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GTX 980とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「NVIDIA GTX 980」のスペックや用途を解説します。
GTX 980のベンチマークもあわせてお伝えするので、GTX 980の細かなスペックやほか製品との性能差を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
GTX 980の基本スペック
NVIDIA GTX 980 | |
アーキテクチャ | NVIDIA Maxwell™ |
GPU | GM204 |
プロセス | 28 nm |
トランジスタ数 | 52億 |
ダイサイズ | 398mm² |
CUDAコア | 2048基 |
ベースクロック | 1127MHz |
ブーストクロック | 1216MHz |
メモリ規格 | GDDR5 |
メモリ容量 | 4GB |
メモリバス | 256 bit |
バンド幅 | 224 GB/s |
消費電力 | 165W |
発売日 | 2014/1 |
GTX 980は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。GTX 980のメモリ容量は4GBの1種類で、Kepler世代80番台のGeForce GTX 780の後継モデルとして、2014年1月に発売されました。
GTX 980は、GEFORCE GTX 900シリーズのハイエンドクラスにあたるグラフィックボードです。アーキテクチャには、Maxwell世代が採用されており、Kepler世代からのスペック向上がみられます。
GTX 980のスペック比較
GeForce GTX 980 | GeForce GTX 780 | GeForce GTX 1080 | |
アーキテクチャ | NVIDIA Maxwell™ | Kepler™ | NVIDIA Pascal™ |
GPU | GM204 | GK110 | GP104 |
プロセス | 28 nm | 28 nm | 16 nm |
トランジスタ数 | 52億 | 70億 | 72億 |
ダイサイズ | 398mm² | 561mm² | 314mm² |
CUDAコア | 2048基 | 2304基 | 2560基 |
ベースクロック | 1127MHz | 863MHz | 1607MHz |
ブーストクロック | 1216MHz | 902MHz | 1733MHz |
メモリ規格 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5X |
メモリ容量 | 4 GB | 3 GB | 8 GB |
メモリバス | 256 bit | 384 bit | 256 bit |
バンド幅 | 224 GB/s | 288 GB/s | 320 GB/s |
消費電力 | 165 W | 250 W | 180 W |
発売日 | 2014/1 | 2013/5 | 2016/5 |
GTX 980のスペックを、従来モデルのGeForce GTX 780と次世代モデルのGeForce GTX 1080と比較してみていきます。
GTX 780では、Kepler世代のアーキテクチャが採用されていましたが、GTX 980では、1世代進化したMaxwell世代に変わっています。プロセスは同じ28nmで、トランジスタ数はGTX 780の方が上回っていますが、ダイサイズはGTX 980の方が優れている数値です。
また、GTX 980のベースクロックはGTX 780の130%、ブーストクロックは134%の数値で、演算能力の高さがうかがえます。
GTX 980のメモリ容量は、GTX 780よりも1GB多い4GBで、消費電力も85W少ない165Wと、大幅に改善されました。
一方で、Pascal世代のアーキテクチャが採用された次世代のGTX 1080と比較すると、プロセスが28nmから16nmに微細化されたことで、GTX 1080のトランジスタ数はGTX 980の138%、CUDAコアは125%と、スペックの向上がみられます。
メモリ性能においても、規格がGDDR5からスペックアップしたGDDR5Xに変わり、容量も4GBから8GBに倍増しています。
これだけのスペックアップにかかわらず、消費電力が15W増の180Wに抑えられている点も大きな特徴です。
GTX 980の特徴
GTX 980の特徴を3つ解説します。
GTX 980ならではの機能や、コスト面の特徴も解説するので、スペック以外の面も知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
高解像度の作業環境を実現できる「DSR」に対応
GTX 980は、高解像度の作業環境を実現できるNVIDIA独自技術の「DSR」に対応しています。
DSRとは、本来のモニターの解像度よりも高い解像度を実現する機能です。高い解像度の画像をレンダリングすることで、画面に表示されるピクセルの数を増やし、その高解像度の画像をモニターの解像度にダウンスケールして描画する仕組みです。このことで、エイリアシングと呼ばれる画面のギザギザやノイズが減少し、滑らかな画面を作ります。
一般的に高画質なゲームを楽しみたい方に重宝される機能ですが、DSRは4Kや8Kなどの高解像度モニターを持っていなくても、高画質な作業環境を実現できるため、クリエイティブシーンでも役立つでしょう。
GTX 1660と同等のグラフィック処理性能を持つ
GTX 980は、Turing世代のアーキテクチャを採用したGTX 1660と同等のグラフィック性能を持っています。
