーマンスが期待できます。

raytrek Workstation X4620 標準モデル

raytrek Workstation X4620は最大32コア・64スレッドまで対応可能なインテル Xeon スケーラブル・プロセッサーファミリーを搭載しているハイエンドワークステーションです。

作業負荷の大きい3D映像の作成や4K8K映像編集、AIのビッグデータを用いた研究などでも、処理効率を落とすことなく稼働してくれます。

また、raytrek Workstation X2614と同様に、RTX A5000以外にも、NVIDIA RTXシリーズのグラフィックボードを2基搭載できるため、幅広いシーンでの活躍が期待できます。

さらに高い性能を求める方におすすめです。

raytrek Workstation X6612 標準モデル

X6612は、X2616やX4612から性能を向上させた、プロフェッショナル向けのハイエンドモデルのパソコンです。

NVIDIA RTX シリーズやGeForce シリーズなどのウルトラハイエンド・グラフィックスカードを最大4枚まで搭載できるため、1枚では処理できない膨大なデータやグラフィックであっても、複数のグラフィックボードを活用して高いパフォーマンスを発揮します。

4Kや3Dなどの映像系はもちろん、AIのビッグデータを扱う業務・研究にも対応できます。

また、商用100V電源環境でも作動してくれるため、デスクサイドでも使用可能です。

raytrek Workstation X8612 標準モデル

X8612は、raytrek Workstationシリーズでトップクラスの拡張性を誇るワークステーションです。

X6612と同様に、グラフィックボードを最大4枚まで搭載可能で、デュアルプロセッサー構成時には、最大28コア・56スレッドまで対応できます。

さらに、最大768GBの大容量メモリを搭載可能であるため、大量のメモリ領域が必要なアプリケーションでも、効率良く使用できます。

また、黒で統一されたフォーマルなデザインなので、企業や大学を中心に採用されています。

まとめ

この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「RTX A5000」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説しました。

RTX A5000は、レイトレーシング性能と省電力性に優れたAmpereアーキテクチャを搭載したグラフィックボードです。

ワットパフォーマンスにおいても高い評価を得ており、コストを抑えてグラフィックボードを運用したい方におすすめです。

今回の記事で紹介したベンチマークも参考にして、自社に合ったグラフィックボードを選定しましょう。

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