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RTX 2080とは?スペックや性能、口コミまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「NVIDIA GeForce RTX 2080」のスペックや特徴について解説します。

RTX 2080のベンチマークもあわせてお伝えするので、グラフィックボードの細かい性能とおすすめの用途を把握したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

RTX 2080の基本スペック

NVIDIA GeForce RTX 2080
アーキテクチャ NVIDIA Turing™
GPU TU104
プロセス 12 nm
トランジスタ数 136億
ダイサイズ 545mm²
CUDAコア 2944基
Tensorコア 368基
RTコア 46基
ベースクロック 1520MHz
ブーストクロック 1800MHz
メモリ規格 GDDR6
メモリ容量 8GB
メモリバス 256bit
バンド幅 448GB/s
消費電力 225W
発売日 2018/9

RTX 2080は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。

RTX 2080のメモリ容量は8GBの1種類で、RTX 20シリーズのハイエンドクラスとして、上位モデルのRTX 2080 Tiと同時期の2018年9月に発売されました。

アーキテクチャには、前世代のRTX 16シリーズと同じTuring世代を採用しています。

一方で、GTX 16シリーズには搭載されていなかったRTコアやTensorコアが搭載されているのが大きな違いです。

RTコアはレイトレーシングに特化した演算回路で、Tensorコアはディープラーニングに特化した演算回路です。

そのため、現実に近い影や光を表現したいクリエイターや、AIを使った研究を行う大学研究所での採用がみられます。

RTX 2080のスペック比較

NVIDIA GeForce RTX 2080 NVIDIA GeForce GTX 1080 NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPER
アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Pascal™ NVIDIA Turing™
GPU TU104 GP104 TU104
プロセス 12 nm 16 nm 12 nm
トランジスタ数 136億 72億 136億
ダイサイズ 545mm² 314mm² 545mm²
CUDAコア 2944基 2560基 3072基
Tensorコア 368基 - 384基
RTコア 46基 - 48基
ベースクロック 1520MHz 1607MHz 1650MHz
ブーストクロック 1800MHz 1733MHz 1820MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR5X GDDR6
メモリ容量 8GB 8GB 8GB
メモリバス 256bit 256bit 256bit
バンド幅 448GB/s 320GB/s 496GB/s
消費電力 225W 180W 250W
発売日 2018/9 2016/5 2019/7

RTX 2080のスペックを、前世代のNVIDIA GeForce GTX 1080と、上位モデルであるNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERと比較してみていきましょう。

GTX 1080との比較

RTX 2080のアーキテクチャはTuring世代であるのに対し、GTX 1080ではPascal世代のアーキテクチャが採用されています。プロセスも16nmから12nmに微細化されていることから、トランジスタ数やダイサイズは、RTX 2080の方が優れた数値です。

また、RTX 2080のCUDAコアは、GTX 1080の115%の数値で、動画や3DCADといった複雑な並列処理の性能差がみられます。

メモリ規格は、GTX 1080はGDDR5Xを採用していますが、RTX 2080は高速化と省電力化に定評があるGDDR6を採用しており、メモリ性能においてもRTX 2080の方が優れているといえるでしょう。

RTX 2080 SUPERとの比較

次に、RTX 2080の上位モデルにあたるRTX 2080 SUPERと比較してみていきましょう。

アーキテクチャが同じTuring世代で、GPUも両製品ともTU104を採用していることから、プロセスやトランジスタ数、ダイサイズは同値です。

一方で、CUDAコアやRTコア、Tensorコアといった各種コアは、RTX 2080 SUPERの方が多く搭載しています。ベースクロックやブーストクロックもRTX 2080 SUPERの方が上回っているため、より高いグラフィック処理性能・演算能力を求める方は、RTX 2080 SUPERがおすすめです。

メモリ性能重視の方であれば、両製品で大差はないため、RTX 2080 SUPERより販売価格や消費電力が抑えられたRTX 2080を採用するのも選択肢のひとつです。

RTX 2080の特徴

RTX 2080の特徴を解説します。前世代・次世代のシリーズと比べた時の特徴も解説するので、どのグラフィックボードを導入するか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

AIを活用した「NVIDIA Broadcast」に対応

RTX 2080は、AI技術で強化された音声やビデオ環境を体感できる「NVIDIA Broadcast」に対応しています。

「NVIDIA Broadcast」はNVIDIA独自のアプリケーションで、NVIDIA GeForce RTX 2060、Quadro® RTX 3000、TITAN RTX 以上のグラフィックボードなら、どの製品でもNVIDIAの公式サイト(外部)からすぐにダウンロード可能です。

