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GTX 1050 Tiとは?スペックや性能、口コミまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce GTX 1050 Ti」のスペックや特徴について解説します。GTX 1050 Tiのベンチマークも合わせてお伝えします。

どのグラフィックボードが良いか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

GTX 1050 Tiの基本スペック

GeForce GTX 1050 Ti
アーキテクチャ NVIDIA Pascal™
GPU GP107
プロセス 14 nm
トランジスタ数 33億
NIVIDIA CUDAコア 768基
ベースクロック 1290MHz
ブーストクロック 1392MHz
ビデオメモリ容量・規格 4GB GDDR5
メモリインターフェイス幅 128 bit
グラフィックスカード電力 (W) 75W
最小システム電力 (W)  300W
最大GPU 温度 (°C) 97°C
対応API Microsoft DirectX 12 API with feature level 12_1
Vulkan API
OpenGL4.5
長さ 5.7インチ
4.38インチ
スロット デュアルスロット

GTX 1050 Tiは、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。

GeForce GTX 10シリーズのエントリークラスとして発売されたグラフィックボードで、アーキテクチャはNVIDIA Pascal™を採用しており、前世代のGeForce GTX 900シリーズから演算能力や省電力性のスペック向上がみられます。

APIはDirextXに対応しているため、主にゲーム向けのグラフィックボードとして使用される傾向にありますが、2Dグラフィックスの処理のなどのクリエイティブシーンでも活用できます。

GTX 1050 Tiのスペック比較

GeForce GTX 1050 Ti GeForce GTX 1050(2GB) GeForce GTX 1050(3GB) GeForce GTX 1060(3GB) GeForce GTX 1060(6GB)
アーキテクチャ NVIDIA Pascal™ NVIDIA Pascal™ NVIDIA Pascal™ NVIDIA Pascal™ NVIDIA Pascal™
GPU GP107 GP107 GP107 GP106 GP106
プロセス 14 nm 14 nm 14 nm 16 nm 16 nm
トランジスタ数 33億 33億 33億 44億 44億
NIVIDIA CUDAコア 768基 640基 768基 1152基 1280基
ベースクロック(MHz) 1290MHz 1354MHz 1392MHz 1506MHz 1506MHz
ブーストクロック(MHz) 1392MHz 1455MHz 1518MHz 1708HMz 1708HMz
ビデオメモリ容量・規格 4GB GDDR5 2GB GDDR5 3GB GDDR5 3GB GDDR5 6GB GDDR5
メモリインターフェイス幅 128 bit 128 bit 96 bit 192 bit 192 bit
グラフィックスカード電力 (W) 75W 75W 75W 120W 120W
最小システム電力 (W)  300W 300W 300W 400W 400W
最大GPU 温度 (°C) 97°C 97°C 97°C 94°C 94°C
対応API Microsoft DirectX 12 API with feature level 12_1
Vulkan API
OpenGL4.5
Microsoft DirectX 12 API with feature level 12_1
Vulkan API
OpenGL4.5
Microsoft DirectX 12 API with feature level 12_1
Vulkan API
OpenGL4.5
Microsoft DirectX 12 API with feature level 12_1
Vulkan API
OpenGL4.5
Microsoft DirectX 12 API with feature level 12_1
Vulkan API
OpenGL4.5
長さ 5.7インチ 5.7インチ 5.7インチ 9.823インチ 9.823インチ
4.38インチ 4.38インチ 4.38インチ 4.378インチ 4.378インチ
スロット デュアルスロット デュアルスロット デュアルスロット デュアルスロット デュアルスロット

GTX 1050 Tiのスペックを、下位モデルのGeForce GTX 1050と、上位モデルのGeForce GTX 1060と比較してみていきましょう。

GTX 1050との比較

GTX 1050 TiとGTX 1050は、同じGTX 10シリーズのグラフィックボードなので、アーキテクチャも同じPascal世代を採用しています。

GTX 1050 Tiのメモリ容量は4GBの1種類であるのに対し、GTX 1050は2GBと3GBの2種類あります。また、CUDAコアの搭載数やメモリインターフェイス幅は、GTX 1050 TiとGTX 1050(3GB版)が同値です。