GTX 980のPassmark G2D MarK(2Dグラフィックスの処理性能を表す)のスコアは809であるのに対し、GTX 1660は793とほぼ同値です。そして、GTX 980のPassmark G3D Mark(3Dグラフィックスの処理性能を表す)のスコアは11157であるのに対し、GeForce GTX 1660はGeForce GTX 11750と大きな差はありません。
このように、世代はGTX 1660の方が新しいですが、グラフィック処理性能に大差はないため、製品の性能を比較する際は、ベンチマークを参考にしましょう。
また、GTX 980からの買い替えを検討している方は、GTX 1660の上位モデルであるGTX 1600 SUPER以上の製品がおすすめです。
次世代のGTX 16シリーズと比較して消費電力が高め
GTX 1660と同等のグラフィック性能を持つGTX 980ですが、GTX 16シリーズと比較すると消費電力は高めです。
GeForce GTX 980 | GeForce GTX 1630 | GeForce GTX 1650 SUPER | GeForce GTX 1660 | GeForce GTX 1660 SUPER | |
消費電力 | 165W | 75W | 100W | 120W | 125W |
GTX 980の消費電力は165Wであるのに対し、GTX 16シリーズのエントリークラスにあたるGeForce GTX 1630は75Wと、半分以下の数値です。
また、GTX 16シリーズのハイエンドクラスであるGeForce GTX 1660 SUPERでも125Wと、40W低い数値であることから、GTX 980の消費電力の高さが際立ちます。
ランニングコストを抑えたい方は、消費電力とあわせてベンチマークも確認し、コストパフォーマンスを見極めましょう。
GTX 980のベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・Passmark G2D Mark・消費電力の3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
3DMark
3Dグラフィックスの処理性能を表す3DMarkのベンチマークスコアを見ていきます。
GTX 980の数値は4346と、次世代のGeFore GTX 1060(6GB)の104%のスコアでした。
新しいグラフィックボードの方がグラフィック性能が高いとは限らないので、これからグラフィックボードを選定する方は、ベンチマークスコアを比較して性能差を把握しましょう。
また、競合のAMD製のグラフィックボードと比較すると、AMD Radeon R9 390Xの102%の数値で、AMD Radeon RX 580とはほぼ同値でした。
Passmark G2D Mark
PassmarkのG2D Markは、2Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークです。
GTX 980の数値は809で、5つの製品の中間のスコアでした。次世代のGeFore GTX 1060(6GB)と比較すると、GTX 980は106%のスコアで、3DMarkと同様に上回る結果でした。
一方で、AMD Radeon R9 390Xと比較すると、3DMarkでは上回っていましたが、G2D Markではおよそ2%下回っています。また、AMD Radeon RX 580の場合は、9%下回った結果でした。
そして、Intel Arc A380に注目すると、3DMarkでは最も高い数値でしたが、G2D Markでは最も低い数値でした。
このように、グラフィックボードによって得意分野が異なることも把握しておきましょう。
消費電力
ワットパフォーマンスも見ていきます。
GTX 980の消費電力は165Wで、AMD製の2製品よりも優れた数値でした。
特にAMD Radeon R9 390Xとの差は90Wと大きく、ワット数別の3DMarkでもみてみても、GTX 980のスコアは26と、AMD Radeon R9 390Xの15を大幅に上回っていることから、GTX 980の方がコストパフォーマンスに優れていることがわかります。
一方で、3DMarkとG2D MarKで上回っていたGeFore GTX 1060(6GB)の消費電力は120Wと、GTX 980よりも45W低い数値でした。
コストパフォーマンスを重視したい方は、消費電力とあわせて他のベンチマークを比較して製品を選定しましょう。
GTX 980を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
GTX 980はどのような用途におすすめ?
GTX 980は、画像・動画編集といったクリエイティブシーンでの活用がおすすめです。
Adobe Premiere ProやAfter Effectsなどの動画編集ソフトにも対応しており、これらのソフトは、GPUの性能に応じて処理速度や画質が向上するため、快適な作業環境を提供してくれるでしょう。
また、メモリ容量は4GBと、グラフィックボードとしては少なめですが、BlenderやMayaなどの3Dモデリングソフトにも対応しているため、負荷の小さい3Dモデリングであれば、問題なく行えます。
さらに、高速なアンチエイリアス処理で画質レベルを向上させるNVIDIA独自の「MFAA」に対応しています。
GTX 980は、より高品質なクリエイティブを作成したいクリエイターにおすすめのグラフィックボードです。
ただし、GTX 980は、Maxwell世代の古いグラフィックボードなので、現在は流通が限られています。GTX 980と同じ80番台で後継モデルにあたるNVIDIA RTX™ 4080なら流通している量が多く、より高いパフォーマンスを実感できます。
RTX 4080の詳細は「RTX 4080とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。
CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。