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RTX 3090 Tiとは?スペックや性能、口コミまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce RTX 3090 Ti」のスペックや特徴について解説します。

RTX 3090 Tiのベンチマークやおすすめのパソコンもあわせてお伝えするので、複数の製品と性能を比較して選定したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

RTX 3090 Tiの基本スペック

GeForce RTX 3090 Ti
NVIDIAアーキテクチャ名 NVIDIA Ampere アーキテクチャ
開発コードネーム GA102
プロセス 8 nm
トランジスタ数 283億
NVIDIA CUDAコア 10752基
レイトレーシング コア 第2世代
Tensorコア 第3世代
ベースクロック (MHz) 1560MHz
ブーストクロック (MHz) 1860MHz
ビデオメモリ容量・規格 24GB GDDR6X
メモリインターフェイス幅 384bit
グラフィックスカード電力 (W) 450W
最小システム電力 (W) 850W
最大GPU 温度 (°C) 92°C
対応API DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
長さ 313mm
138mm
スロット 3スロット
発売日 2022/3

GeForce RTX 3090 Tiは、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売している、GeForce RTX 30シリーズの最上位クラスにあたるグラフィックボードです。

RTX 30シリーズには、最上位クラスのGeForce RTX 3090 Tiのほかに、比較的手に取りやすいエントリークラスのGeForce RTX 3050や、ミドルクラスのGeForce RTX 3070 Tiがあります。

アーキテクチャにはNVIDIA Ampere アーキテクチャが採用されており、NVIDIA Turing™が採用されていた前世代のGeForce RTX 20シリーズから、グラフィックス処理性能やメモリ性能などのスペック向上がみられます。

また、GeForce RTXシリーズのなかでも特に優れたメモリ性能を持つことから、大規模なデータを扱う研究者や、クリエイティブ系のアプリケーションを使用するクリエイターから採用がみられます。

RTX 3090 Tiのスペック比較

GeForce RTX 3090 Ti GeForce RTX 3090 GeForce RTX 4090
NVIDIAアーキテクチャ名 NVIDIA Ampere アーキテクチャ NVIDIA Ampere アーキテクチャ NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャ
開発コードネーム GA102 GA102 AD102
プロセス 8 nm 8 nm 5 nm
トランジスタ数 283億 283億 763億
NVIDIA CUDAコア 10752基 10496基 16384基
レイトレーシング コア 第2世代 第2世代 第3世代
Tensorコア 第3世代 第3世代 第4世代
ベースクロック (MHz) 1560MHz 1400MHz 2230MHz
ブーストクロック (MHz) 1860MHz 1700MHz 2520MHz
ビデオメモリ容量・規格 24GB GDDR6X 24GB GDDR6X 24GB GDDR6X
メモリインターフェイス幅 384bit 384bit 384bit
グラフィックスカード電力 (W) 450W 350W 315W
最小システム電力 (W) 850W 750W 850W
最大GPU 温度 (°C) 92°C 93°C 90°C
対応API DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
長さ 313mm 313mm 304mm
138mm 138mm 137mm
スロット 3スロット 3スロット 3スロット
発売日 2022/3 2020/9 2022/10

RTX 3090 Tiのスペックを、下位モデルのGeForce RTX 3090と、次世代モデルのGeForce RTX 4090と比較してみていきましょう。

RTX 3090との比較

RTX 3090 TiとGeForce RTX 3090は、同じRTX 30シリーズのグラフィックボードで、アーキテクチャにはAmpere世代を、開発コードネームにはGA102を採用しています。そのため、プロセスやトランジスタ数は同値です。

一方で、RTX 3090 TiのCUDAコアの搭載数は、RTX 3090の102%の数値で、並列処理性能の向上がみられます。ブーストクロックやベースクロックといった演算能力においても、RTX 3090 TiがRTX 3090を大きく上回っています。

また、両製品ともメモリ容量は24GBで、メモリ規格も同じGDDR6Xと、メモリ性能に差はみられません。

RTX 4090との比較

次に、RTX 3090 Tiの次世代にあたるRTX 4090もみていきます。

RTX 4090は、新たにNVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャを搭載した、GeForce RTX 40シリーズの最上位クラスのグラフィックボードです。

