GTX 760とは？スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説

GTX 760の基本スペック

GTX 760は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。 GTX 760のメモリ容量は2GBの1種類で、GTX 700シリーズのエントリークラスとして、2013年6月に発売されました。

アーキテクチャには、前世代から消費電力あたりの性能やCUDAコア利用効率の向上を目指したKepler世代が採用されています。さらに、前世代のGTX 600シリーズからGPU Boostが2.0に変更され、動作効率が向上しました。

また、GTX 700シリーズは、スリムなボディと、NVIDIAが提供するグラフィックボードのなかで比較的リーズナブルな価格帯が特徴で、映像関連の業務を行う企業での採用がみられます。

GTX 760のスペック比較

GTX 760のスペックを、前世代の60番台にあたるGeForce GTX 660と、次世代のGeForce GTX 960と比較してみていきます。

GTX 660は、GTX 760の前世代にあたるGTX 600シリーズのグラフィックボードですが、同じKepler世代のアーキテクチャを採用しています。GTX 660のGPUはGK106であるのに対し、GTX 760はGK106からスペックアップしたGK104を搭載しているため、GTX 760のトランジスタ数はGTX 660の140％、CUDAコアは120％の数値です。そのため、3D映像や動画再生などの複雑な並列処理を行う方は、GTX 760の方が適しているといえるでしょう。

また、メモリ規格は同じGDDR5で、メモリ容量も2GBと同値です。バンド幅はGTX 760の方が上回っているため、メモリ性能の向上もみられます。

GTX 760をはじめとしたGTX 700シリーズの次世代にあたるGTX 900シリーズのGTX 960と比較した結果もみていきます。

GTX 960のアーキテクチャには、Kepler世代より1世代新しいMaxwell世代が採用されていますが、トランジスタ数やCUDAコアはGTX 760の方が優れた数値です。ベースクロックやブーストクロックはGTX 960が大幅に上回っていることから、GTX 760から演算能力の向上に重きをおいたグラフィックボードだと考えられます。

GTX 960の詳細は「GTX 960とは？スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」の記事でさらに詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

GTX 760の特徴

GTX 760の特徴を3つ解説します。

GTX 760の性能を向上させるNVIDIA独自技術やツールを中心に解説するので、少しでも性能の高いグラフィックボードを使用したい方は、ぜひ参考にしてください。

アンチエイリアシング技術「TXAA」をサポート

GTX 760は、NVIDIA独自のアンチエイリアシング技術「TXAA」をサポートしています。アンチエイリアシングとは、デジタル画像の物体の輪郭に発生するギザギザ（ジャギー）を軽減し、高画質な画像を作成する技術です。

TXAAは、少ない演算処理量でより自然で滑らかな画像環境を提供します。HDRにも対応しているため、高画質環境でグラフィックのレベルを向上させたいクリエイターにおすすめの機能です。

下位モデルのGTX 750との性能差が大きい

GTX 760の下位モデルにあたるGeForce GTX 750は、アーキテクチャにKepler世代よりも1世代古いMaxwell世代を採用しています。そのため、トランジスタ数やCUDAコアでおよそ2倍もの性能差がみられました。

メモリ性能においても、GTX 750のメモリバスやバンド幅をGTX 760が大幅に上回っています。ただし、高性能な分、GTX 760の消費電力は170Wと、GTX 750の55Wより高い数値です。

また、GTX 750の方が後に販売されたモデルであることから、GTX 750はGTX 760のスペックダウンモデルといえるでしょう。

このように、同じシリーズでもアーキテクチャが異なり、性能差が大きいグラフィックボードがあるため、上記のような細かい項目はもちろん、ベンチマークスコアも合わせて確認して製品を比較しましょう。

最新のアプリケーションでの使用は困難

GTX 760は、2013年に発売されたグラフィックボードのため、負荷の大きい最新のグラフィック関連のアプリケーション使用するには、性能不足な可能性が高いです。価格帯は最新のグラフィックボードよりも安価ですが、最新のアプリケーションを快適な作業環境で使用したい方は、世代の新しい製品を選定しましょう。

負荷の小さい簡単な画像編集や、オフィスソフトは問題なく使用できるので、グラフィック性能にこだわらない方や、コストを抑えて導入したい方であれば適しています。

GTX 760のベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・Passmark G2D Mark・消費電力の3つの観点から紹介します。

グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。

3DMark

3DMarkは、3Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークスコアで、特にクリエイターや3Dを扱った研究を行う大学研究所の方は注目しておきたいスコアです。

GTX 760の数値は1677でした。前世代の60番台のNVIDIA  GeForce GTX 660 Tiは1639で、わずかに上回っています。一方で、Kepler世代から2世代進化したPascal世代のアーキテクチャを搭載したNVIDIA  GeForce 1050の数値は1748と、GTX 760を大幅に上回っています。

以上のように、3DMarkの性能は、世代差がそのまま影響した結果でした。

Passmark G2D Mark

PassmarkのG2D Markは、2Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークスコアです。2Dグラフィックを扱うクリエイターはもちろん、高画質な環境で作業したい方は注目しておきたいスコアです。

GTX 760の数値は523でした。前世代のNVIDIA GeForce GTX 660 Tiは455と、3DMark以上の性能差がみられました。さらに、3DMarkでは下回っていた NVIDIA  GeForce GTX 1050と比較してみても、GTX 760が約11％上回るスコアです。

このことから、GTX 760は、3Dよりも2Dのグラフィックス処理を得意としているグラフィックボードだといえます。

製品によって得意分野・不得意分野は異なるので、ベンチマークスコアを参考に、自社の用途に合ったグラフィックボードを選定しましょう。

消費電力

消費電力の観点でもみていきます。

GTX 760の消費電力は170Wであるのに対して、NVIDIA GeForce GTX 660 Tiは150Wでした。GTX 760は、3DMarkやG2D MarkでNVIDIA GeForce GTX 660 Tiを上回るスコアであったため、高性能な分、消費電力が高いことがいえます。

一方で、次世代のNVIDIA  GeForce GTX 1050の消費電力は75Wと、GTX 760の半分です。NVIDIA  GeForce GTX 1050ではPascal世代のアーキテクチャが採用され、GTX 760からプロセスが微細化されているため、省電力性が向上していると考えられます。

ワット数別の3DMarkを比較しても、GTX 760が10であるのに対し、NVIDIA  GeForce GTX 1050は23と2倍以上の性能を持っています。

コスパを重視したい方は、消費電力とあわせてワット数別のベンチマークスコアも確認して、グラフィックボードを選定しましょう。

GTX 760を使用している方の口コミ・評価

情報が集まり次第、更新します。