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GTX 660とは?スペックや性能を徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce GTX 660」のスペックや特徴について解説します。
GTX 660のベンチマークもあわせてお伝えするので、複数の製品を比較してグラフィックボードを選定したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
GTX 660の基本スペック
GeForce GTX 660 | |
NVIDIAアーキテクチャ名 | Kepler™ |
開発コードネーム | GK106 |
プロセス | 28 nm |
トランジスタ数 | 25.4億 |
NVIDIA CUDAコア | 960基 |
レイトレーシング コア | - |
Tensorコア | - |
ベースクロック (MHz) | 980MHz |
ブーストクロック (MHz) | 1033MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 2GB GDDR5 |
メモリインターフェイス幅 | 192bit |
グラフィックスカード電力 (W) | 140W |
最小システム電力 (W) | 450W |
最大GPU 温度 (°C) | 97°C |
対応API | DirectX 12 API OpenGL 4.3 |
長さ | 241.3mm(公式表記9.5インチをmmに変換) |
幅 | 111.1504mm(公式表記4.376インチをmmに変換) |
スロット | 2スロット |
発売日 | 2012/9 |
GeForce GTX 660は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。
GeForce GTX 600シリーズのミドルクラスにあたり、Kepler™アーキテクチャを搭載。メモリ容量は2GBの1種類で、GDDR5のメモリが採用されています。
GTX 600シリーズのハイエンドクラスであるGeForce GTX 680に搭載された全てのKepler機能が備わっており、なおかつ手頃な価格帯であることから、発売当初は初心者から高いパフォーマンスを求める方まで、幅広く採用されていました。
GTX 660のスペック比較
GeForce GTX 660 | GeForce GTX 650 | GeForce GTX 660 Ti | |
NVIDIAアーキテクチャ名 | Kepler™ | Kepler™ | Kepler™ |
開発コードネーム | GK106 | GK106 | GK104 |
プロセス | 28 nm | 28 nm | 28 nm |
トランジスタ数 | 25.4億 | 25.4億 | 35.4億 |
NVIDIA CUDAコア | 960基 | 384基 | 1344基 |
レイトレーシング コア | - | - | - |
Tensorコア | - | - | - |
ベースクロック (MHz) | 980MHz | 1058MHz | 915MHz |
ブーストクロック (MHz) | 1033MHz | - | 980MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 2GB GDDR5 | 1GB GDDR5 | 2GB GDDR5 |
メモリインターフェイス幅 | 192bit | 128bit | 192bit |
グラフィックスカード電力 (W) | 140W | 64W | 150W |
最小システム電力 (W) | 450W | 400W | 450W |
最大GPU 温度 (°C) | 97°C | 98°C | 97°C |
対応API | DirectX 12 API OpenGL 4.3 |
DirectX 12 API OpenGL 4.3 |
DirectX 12 API OpenGL 4.3 |
長さ | 241.3mm(公式表記9.5インチをmmに変換) | 111.252mm(公式表記4.38インチをmmに変換) | 241.3mm(公式表記9.5インチをmmに変換) |
幅 | 111.1504mm(公式表記4.376インチをmmに変換) | 144.78mm(公式表記5.70インチをmmに変換) | 111.1504mm(公式表記4.376インチをmmに変換) |
スロット | 2スロット | 2スロット | 2スロット |
発売日 | 2012/9 | 2012/9 | 2012/8 |
GTX 660のスペックを、同じGTX 600シリーズの下位モデルにあたるGeForce GTX 650と、上位モデルのGeForce GTX 660 Tiと比較して、より詳しく見ていきます。
GTX 650との比較
GTX 650の開発コードネームは、GTX 660と同じGK106であることから、プロセスとトランジスタ数は同値です。
