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GTX 960とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce GTX 960」のスペックや用途を解説します。
GTX 960のベンチマークもあわせてお伝えします。GTX 960の特徴が明確になるので、どのグラフィックボードを導入しようか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
GTX 960の基本スペック
GeForce GTX 960 | |
アーキテクチャ | NVIDIA Maxwell™ |
GPU | GM206 |
プロセス | 28 nm |
トランジスタ数 | 29億 |
ダイサイズ | 228mm² |
CUDAコア | 1024基 |
ベースクロック | 1127MHz |
ブーストクロック | 1178MHz |
メモリ規格 | GDDR5 |
メモリ容量 | 2GB |
メモリバス | 128 bit |
バンド幅 | 112 GB/s |
消費電力 | 120W |
発売日 | 2015/1 |
GTX 960は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。 GTX 960のメモリ容量は2GBの1種類で、2015年1月に発売されました。
GTX 960は、GEFORCE GTX 900シリーズのエントリークラスにあたるグラフィックボードで、GTX 900シリーズには、GTX 960のほかにもミドルクラスのGeForce GTX 970や、ハイエンドクラスのGeForce GTX 980 Tiがあります。
アーキテクチャには、従来モデルよりも1世代新しいMaxwell世代が採用されています。
GTX 960のスペック比較
GeForce GTX 960 | GeForce GTX 760 | GeForce GTX 970 | |
アーキテクチャ | NVIDIA Maxwell™ | Kepler™ | NVIDIA Maxwell™ |
GPU | GM206 | GK104 | GM204 |
プロセス | 28 nm | 28 nm | 28 nm |
トランジスタ数 | 29億 | 35億 | 52億 |
ダイサイズ | 228mm² | 294mm² | 398mm² |
CUDAコア | 1024基 | 1152基 | 1664基 |
ベースクロック | 1127MHz | 980MHz | 1050MHz |
ブーストクロック | 1178MHz | 1032MHz | 1178MHz |
メモリ規格 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 |
メモリ容量 | 2 GB | 2 GB | 4 GB |
メモリバス | 128 bit | 256 bit | 256 bit |
バンド幅 | 112 GB/s | 192 GB/s | 224 GB/s |
消費電力 | 120 W | 170 W | 145 W |
発売日 | 2015/1 | 2013/6 | 2014/9 |
GTX 960のスペックを、従来モデルのGTX 760と上位モデルのGTX 970と比較してみていきます。
従来モデルのGTX 760では、アーキテクチャにKepler世代が採用されていました。対してGTX 960では、Kepler世代の次世代にあたるMaxwell世代のアーキテクチャが採用されています。プロセスは同じ28nmですが、GTX 960のトランジスタ数はGTX 760より18%、CUDAコアは12%下回った数値でした。
メモリ性能においても、容量は同じ2GBですが、メモリバスとバンド幅はGTX 760が大きく上回っています。ただし、ベースクロックはGTX 960の方が15%、ブーストクロックは14%上回っている数値で、演算能力のパフォーマンス向上が見られます。
消費電力はGTX 960の方が優れているため、コスパ重視の方はGTX 960がおすすめです。
GTX 760の詳細は「GTX 760とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」の記事でさらに詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください
一方で、上位モデルのGTX 970と比較すると、GPUにGM206からスペックアップしたGM204を採用したことで、GTX 970のトランジスタ数はGTX 960の179%、CUDAコアは162%の数値です。加えて、メモリ容量・メモリバス・バンド幅の数値もそれぞれ2倍のスペックを持っています。
GTX 960は、GTX 970よりも後に発売されたグラフィックボードであることから、GTX 970のスペックダウンモデルだと考えられます。販売価格とランニングコストはGTX 960の方が抑えられているので、Maxwell世代のグラフィックボードをコストを抑えて導入・運用したい方におすすめです。
GTX 960の特徴
GTX 960の特徴を3つ解説します。 GTX 960から搭載された新機能や、コスト面でのメリットを解説するので、どのグラフィックボードを導入するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