RTX 4090のプロセスは5nmと、RTX 3090 Tiの8nmから微細化されています。その結果、RTX 4090のCUDAコアは、RTX 3090 Tiの152%もの搭載数に向上しています。

搭載されているRTコアやTensorコアも、RTX 3090 Tiから1世代進化しているのも大きな特徴です。

メモリ性能に大きな差はありませんが、より高いグラフィック性能やレイトレーシング性能を求める方は、RTX 4090がおすすめです。

RTX 3090 Tiの特徴

RTX 3090 Tiの特徴を3つ紹介します。

対応しているNVIDIAの独自性能や、ほかのRTXシリーズの製品と比較した結果を中心に紹介するので、ぜひ参考にしてください。

「NVIDIA NVLink」に対応

RTX 3090 Tiは、NVIDIAが開発した高速データ転送インターフェースの「NVIDIA NVLink」に対応しています。

NVIDIA NVLinkは、GPU同士や、GPUとCPUとの間でデータ通信を高速に行う技術で、高性能コンピューティング(HPC)やディープラーニングなど、大量のデータや計算を扱うアプリケーションでの活躍が期待できます。

また、GPU間での効率的なメモリアクセスも可能で、一方のGPUによって計算されたデータの共有・処理に最適です。

NVIDIA NVLinkは、RTX 3070以降の製品から対応しているため、活用したい方は製品選定の際に注意しましょう。

GeForce RTXシリーズで最大のメモリ容量を誇る

RTX 3090 Tiのメモリ容量は24GBで、RTXシリーズで最大のメモリ容量を誇ります。

ほかのRTXシリーズの製品と比較した結果は、以下のとおりです。

GeForce RTX 3090 Ti GeForce RTX 3080 Ti GeForce RTX 3050 GeForce RTX 2080 Ti
メモリ容量 24GB 12GB 8GB 11GB

同じRTX 30シリーズのRTX 3080 Tiのメモリ容量は、RTX 3090 Tiの半分の12GBです。

また、RTX 30シリーズのエントリークラスにあたるRTX 3050のメモリ容量は8GBと、RTX 3090 Tiの3分の1の容量で、大きな差があります。

そして、RTX 20シリーズの最上位クラスのRTX 2080 Tiと比較しても、13GBもの差があります。

ほかのRTXシリーズを圧倒する大容量なので、2D・3Dグラフィックの処理はもちろん、大規模なデータを活用した研究やディープラーニングなどの用途にもおすすめです。

RTX 3090から消費電力が100Wアップ

RTX 3090 Tiのデメリットとして、消費電力の高さがあります。

RTX 3090 Tiの消費電力は450Wで、RTXシリーズのなかで最も多く、下位モデルのRTX 3090の350Wから100Wもアップしています。

スペック面では、CUDAコアやベースクロックなどの向上がみられますが、スペックの向上以上に消費電力のアップが際立っています。

そのため、コストを抑えてグラフィックボードを運用したい方は、スペックと消費電力に注目し、コストパフォーマンスを見極めましょう。

RTX 3090 Tiのベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。

グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。

3DMark

RTX 3090 Ti(3DMark).png

3DMarkは、3Dグラフィックスの処理性能を数値化したベンチマークスコアです。

RTX 3090 Tiのスコアは21751で、NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPUと、競合のAMD Radeon 6900 XTを上回る数値でした。

NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPUは、RTX 3090 Tiの次世代モデルにあたるグラフィックボードですが、デスクトップ版より性能が劣る傾向にあるノートパソコン版であるため、上記のような性能差が表れたと考えられます。

一方で、RTX 3090 Tiは、NVIDIA GeForce RTX 4070 Tiや前述のRadeon RX 6950 XTと比較すると、下回る結果です。特に次世代モデルにあたるRTX 4070 Tiとは性能差が最も大きく、約5%下回っています。

レイトレーシング

RTX 3090 Ti(Port Royal).png

レイトレーシングとは、リアルや光や影を表現する機能です。

RTX 3090 Tiのスコアは14854と、次世代モデルのRTX 4070 TiやRTX 4090 Laptop GPUを凌ぎ、5つの製品のなかで最も高い数値でした。

