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RTX A5500とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「NVIDIA RTX™ A5500」のスペックや特徴について解説します。
RTX A5500をカスタマイズ可能なおすすめパソコンもあわせてお伝えします。
どのパソコンを選んだら良いか分からない方も、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
RTX A5500の基本スペック
NVIDIA RTX™ A5500 | |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Ampere アーキテクチャ |
開発コードネーム | GA102 |
プロセス | 8 nm |
トランジスタ数 | 283億 |
NVIDIA CUDAコア | 10,240基 |
レイトレーシング コア | 第2世代 |
Tensorコア | 第3世代 |
ベースクロック (MHz) | 1170MHz |
ブーストクロック (MHz) | 1695MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 24GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 384bit |
グラフィックスカード電力 (W) | 230W |
最小システム電力 (W) | - |
最大GPU 温度 (°C) | - |
対応API | DirectX 12 Ultimate Shader Model 6.6 OpenGL 4.6 Vulkan 1.3 |
長さ | 266mm |
幅 | 111mm |
スロット | 2スロット |
発売日 | 2022/3 |
NVIDIA RTX™ A5500は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。
プロフェッショナル向けのNVIDIA RTX™ Aシリーズにおいて、特に高いグラフィック処理性能と大容量のメモリを搭載しているハイエンドクラスのグラフィックボードとして発売されました。
アーキテクチャには、ディープラーニング用の単精度浮動小数点 (FP32)のパフォーマンスが前世代から3倍になったNVIDIA Ampere アーキテクチャを採用しています。
そのため、2Dや3Dのグラフィックはもちろん、AIを活用できる性能も備えており、大学研究所から企業まで幅広く採用されています。
また、NVIDIA RTX Aシリーズには、ハイエンドクラスのRTX A5500以外にも、エントリークラスのNVIDIA RTX™ A2000や、ミドルクラスのNVIDIA RTX™ A4500などがあります。
それぞれの性能は「NVIDIA RTX™ Aシリーズとは?用途・スペック比較」をあわせてご確認ください。
RTX A5500のスペック比較
NVIDIA RTX™ A5500 | NVIDIA RTX™ A5000 | NVIDIA RTX™ A6000 | |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Ampere アーキテクチャ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ |
開発コードネーム | GA102 | GA102 | GA102 |
プロセス | 8 nm | 8 nm | 8 nm |
トランジスタ数 | 283億 | 283億 | 283億 |
NVIDIA CUDAコア | 10,240基 | 8,192基 | 10,752基 |
レイトレーシング コア | 第2世代 | 第2世代 | 第2世代 |
Tensorコア | 第3世代 | 第3世代 | 第3世代 |
ベースクロック (MHz) | 1170MHz | 1170MHz | 1455MHz |
ブーストクロック (MHz) | 1695MHz | 1695MHz | 1860MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 24GB GDDR6 | 24GB GDDR6 | 48GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 384bit | 384bit | 384bit |
グラフィックスカード電力 (W) | 230W | 230W | 300W |
最小システム電力 (W) | - | - | - |
最大GPU 温度 (°C) | - | - | - |
対応API | DirectX 12 Ultimate Shader Model 6.6 OpenGL 4.6 Vulkan 1.3 |
DirectX 12.07 Shader Model 5.17 OpenGL 4.68 Vulkan 1.2 |
DirectX 12.07 Shader Model 5.17 OpenGL 4.68 Vulkan 1.18 |
長さ | 266mm | 266mm | 266mm |
幅 | 111mm | 111mm | 111mm |
スロット | 2スロット | 2スロット | 2スロット |
発売日 | 2022/3 | 2021/5 | 2020/12 |
RTX A5500のスペックを、下位モデルのNVIDIA RTX™ A5000と、上位モデルのNVIDIA RTX™ A6000と比較してみていきましょう。
RTX A5000との比較
RTX A5000は、RTX A5500と同じRTX Aシリーズのグラフィックボードであるため、アーキテクチャには同じAmpere世代を採用し、開発コードネームもGA102です。
全体を通して大きな性能差はありませんが、RTX A5500のCUDAコアは、RTX A5000の125%の搭載数で、並列処理性能はRTX A5500が上回っています。