具体的な機能には、キーボードのタイピングや周囲のノイズをワンクリックで除去してくれる「ノイズ・エコー除去機能」や、視覚的なノイズを除去して画像を鮮明にしてくれる「ビデオノイズ除去機能」、自動で体の動きを追跡してくれる「オートフレーミング機能」があります。

リモートワークでビデオ会議を頻繁に行う企業や、オンライン授業を行う大学におすすめです。

GTX 10シリーズの最上位クラスのGTX 1080 Tiを上回る性能を持つ

RTX 2080はRTX 20シリーズのハイエンドクラスにあたるグラフィックボードですが、GTX 10シリーズの最上位クラスにあたるGTX 1080 Tiを上回る性能を持っているグラフィックボードです。

NVIDIA GeForce  RTX 2080 NVIDIA GeForce  GTX 1080 Ti
アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Pascal™
GPU TU104 GP102
プロセス 12 nm 16 nm
トランジスタ数 136億 118億
ダイサイズ 545mm² 471 mm²
CUDAコア 2944基 3584基
Tensorコア 368基 -
RTコア 46基 -
ベースクロック 1520MHz 1480MHz
ブーストクロック 1800MHz 1582MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR5X
メモリ容量 8GB 11GB
メモリバス 256bit 352bit
バンド幅 448GB/s 484GB/s
消費電力 225W 250W
発売日 2018/9 2017/3

アーキテクチャがNVIDIA GeForce GTX 1080 TiのPascal世代からTuring世代に進化したことで、プロセスが16nmから12nmに微細化されています。その結果、トランジスタ数やダイサイズは、RTX 2080が大きく上回っています。

また、RTX 2080ではRTコアとTensorコアが搭載されている点も大きな特徴です。レイトレーシング性能やAI技術を使った機能を業務に活用したい方は、RTX 2080がおすすめです。ベースクロックやブーストクロックもRTX 2080が上回っていることから、演算能力の向上がみられます。

一方で、RTX 2080の容量は8GBと、GTX 1080 Tiの11GBより少ないため、大容量のグラフィックボードを求める方は、GTX 1080 Tiの方が適しているでしょう。

とはいえ、GTX 1080 Tiは、最新のアーキテクチャよりも4世代古いPascal世代を採用しているグラフィックボードで、流通も限られています。

現在のグラフィック系アプリケーションに対応していない可能性が高いので、最低でもRTX 2080以上のグラフィックボードがおすすめです。

上位モデルのRTX 2080 Tiとの性能差が大きい

RTX 2080は、上位モデルのNVIDIA GeForce RTX 2080 Tiとの性能差が大きく、性能差ほど販売価格に開きはないため、選ばれにくいのも事実です。

NVIDIA GeForce RTX 2080 NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti
アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Turing™
GPU TU104 TU102
プロセス 12 nm 12 nm
トランジスタ数 136億 186億
ダイサイズ 545mm² 754mm²
CUDAコア 2944基 4352基
Tensorコア 368基 544基
RTコア 46基 68基
ベースクロック 1520MHz 1350MHz
ブーストクロック 1800MHz 1640MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR6
メモリ容量 8GB 11GB
メモリバス 256bit 352bit
バンド幅 448GB/s 616GB/s
消費電力 225W 250W
発売日 2018/9 2018/9

アーキテクチャは同じTuring世代ですが、RTX 2080 TiのGPUは、RTX 2080のTU104からスペックアップしたTU102です。そのため、プロセスは同じ12nmですが、トランジスタ数やCUDAコアは、RTX 2080 Tiが大きく上回っています。

RTコアやTensorコアの搭載数も大幅に増えています。メモリ性能においても、RTX 2080 Tiのメモリ容量はRTX 2080より3GB多い11GBで、メモリバスやバンド幅もRTX 2080 Tiの方が優れた数値です。

これだけ優れた性能でありながら、消費電力は25W増に抑えられている点も評価すべきポイントです。

少しでもコストを抑えてグラフィックボードを導入したい方であれば、RTX 2080は適していますが、コスパを考えると、RTX 2080 Tiの方が優れているといえるでしょう。

RTX 2080のベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。

グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。

3DMark

RTX2080_3D.png

3DMarkは、3Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークスコアです。

RTX 2080の数値は10991と、上位モデルのNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERやNVIDIA GeForce RTX 4060のノートパソコンモデルよりも上回ったスコアでした。ノートパソコン向けモデルは、デスクトップ版と比べてグラフィック処理性能が劣る傾向にあるので、高いグラフィック処理性能を求める方は注意が必要です。