一方で、ベースクロックやブーストクロックは、GTX 1050が2GB版と3GB版両方でGTX 1050 Tiを上回っています。

全体を通して大きな性能差はありませんが、少しでもメモリ容量が多い製品を使用したい方は、GTX 1050 Tiがおすすめです。

GTX 1060との比較

上位モデルのGTX 1060と比較すると、アーキテクチャは同じPascal世代ですが、開発コードネームがGP107からGP106へスペックアップしています。その結果、CUDAコアの搭載数や、ベースクロック、ブーストクロック、メモリインターフェイス幅などにおいて数値の向上がみられます。

加えて、GTX 1060のメモリ容量は、GTX 1050 Tiの3GBから倍増の6GBです。

性能が向上した分、消費電力も増えていますが、少しでも高いグラフィック処理性能や演算能力を求める方は、GTX 1060がおすすめです。

GTX 1050 Tiの特徴

GTX 1050 Tiの特徴を3つ解説します。

GTX 1050 Tiをほかの製品と比較した際の特徴も紹介するので、グラフィックボードの選定に悩んでいる方は、参考にしてください。

補助電源が不要で省電力性に優れている

GTX 1050 Tiは、補助電源を使用せずに稼働させられるグラフィックボードです。

同じGTX 10シリーズのGeForce GTX 1060以降のグラフィックボードは、6ピンや8ピンの補助電源が必要なため、初めてグラフィックボードを使用する方や、自作PCを行う方にとってはひとつのハードルになる場合があります。GTX 1050 Tiであれば、補助電源を用意する手間や費用、消費電力を抑えられるので、コストを抑えたい方にもおすすめです。

また、これからグラフィックボードを導入する方は、導入する前に補助電源の要否を確認しておくと、スムーズに使用できるでしょう。

「Simultaneous Multi-Projection」に対応

GTX 1050 Tiは、NVIDIAのVRに最適化されたレンダリング技術である「Simultaneous Multi-Projection(SMP)」に対応しています。

Simultaneous Multi-Projectionは、1つのレンダリングで複数の投影を行うことができる技術で、PUが複数の投影を同時に処理し、各投影に対して独自の歪み補正を行います。このことで、VRやマルチモニター環境での投影の歪みを低減し、リアルな映像の再現が可能です。

また、Simultaneous Multi-Projectionは、NVIDIAのPascal世代以降のグラフィックボードでサポートされており、VRのパフォーマンスを向上させるために幅広く使用されています。

VRゲームを楽しむ方だけでなく、VRを使った事業を展開する企業も注目すべき技術です。

NVIDIA SLIに対応していない

GTX 1050 Tiは、NVIDIAが開発したマルチGPU技術の「NVIDIA SLI」に対応していません。

「NVIDIA SLI」は、複数のグラフィックカードを搭載することで、高度なグラフィックス処理を実現する技術です。通常は、1枚のグラフィックボードで映像の出力や処理を行いますが、NVIDIA SLIを活用すれば、2枚以上のグラフィックボードを使用できるため、画像処理の負荷が分散され、より高いパフォーマンスを発揮してくれます。

ただし、GTX 1050 Tiは対応していないため、複数のグラフィックボードを使って性能を底上げはできません。

より高いパフォーマンスを求める方は、NVIDIA SLIに対応したグラフィックボードを導入しましょう。

GTX 1050 Tiのベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・Passmark G2D Mark・消費電力の3つの観点から紹介します。

グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。

3DMark

GTX 1050 Ti(3DMark).png

まずは、3Dグラフィックスの処理性能を表す3DMarkのベンチマークスコアを紹介します。

GTX 1050 Tiのスコアは2237と、競合のAMD製のRadeon HD 7970や、前世代のGeForce GTX 970Mを上回る結果でした。

GTX 970Mの「M」は、「Mobile」を表していて、ノートパソコン版のグラフィックボードであることを指します。ノートパソコン版のグラフィックボードは、デスクトップ版と比べて性能が劣る傾向にあるため、デスクトップ版のGTX 1050 Tiが上回ったと考えられます。

