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GTX 980 Tiとは?スペックや性能、口コミまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce GTX 980 Ti」のスペックや特徴について解説します。
GTX 980 Tiのベンチマークもあわせてお伝えします。
これからグラフィックボードを選定する方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
GTX 980 Tiの基本スペック
GeForce GTX 980 Ti | |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Maxwell™ |
開発コードネーム | GM200 |
プロセス | 28 nm |
トランジスタ数 | 80億 |
NVIDIA CUDAコア | 2816基 |
レイトレーシング コア | - |
Tensorコア | - |
ベースクロック (MHz) | 1000MHz |
ブーストクロック (MHz) | 1075MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 6GB GDDR5 |
メモリインターフェイス幅 | 384bit |
グラフィックスカード電力 (W) | 250W |
最小システム電力 (W) | 600W以上 |
最大GPU 温度 (°C) | 92°C |
対応API | - |
長さ | - |
幅 | - |
スロット | - |
発売日 | 2015/6 |
GTX 980 Tiは、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。
GeForce GTX 900シリーズの最上位クラスにあたるグラフィックボードで、アーキテクチャにはNVIDIA Maxwell™が採用されています。
4K環境やVR体験でも高いパフォーマンスを発揮することから、グラフィックデザインを行うクリエイターや、VRを使った事業や研究を行う方からの採用がみられるグラフィックボードです。
980 Tiのスペック比較
GeForce GTX 980 Ti | GeForce GTX 980 | GeForce GTX 1080 Ti | |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Maxwell™ | NVIDIA Maxwell™ | NVIDIA Pascal™ |
開発コードネーム | GM200 | GM204 | GP102 |
プロセス | 28 nm | 28 nm | 16 nm |
トランジスタ数 | 80億 | 52億 | 118億 |
NVIDIA CUDAコア | 2816基 | 2048基 | 3584基 |
レイトレーシング コア | - | - | - |
Tensorコア | - | - | - |
ベースクロック (MHz) | 1000MHz | 1126MHz | 1481MHz |
ブーストクロック (MHz) | 1075MHz | 1216MHz | 1582MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 6GB GDDR5 | 4GB GDDR5 | 11GB GDDR5X |
メモリインターフェイス幅 | 384bit | 256bit | 352bit |
グラフィックスカード電力 (W) | 250W | 165W | 250W |
最小システム電力 (W) | 600W以上 | 500W | 600W |
最大GPU 温度 (°C) | 92°C | 98°C | 91°C |
対応API | - | - | DirectX 12 API with feature level 12_1 Vulkan API OpenGL4.5 |
長さ | - | - | 10.5インチ |
幅 | - | - | 4.376インチ |
スロット | - | - | デュアルスロット |
発売日 | 2015/6 | 2014/9 | 2017/12 |
GTX 980 Tiのスペックを、下位モデルのGeForce GTX 980と、次世代モデルのGeForce GTX 1080 Tiと比較してみていきましょう。
GTX 980との比較
GTX 980 TiとGTX 980は、ともにMaxwell世代のアーキテクチャを採用したGTX 900シリーズのグラフィックボードですが、GTX 980 Tiの方が上位モデルであるため、スペックに大きな差がみられます。GTX 980 TiのCUDAコアは、GTX 980の137%の数値で大きく上回っており、動画編集や3DCADなどの複雑な並列処理を行う方は、GTX 980 Tiがおすすめです。
また、GTX 980のメモリ容量は4GBであるのに対し、GTX 980 Tiは6GBと大容量なので、負荷の大きい作業やアプリケーションを扱う方もGTX 980 Tiの方が適しているといえるでしょう。
GTX 1080 Tiとの比較
次は、次世代モデルのGTX 1080 Tiと比較してみていきます。
GTX 1080 Tiでは、NVIDIA Pascal™アーキテクチャが採用されています。これはMaxwell世代の次世代にあたるアーキテクチャです。GTX 1080 TiのCUDAコアは、GTX 980 Tiの127%の搭載数で、大幅な向上がみられました。さらに、ベースクロックやブーストクロックも向上しており、演算能力のスペックアップがうかがえます。
また、GTX 1080 Tiのメモリ容量は11GBと、GTX 980 Tiのおよそ倍の大きさなので、より多くのデータや負荷の大きい作業を行う方は、GTX 1080 Tiがおすすめです。