一方で、RTX 2080は、RTX AシリーズのNVIDIA RTX™ A4000や、競合のAMD Radeon RX 6700を下回る結果でした。

NVIDIA RTX A4000をはじめとしたRTX Aシリーズは、複雑な3DCADのモデリングや画像解析で用いられるプロフェッショナル向けのグラフィックボードであるため、グラフィック処理性能は他のシリーズと比べて高めです。

上記のように、複数のモデル・シリーズのスコアを比較して製品を見極めましょう。

レイトレーシング

RTX2080_レイトレーシング.png

レイトレーシングは、光や影を表現・追跡する機能です。

RTX 2080の数値は6294と、5つの製品のなかでNVIDIA RTX A4000に次いで高いスコアでした。上位モデルのNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERや、NVIDIA GeForce RTX 4060のノートパソコンモデルと比較すると、3DMarkと同様に性能差がみられます。

特にNVIDIA GeForce RTX 4060(ノートブック)との差は大きく、RTX 2080がおよそ10%高いスコアです。

RTX 2080をはじめとしたRTXシリーズには、レイトレーシングに特化したRTコアが搭載されています。

前世代のGTXシリーズには搭載されていないので、レイトレーシング性能を重視したい方は、RTX 20シリーズ以降のモデルのスコアを上記のように比較して、求める性能を満たすグラフィックボードを導入しましょう。

消費電力

RTX2080_消費電力.png

ワットパフォーマンスにも着目していきます。

RTX 2080の消費電力は215Wと、5つの製品のなかで最も高い数値でした。一方で、NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERやNVIDIA GeForce RTX 4060は、ノートパソコン向けモデルということもあり、RTX 2080を大きく下回っています。

NVIDIA RTX A4000の消費電力は140Wと、デスクトップ版でありながら省電力性に優れている点もポイントです。NVIDIA RTX A4000は、ワット数別の3DMarkスコアも優秀で、RTX 2080の数値を大きく上回っていることからも、コスパに優れたグラフィックボードといえるでしょう。

コスパを重視したい方は、消費電力だけでなく、ワット数別のスコアも確認して製品を選定しましょう。

RTX 2080を使用している方の口コミ・評価

情報が集まり次第、更新します。

RTX 2080はどのような用途におすすめ?

RTX 2080は、ゲーミング用途で採用されるケースが多いAPIのDirextXに対応しています。そのため、ゲーム用のグラフィックボードとして導入する方もいますが、グラフィックデザインや3DCADのレンダリング、動画編集などを行うクリエイターにもRTX 2080はおすすめです。

RTX 2080 Tiは、高解像度のビデオ編集や3Dアニメーションのレンダリング・ノイズ除去に役立つNVIDIA独自のプラットフォームである「NVIDIA Studio」にも対応しています。

「NVIDIA Studio」は、RTX 20シリーズから搭載されたRTコアとTensorコアを活用することでワークフローの高速化を実現し、生産性を向上してくれるため、特に人手不足に悩んでいる企業におすすめです。

ただし、RTX 2080は、2世代古いTuring世代のアーキテクチャを採用しているグラフィックボードで、現在は流通が限られています。

主流は、最新世代40シリーズに。

主流は、20シリーズから30シリーズ、そして40シリーズに。80番台をご希望なら、さらに高性能になった「RTX 4080」がおすすめです。以下リンクからご確認ください。RTX 4080について詳しく知りたい方は、「RTX 4080とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」も合わせてご覧ください。
また、RTX 2080と同様のスペックをご要望の方は、「グラフィックボード性能比較」もご参考ください。

GPU搭載PCを仕事で使うことについて

PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。

グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。

主にクリエイティブ用途で活躍

特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。

代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。

グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。

CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に

CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。

PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。

その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。

ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC

結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。

以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。

高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。

まとめ

この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「RTX 2080」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説しました。

RTX 2080は、RTX 20シリーズのハイエンドクラスにあたるグラフィックボードで、前世代の最上位クラスのGTX 1080よりも高い性能を持っています。さらに、AI技術を活用して配信環境のレベルを引き上げてくれる「NVIDIA Broadcast」にも対応しています。

ベンチマークも紹介しているので、どのグラフィックボードを導入するか決まっていない方は、この記事を参考に他の製品と比較して、用途に合ったグラフィックボードを選定しましょう。

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