一方で、GTX 1050 Tiのノートパソコン版と比べると、わずかに下回る結果でしたが、ほぼ同値です。

このように、グラフィックボードによっては、ノートパソコン版とデスクトップ版があるので、使用するデバイスが決まっている方は、注意しましょう。

Passmark G2D Mark

GTX 1050 Ti(Passmark G2D Mark).png

2Dグラフィックスの処理性能を表すPassMarkのG2D Markもあわせて確認しましょう。

GTX 1050 Tiのスコアは651と、5つの製品のなかで3番目に高い数値でした。同じNVIDIA製の両製品との性能差は大きく、GTX 1050 Tiのスコアは、GTX 970Mの166%、GTX 1050 Tiのノートパソコン版の201%の数値です。

一方で、AMD製の両製品と比較すると、大きく下回る結果でした。特に、3DMarkで上回っていたRadeon HD 7970よりも11%下回る数値である点がポイントです。

グラフィックボードによって得意分野は異なるので、ひとつのベンチマークだけでなく、複数のベンチマークを比較して性能を見極めましょう。

消費電力

GTX 1050 Ti(ワットパフォーマンス).png

最後に、消費電力の観点でも比較していきます。

GTX 1050 Tiの消費電力は75Wで、5つの製品のなかで2番目に低い数値でした。

デスクトップ版よりも消費電力が抑えられているノートパソコン版のNVIDIA GeForce GTX 970Mの95Wより20Wも低い数値であることから、GTX 1050 TIの省電力性の高さがうかがえます。同じデスクトップ版のAMD製の両製品と比較しても、GTX 1050 Tiは大きく下回っています。

また、ワット数別の3DMarkスコアにおいても、5つの製品のなかでは上位です。

コストを抑えてグラフィックボードを運用したい方は、スペックとあわせて消費電力も確認しましょう。

GTX 1050 Tiを使用している方の口コミ・評価

実際にGTX 1050 Tiを使用している方の口コミ・評価を紹介します。

GTX 1050 Tiのリアルな使用感を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

同価格帯で、よりコスパの良いRX570やGTX1060・GTX1650とも悩みましたが、

さほど重いゲームもやらないため、価格に惹かれて1050tiにしました。

次にどのメーカーの1050tiを選ぶかでも悩みましたが、

グラボはファンの寿命が先に来ると聞いていたので

ファンの軸受けがボールベアリングタイプで更に防塵機構も備えられたこちらの商品なら耐久性が見込めると思い、購入しました。

ドスパラ通販サイトより引用

音はとても静かで発熱も少なく満足しています。

動作良好、静穏性も問題なし、GTX650からこちらの商品に換装した結果3D性能が倍以上でています

ドスパラ通販サイトより引用

asus h67と古いマザーを使用してますが550tiからの差し替えでで問題なく使用でき満足です

ドスパラ通販サイトより引用

上記の口コミから、GTX 1050 Tiは、前世代のモデルから3D性能の向上が見られるだけでなく、静音性にも優れているグラフィックボードだとわかりました。

GTX 1050 Tiはどのような用途におすすめ?

GTX 1050 Tiは、GTX 10シリーズのエントリークラスにあたるグラフィックボードなので、販売価格は他の製品と比べて抑えられています。そのため、まずは手に取りやすいグラフィックボードから体験したいという初心者におすすめです。

また、メモリ容量も4GBで、2Dグラフィックや負荷の軽い3Dグラフィックであれば、問題なく扱えます。ただし、GTX 1050 Tiは、世代の古いPascal世代のグラフィックボードなので、最新のアプリケーションに対応していない場合があります。

GTX 1050 Tiの後継にあたるGTX 1650であれば、現在も流通しており、より高い性能を実感できます。アプリケーションによっては、問題なく使用できるでしょう。

GTX 1650の詳細は「GTX 1650とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

GPU搭載PCを仕事で使うことについて

PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。

CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。

グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。

主にクリエイティブ用途で活躍

特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。

代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。

グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。

CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に

CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。

PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。

その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。

ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC

結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。

以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。

高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。

まとめ

この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「GeForce GTX 1050 Ti」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説しました。

GTX 1050 Tiは、GTX 10シリーズのエントリークラスにあたるグラフィックボードで初心者でも手に取りやすく、補助電源も不要なため、コストを抑えられて運用できます。

また、3Dグラフィックスよりも2Dグラフィックスの処理性能に優れているため、画像や動画の編集、グラフィックデザインを行うクリエイターにおすすめです。

ほかの製品との比較も紹介したので、どのグラフィックボードを導入すべきか悩んでいる方は、参考にしてみてください。

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