RTX A6000との比較
RTX A5500の特徴を3つ紹介します。
NVIDIA製グラフィックボードならではの機能を中心に紹介するので、どのメーカーの製品を導入すべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
RTX A5500の特徴
RTX A5500の特徴を3つ紹介します。
NVIDIA製グラフィックボードならではの機能を中心に紹介するので、どのメーカーの製品を導入すべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
「NVIDIA RTX™ 仮想ワークステーション(vWS)」に対応
RTX A5500は、「NVIDIA RTX™ 仮想ワークステーション(vWs)」に対応しています。
物理的なハードウェアリソースをソフトウェアで抽象化し、仮想ワークステーションを構築することで、複数のユーザーが1つのGPUのリソースを独自して利用できるようになります。
そのため、リモートで作業を行うクリエイターでも、自宅に居ながらオフィスに居る時と同等のパフォーマンスを発揮できます。
加えて、NVIDIA RTX vWsは、リソースを効率的に管理したい企業や組織に利用されることが多い機能で、新たにリモート用でITリソースを割く必要がないため、企業側にも大きなメリットがあると言えるでしょう。
エラー認定コード(ECC)を搭載
RTX A5500は、エラー認定コード(ECC)にも対応しています。
エラー認定コード(ECC)は、データ送受信や保存、処理する際に発生したエラーの検出からチェック、場合によっては修正する機能です。
科学計算や機械学習といった高度な精度が要求される作業は、小さなエラーでも結果に大きな影響を及ぼします。
エラー認定コード(ECC)があれば、こういったケースでも即時修正してくれます。
加えて、その場で修正してくれることから、24時間稼働させたいシステムにも活用がおすすめです。
エラー認定コード(ECC)をサポートしているグラフィックボードであれば、オンとオフを手動で切り替えられるので、作業の精度を高めたい方は活用してみましょう。
ECCメモリについて詳しくは、「ECCメモリとは?必要性や利用時の注意点」でご紹介しています。合わせてご覧ください。
より大容量のメモリを求める方はRTX A6000がおすすめ
RTX A5500は、RTX Aシリーズのハイエンドクラスのグラフィックボードで、高いグラフィック処理性能やメモリ性能を持っているため、目立ったデメリットはありませんが、より大容量のメモリを求める方は、上位モデルのRTX A6000がおすすめです。
RTX A5500のメモリ容量は24GBと大容量ですが、RTX A6000は48GBと、RTX A5500の2倍です。
RTX A5500でもディープラーニングや大規模データの処理は可能ですが、よりたくさんのデータを処理したい方や、負荷の大きいグラフィック系アプリケーションを利用したい方は、RTX A6000もひとつの選択肢として検討してみましょう。
RTX A5500のベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、PassMark G3D Mark・PassMark G2D Mark・消費電力の3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
PassMark G3D Mark
PassMark G3D Markは、グラフィックボードの3Dグラフィックス処理性能を測る上で重視すべきベンチマークのひとつです。
RTX A5500のベンチマークスコアを他のRTX Aシリーズの製品と比較してみていきます。
RTX A5500のスコアは17337と、5つの製品のなかで最も低いスコアでした。
下位モデルのRTX A5000との差が最も大きく、RTX A5000のスコアは、RTX A5500の135%の数値です。
加えて、RTX A5500は、下位モデルのNVIDIA RTX™ A4000や前述のRTX 4500の2製品よりも下回っています。
上位モデルの方がスコアは上だと思われがちですが、ベンチマークによっては下位モデルの方が優れているケースもあります。
複数の製品を比較する際は、ベンチマークまで細かく確認することで、より用途に適したグラフィックボードを導入できるでしょう。
PassMark G2D Mark
2Dグラフィックスの処理性能を表すPassMark G2D Markもあわせて確認しましょう。
RTX A5500のスコアは813で、PassMark G3D Markと同じく、ほかの4製品よりも劣る結果でした。
RTX A5000が最も優れたスコアで、RTX A5500の127%の数値です。
上位モデルのRTX A6000のスコアはRTX A5500の108%の数値で、RTX A5000ほどの性能差はみられませんでした。
PassMark G3D Markの結果も加味すると、2D・3Dのグラフィックス処理性能を優先する方は、RTX A5000がおすすめです。
ただし、消費電力やレイトレーシング性能など、そのほかにもグラフィックボードの性能を定量的に表したベンチマークはあります。
複数のベンチマークを比較して、性能を見極めましょう。
消費電力
最後に、消費電力の観点でも比較してみましょう。
RTX A5500の消費電力は230Wと、RTX A5000と同値です。
上位モデルのRTX A6000の消費電力は300Wで、RTX A5500より70Wも高く、RTX Aシリーズ唯一の300W台です。
ランニングコストを抑えたい方は、RTX A6000の半分以下に抑えられたエントリークラスのRTX A4000やRTX A4500がおすすめです。
また、消費電力を抑えることを重視するあまり、スペック不足にならないように注意しましょう。
RTX A5500を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
RTX A5500はどのような用途におすすめ?