一方で、GTX 660のCUDAコアは、GTX 650の250%の搭載数で、並列処理性能に大きな差がみられます。
加えて、GTX 650のメモリ容量が1GBであるのに対し、GTX 660は2GBです。
メモリインターフェイス幅もGTX 660が上回っていることから、メモリ性能の面でも向上していることが分かります。
GTX 660 Tiとの比較
次に、上位モデルのGTX 660 Tiと比較してみていきましょう。
アーキテクチャは同じKepler世代ですが、GTX 660 Tiの開発コードネームは、GTX 660のGK106からスペックをアップしたGK104です。
そのため、トランジスタ数が大きく向上しており、CUDAコアにおいても、GTX 660 Tiの搭載数は、GTX 660の140%の数値で、大幅に増えています。
メモリ性能に大きな差はありませんが、3Dや動画編集などの複雑な並列処理を行う方は、GTX 660 Tiがおすすめです。
GTX 660の特徴
GTX 660の特徴を3つ紹介します。
クリエイターのパフォーマンスを高めるNVIDIAの独自機能を中心に解説するので、製品選定の参考にしてください。
最大4台のディスプレイを接続できる「NVIDIA Surround」に対応
GTX 660は、最大4台のディスプレイを接続できる「NVIDIA Surround」に対応しています。
NVIDIA Surroundは、提供するグラフィックボード向けのマルチディスプレイ技術で、複数のディスプレイを使用して1つの大きなディスプレイを作成できます。
クリエイターは、作成しているグラフィックや動画を大画面に表示しチームで会議を行ったり、複数のアプリケーションを同時に表示してマルチタスク作業を効率的に行えたり、メリットが満載です。また、データの比較やドキュメントの作成などの一般業務を行うビジネスマンも、より生産性を向上させられます。
NVIDIA独自の機能なので、活用したい方はGTX 660をはじめとしたNVIDIA Surroundに対応しているNVIDIA製のグラフィックボードを採用しましょう。
ティアリングを抑える「NVIDIA Adaptive Vertical Sync」に対応
GTX 660は、画面のちらつきを抑える技術である「NVIDIA Adaptive Vertical Sync」にも対応しています。
NVIDIA Adaptive Vertical Syncは、主にゲームのフレームレート制御技術として認知されていますが、ゲームに限らず、ビデオ編集やグラフィックデザインなどのクリエイティブな作業にも最適です。
NVIDIA Adaptive Vertical Syncは、GPUの負荷状況を常に監視し、最適化することで、滑らかな画面表示を維持してくれます。
そのため、高解像度の映像や画像を作成・編集するクリエイターの作業で有効活用できます。
同等の消費電力の製品と比較するとスペックが低め
GTX 660は、同等の消費電力のGeForce GTX 1660 Tiと比較して、スペックが低めです。
GeForce GTX 660 | GeForce GTX 1660 Ti | |
NVIDIAアーキテクチャ名 | Kepler™ | NVIDIA Turing™ |
開発コードネーム | GK106 | TU116 |
プロセス | 28 nm | 12 nm |
トランジスタ数 | 25.4億 | 66億 |
NVIDIA CUDAコア | 960基 | 1536基 |
レイトレーシング コア | - | - |
Tensorコア | - | - |
ベースクロック (MHz) | 980MHz | 1500MHz |
ブーストクロック (MHz) | 1033MHz | 1770MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 2GB GDDR5 | 6GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 192bit | 192bit |
グラフィックスカード電力 (W) | 140W | 120W |
最小システム電力 (W) | 450W | 450W |
最大GPU 温度 (°C) | 97°C | 95°C |
対応API | DirectX 12 API OpenGL 4.3 |
DirectX 12 API OpenGL 4.6 Vulkan RT API |
長さ | 241.3mm(公式表記9.5インチをmmに変換) | 145mm |
幅 | 111.1504mm(公式表記4.376インチをmmに変換) | 111mm |
スロット | 2スロット | 2スロット |
発売日 | 2012/9 | 2021/9 |
GTX 1660 Tiは、GTX 660に近い消費電力でありながら、GTX 660を大きく凌ぐ性能を備えています。