AMD製の2製品と比較すると、RTX 3090 Tiのスコアは、Radeon RX 6950 XTの135%、Radeon 6900 XTの142%の数値です。

以上の結果から、RTX 3090 Tiのレイトレーシング性能の高さがうかがえます。

高いレイトレーシング性能を求めるクリエイターやゲーマーの方は、上記のように複数の製品を比較して性能を見極めましょう。

消費電力

RTX 3090 Ti(消費電力).png

最後に、消費電力の観点でも比較していきます。

RTX 3090 Tiの消費電力は、5つの製品のなかで最も多い450Wです。

最も少ない消費電力だったのは、RTX 4090 Laptop GPUの120Wで、RTX 3090 Tiと330Wもの差があります。

消費電力を抑えたい方は、ノートパソコン版のグラフィックボードがおすすめです。

また、ワット数別の3DMarkスコアで見てみても、RTX 3090 Tiが最も低く、RTX 4090 Laptop GPUが最も高い数値でした。

ワットパフォーマンスを重視したい方は、消費電力とあわせて、ワット数別のベンチマークスコアも確認しましょう。

RTX 3090 Tiを使用している方の口コミ・評価

実際にRTX 3090 Tiを使用している方の口コミ・評価を紹介します。

製品選定の参考にしてみてください。

パソコンは初めての購入になりますがこのパーツのおかげでケース内はとても鮮やかになりました♪

立ててつけていますので凄く目立ちます。

これぞゲーミングPCって感じで好きです♪♪♪

性能は素人なので良くわかりません 当時で1番良い物だと言うことぐらいです!

現在は4000番台が出ていますので型落ちですが それでも最高品質だと思います

ドスパラ通販サイトより引用

夏に出る4000番台を待てなかった。(世界情勢的に夏に出るかどうか分からなくなってきた、出たとしても手に入れることが出来るのか不明)

しかしながら4000番台も手に入れるとして、圧倒的パフォーマンスに目が飛び出て飛び出た目を元に戻しました。

3D Mark Spyにて未調整で22,000超え、SLIで未調整にて43,000超え

3090無印のオーバークロッカーをあっさり過去の人にしてしまう財宝であった。

ドスパラ通販サイトより引用

大きいがケースに入ったので問題なし。

BF2042中のファンの音もそれほど気にならない。

値段が高いが満足

ドスパラ通販サイトより引用

RTX 3090 Tiはどのような用途におすすめ?

RTX 3090 Tiは、幅広いクリエイティブシーンにおすすめのグラフィックボードです。

3Dのレンダリングや8Kビデオの編集といったクリエイティブのレベルを引き上げる「NVIDIA Studio」や、高い没入感を味わえるVR環境を実現する「VR Ready」に対応しています。レイトレーシングに特化した第2世代のRTコアや、ディープラーニングに特化した第3世代のTensorコアが搭載されているのも特徴のひとつです。

クリエイティブレベルを最大化するNVIDIA独自のさまざまな機能に対応し、演算回路を搭載していることから、より高品質な作品を作りたいクリエイターにおすすめのグラフィックボードといえるでしょう。

しかし、2023年6月現在、RTX 3090Tiは流通が限られており、入手が難しいのが現状です。高性能なグラフィックボードをクリエイティブ用途で導入したい方には、NVIDIA RTX™ A5000がおすすめです。

RTX A5000のAPIは、3DCGやCADソフトなどで採用されるケースが多いOpenGL。優れた電力効率によりコスト削減にも貢献することから多くの企業・クリエイターに支持されています。

RTX A5000の詳細は「RTX A5000とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、あわせてご確認ください。

GPU搭載PCを仕事で使うことについて

PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。

グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。

主にクリエイティブ用途で活躍

特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。

代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。

グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。

CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に

CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。

PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。

その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。

ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC

結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。

以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。

高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。

まとめ

この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「GeForce RTX 3090 Ti」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説しました。

RTX 3090 Tiは、GeForce RTXシリーズ随一のメモリ性能が特徴のGeForce RTX 30シリーズ最上位クラスのグラフィックボードです。

加えて、前世代からRTコア、Tensorコアが進化しており、さまざまなNVIDIA独自の機能にも対応しています。

次世代の4000番台にも引けを取らない性能の高さから、幅広いシーンでの活躍が期待できます。

RTX 3090 Tiの口コミも紹介したので、これからグラフィックボードを選定する方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

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