RTX A5500は、プロフェッショナル向けのグラフィックボードで、2Dグラフィックスの作成や編集はもちろん、高解像度の3Dレンダリングや複雑な科学的計算、AIの学習・推論など、重い負荷を伴うタスクでも高速に処理することが可能です。
4K以上の解像度環境でも快適に稼働してくれるため、リアルタイムでの色補正や複雑なエフェクトのレンダリングなど、スムーズに進められます。
また、RTX A5500のメモリ容量は24GBと、大容量である点も大きな特徴で、メモリ規格にはデータ転送に優れたGDDR6を採用しています。
そのため、RTX A5500は、2D・3D問わず、グラフィックを扱う企業や、研究レベルの大規模なデータを扱う大学など、幅広いシーンでの活用がおすすめです。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際やAI・ディープラーニングなどの処理速度をあげられる場合があるなど活用の幅を広げられます。その他にも、ディープラーニング分野では、コアの多さを活用して行列計算をGPUに任せることが一般的。その場合は性能の高さと安定性も考慮にいれて、RTX 5000を含むNVIDIA RTX™シリーズが選ばれることが多いです。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。
raytrek Workstation X4620は、インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーファミリーを搭載し、その性能は最大で32コアと64スレッドに対応できるハイパフォーマンスワークステーションです。
3D映像制作や4K8Kの映像編集、AIによるビッグデータ研究などの重い作業負荷でも、パフォーマンスの低下なく稼働可能です。
さらに、raytrek Workstation X2614と同じように、RTX A5000だけでなく、NVIDIA RTXシリーズのグラフィックボードを2基まで装備することができるので、多様な用途での使用が可能となっています。
raytrek Workstation X6612 標準モデル
raytrek Workstationシリーズの中でも特に優れた性能と拡張性を備えたワークステーションです。
raytrek Workstation X6612と同等の最大4基のグラフィックボード搭載機能を持ちつつ、デュアルプロセッサ構成時には驚異的な最大28コア・56スレッドの対応力を発揮します。
加えて、最大768GBという圧倒的なメモリ容量も特徴的で、これにより大量のメモリを必要とするアプリケーションや、データ処理でもスムーズに運用できます。
さらに、そのスタイリッシュでフォーマルな黒基調のデザインは、ビジネスの場での使用に適しており、特に企業や大学などでの採用が見られます。
これらの特長から、raytrek Workstation X8612は拡張性とパフォーマンスを両立したトップクラスのワークステーションとして、多くの方から高い評価を受けています。
まとめ
この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「NVIDIA RTX™ A5500」のスペックや特徴、口コミについて解説しました。
RTX A5500は、NVIDIA RTX™ Aシリーズのハイエンドクラスにあたるグラフィックボードで、高いグラフィック処理性能とメモリ性能を備えています。
リモート業務を行うクリエイターにおすすめの「NVIDIA RTX™ vWs」や、即時エラーを修正してくれる「エラー認定コード(ECC)」にも対応しています。
RTX A5500をカスタマイズ可能なパソコンも紹介したので、ぜひ参考にしてください。