GTX 660がKepler世代のアーキテクチャを採用したグラフィックボードであるのに対し、GTX 1660 Tiは、Kepler世代から3世代進化したNVIDIA Turing™を採用しています。加えて、GTX 1660 Tiのプロセスは12nmと、GTX 660の28nmの半分以下に微細化されています。
その結果、CUDAコアの搭載数はGTX 660の160%の搭載数に増加しており、より高い並列処理性能を備えています。
メモリ性能も2GBから6GBに増量し、メモリ規格はGDDR5からGDDR6へスペックアップしており、メモリ性能面での向上も顕著です。
グラフィックボードを選定する際は、スペックと消費電力の両方を確認して、コスパに優れた製品を選定するようにしましょう。
GTX 660のベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・PassMark G2D Mark・消費電力の3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
3DMark
3Dグラフィックスの処理性能を表す3DMarkのベンチマークスコアを紹介します。
業務や授業などで3Dを扱う機会がある方が注目すべきベンチマークのひとつです。
GTX 660のスコアは1311。
GeForce GTX 750 Tiは、GTX 660の次世代にあたるGeForce GTX 700シリーズのグラフィックボードですが、GTX 660が約3%上回る結果でした。
加えて、競合のAMD Radeon Vega 7(Renoir)と比較しても、約5%上回っています。
一方で、Intel Iris Xe Graphics G7 96EUやAMD Radeon HD 7850と比較すると、下回る結果です。
とはいえ、大きな開きはないため、ほかの性能やベンチマークなどを比較して、より自分に合ったものを取り入れましょう。
PassMark G2D Mark
※Intel Iris Xe Graphics G7 96EUとAMD Radeon Vega 7 (Renoir)は情報が不足しているため3製品で比較
2Dグラフィックスの処理性能を表すPassmarkのG2D Markのスコアも紹介します。
GTX 660のスコアは476であるのに対し、GTX 750 Tiは506と、3DMarkでは上回っていましたが、G2D Markでは下回る結果でした。
また、Radeon HD 7850と比較しても、GTX 660が約15%劣っています。
このように、3Dグラフィックスの性能は上回っていても、2Dグラフィックスでは下回っているケースは珍しくありません。
グラフィックボードによって得意とする性能は異なるので、これからグラフィックボードを選定する方は、用途に合ったベンチマークを参考に製品を見極めましょう。
消費電力
※AMD Radeon Vega 7 (Renoir)は情報が不足しているため4製品で比較
消費電力やワット数別の3DMarkスコアもみていきましょう。
GTX 660の消費電力は150Wと、4つの製品のなかで最も高い数値でした。
同じNVIDIA製のGTX 750 Tiの消費電力は60Wで、GTX 660より90Wも低いため、コストを抑えたい方はGTX 750 Tiの方がおすすめです。
また、ワット数別の3DMarkスコアを比較しても、GTX 750 Tiが大きく上回っており、ワットパフォーマンスの良さがうかがえます。
グラフィックボードの選定に悩んでいる方は、スペックとあわせて消費電力やワット数別のベンチマークスコアを確認することで、コスパに優れた製品を導入できるでしょう。
GTX 660を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
GTX 660はどのような用途におすすめ?
GTX 660は、2Dグラフィックの画像や映像の制作・編集を行うクリエイターにおすすめのグラフィックボードです。
また、メモリ容量が2GBと、ほかのグラフィックボードと比較すると少なめですが、より高い没入感を体験できる「NVIDIA 3D Vision」に対応しているため、負荷の軽い3Dであれば、問題なく処理できます。
ただし、GTX 660はKepler世代のアーキテクチャを採用した、NVIDIA製のグラフィックボードとしては古めの製品であるため、現在は流通が限られています。
加えて、新しいグラフィック系のアプリケーションには対応していない可能性があるため、注意が必要です。
GTX 660より3世代新しいTuring世代のアーキテクチャを採用したGeForce GTX 1660 SUPERであれば、現在も流通しています。
加えて、GTX 660の上位世代にあたるグラフィックボードなので、より高いパフォーマンスを発揮してくれます。
GTX 1660 SUPERの詳細は「GTX 1660 SUPERとは?スペックや性能、口コミまで徹底解説」で解説しているので、ぜひご確認ください。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。