GTX 980 Tiの特徴
GTX 980 Tiの特徴を3つ紹介します。
より深くGTX 980 Tiを知れるので、ぜひ製品選定の参考にしてください。
小型で静音性に優れている
GTX 980 Tiは、GTX 900シリーズの最上位クラスで高いパフォーマンスを発揮しながら、静音性にも優れているグラフィックボードです。
グラフィックボードは、高い負荷がかかると高速でファンが稼働するため、熱と稼働音が発生してしまいます。
GTX 980 Tiであれば、小型でなおかつ電力を効率良く使用する設計になっているため、高い負荷がかかっても静音で稼働します。長時間でも快適に利用できるため、業務や研究、学習などのシーンでの採用がおすすめです。
4K環境でも高いパフォーマンスを発揮
GTX 980 Tiは、4Kの高解像度環境に対応した、GTX 900シリーズの最上位クラスのグラフィックボードです。
4K環境でも複雑な並列処理を行えるだけのCUDAコアを搭載しており、容量の大きいクリエイティブ系のアプリケーションを使用できるだけの6GBのメモリが搭載されています。クリエイティブシーンにおいて、4K解像度の映像表現はますます一般的になっているため、高解像度の動画や画像の編集や、3Dレンダリング等のタスクを行うクリエイターにおすすめです。
また、4K環境でも映像を高速に処理できるので、作業効率を改善したい方にも適しているでしょう。
6ピン+8ピンの補助電源が必要
GTX 980 Tiを使用するには、6ピン+8ピンの補助電源が必要です。そのため、初めてグラフィックボードを使用する方や、PCを自作する方にとっては、費用面や工数面での負担になる場合があります。
また、補助電源が必要な分、消費電力も高くなってしまいます。
一方で、次世代のGTX 10シリーズのエントリークラスであるGTX 1050は、補助電源を使わなくても稼働可能です。
少しでも費用や工数を抑えたい方は、補助電源が不要なグラフィックボードがおすすめです。
GTX 980 Tiのベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・PassMark G2D Mark・消費電力の3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
3DMark
3DMarkは、3Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークです。
GTX 980 Tiのスコアは5776と、ノートパソコン版のGeForce RTX 2060 Max-QやGeForce GTX 1660 Ti(Notebook)よりも高い数値でした。
ノートパソコン版のグラフィックボードは、デスクトップ版と比べて性能が劣る傾向にあるため、上記のように、上位のモデルであっても下位モデルより性能が低くなる場合があります。
また、同じノートパソコン版であっても、製品によってMax-QとNotebookの2種類あります。Max-Qは、通常のノートパソコン用グラフィックボードよりも小型かつ薄型のタイプです。
今回の結果のように、それぞれで性能が異なるので、ノートパソコン用のグラフィックボードを使用する方は、選定の際に注意しましょう。
PassMark G2D Mark
2Dグラフィックスの処理性能に対応したPassMarkのG2D Markも紹介します。
GTX 980 Tiのスコアは859と、NVIDIA RTX™ A2000に次いで高い数値でした。3DMarkと同様に、ノートパソコン版のRTX 2060 Max-QやGTX 1660 Ti(Notebook)を上回る結果です。
特にRTX 2060 Max-Qとの性能差は大きく、GTX 980 Tiのスコアは、RTX 2060 Max-Qの202%の数値です。
また、3DMarkでは下回っていたRTX 2060(Notebook)と比べても上回る数値であることからも、GTX 980 Tiは、3Dよりも2Dの処理性能に優れたグラフィックボードだといえます。
消費電力
最後に、消費電力も比較していきます。
GTX 980 Tiの消費電力は250Wで、5つの製品のなかで最も高い数値でした。最も消費電力が低かったのは、GTX 1660 Ti(Notebook)の60Wで、GTX 980 Tiのおよそ4分の1です。
ノートパソコン版は、デスクトップ版と比べて消費電力は低いので、デバイスにこだわりはなく、コストを抑えたい方はノートパソコン版がおすすめです。
ワット数別の3DMarkスコアを比較しても、消費電力の少ないノートパソコン版の製品が高い結果となりました。
GTX 980 Tiを使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
GTX 980 Tiはどのような用途におすすめ?
GTX 980 Tiのメモリ容量は6GBと、GTX 900シリーズのなかで最も大容量です。
そのため、表計算や資料の作成などの一般業務はもちろん、画像や動画編集といった2Dグラフィックスの処理や、3Dアニメーションや3DCADの設計など、クリエイティブシーンにも対応できます。
ただし、GTX 980 Tiは、最新のAda Lovelance世代よりも4世代古いグラフィックボードであるため、現在は入手が難しく、対応していないクリエイティブ系のアプリケーションもあります。
GTX 980 Tiより2世代新しいTuring世代を搭載したGTX 1660 SUPERであれば、比較的手に入りやすく、なおかつGTX 980 Tiに近い性能を持っているため、GTX 980 Tiを検討していた方に適しています。
GTX 1660 SUPERの詳細は「GTX 1660 SUPERとは?スペックや性能、口コミまで徹底解説」の記事で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。