画質レベルを向上させる「MFAA」に対応
GTX 960をはじめとしたMaxwell世代のグラフィックボードは、高速なアンチエイリアス処理を実現する「MFAA」に対応しています。
アンチエイリアス処理とは、デジタル画像の物体の輪郭に発生するギザギザ(ジャギー)を軽減し、高画質な画像を作成する技術です。2Dだけでなく、3DCGやゲーム、シミュレーターなどのリアルタイム環境などにも多用されています。
MFAAでは、複数のフレームでアンチエイリアスサンプルを合成することで、高速なアンチエイリアス処理を実現します。4Kディスプレイやグラフィックス負荷の大きい作業でも画質を落とさずに作業できるため、高画質な作業環境を整えたい方におすすめです。
従来モデルのGTX 760よりもコスパに優れている
GTX 960は、従来モデルのGTX 760よりもコスパに優れたグラフィックボードです。
消費電力はGTX 760が170Wであるのに対し、上位モデルのGTX 960は120Wと、50Wも優れています。加えて、3Dグラフィックスの処理性能を数値化した3DMarkのベンチマークスコアは、GTX 960の2283に対し、GTX 760は1676と、GTX 960が大きく上回っています。
ワット当たりの3DMarkスコアを比較しても、GTX 760が10であるのに対し、GTX 960は19とおよそ2倍の数値です。
ランニングコストを抑えつつ、従来モデルから性能がアップしたMaxwell世代のグラフィックボードを導入したい方に、GTX 960はおすすめです。
メモリ容量が2GB
GTX 960のメモリ容量は2GBと、他の製品よりは少なめです。 GTX 900シリーズの他製品や、900シリーズの後継にあたるRTX 30シリーズとメモリ容量を比較した結果が、以下のとおりです。
GeForce GTX 960 | GeForce GTX 970 | GeForce GTX 980 Ti | NVIDIA RTX™ 3050 | NVIDIA RTX™ 3060 | |
メモリ容量 | 2GB | 4GB | 6GB | 8GB | 12GB |
上位モデルのGTX 970のメモリ容量は4GBと、GTX 960の2倍の容量です。また、GTX 900シリーズの最上位モデルにあたるGTX 980 Tiは、GTX 970を上回る6GBの容量を持っています。さらに、後継のRTX 30シリーズのエントリークラスのNVIDIA RTX™ 3050は8GB、NVIDIA RTX™ 3060は12GBと大容量です。
このように、GTX 960のメモリ容量は、グラフィックボードとしては少なめです。そのため、容量の大きい写真や動画、3Dなどを扱う方には、RTXシリーズをおすすめします。
GTX 960でも負荷の軽いグラフィック作業であれば利用できるため、コストを抑えたい方は選択肢のひとつとしておすすめです。
GTX 960のベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・Passmark G2D Mark・消費電力の3つの観点から紹介します。 グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
3DMark
3Dグラフィックスの処理性能を表す3DMarkのベンチマークスコアを見ていきます。GTX 960の数値は2283と、前世代のGeForce GTX 770の106%の数値で、性能の向上がみられました。
また、上位モデルのGeForce GTX 970M(ノートパソコン用)の数値は2286で、GTX 770をわずかに上回っています。
一般的にはノートパソコン用よりもデスクトップ用の方が高性能ですが、上記のように対上位モデルの場合は、ノートパソコン用の方が上回るケースがあります。そのため、価格やデバイス問わず、高性能のグラフィックボードを導入したい方は、型番にMが付くノートパソコン用などの種類のベンチマークも確認すると良いでしょう。
Passmark G2D Mark
2Dグラフィックスの処理性能を表すPassmarkのG2D Markも紹介します。
GTX 960の数値は675と、5つの製品のなかでは2番目に優れた数値でした。3DMarkではGTX 970Mに劣っていましたが、G2D MarkではGTX 970Mの172%の数値を叩き出しています。
また、前世代のGTX 770と比較しても122%の数値で、3DMark以上の性能差が表れていることから、GTX 960は3Dよりも2Dグラフィックスの処理性能に長けたグラフィックボードだといえます。
これからグラフィックボードを選定する方は、上記のように用途に合ったベンチマークスコアを確認し、性能の高い製品を導入しましょう。
消費電力
消費電力の観点でも見ていきましょう。
GTX 960の消費電力は120Wと、5つの製品の中間の数値でした。前世代のGTX 770は250Wで、GTX 960が130Wも優れた数値であることから、省電力性の高さがうかがえます。
ワット数別の3DMarkスコアを比較しても、GTX 770の9に対して、GTX 960は2倍以上の19と、省電力性だけでなくパフォーマンスの出力性能の高さも兼ね備えています。また、上位モデルのGTX 970Mの消費電力は95と、ノートパソコン用のため、GTX 960よりも抑えられた数値です。
デバイスにこだわりはなく、とにかく消費電力を抑えたいという方は、型番にMが付くノートパソコン用も選択肢のひとつとして検討しましょう。
GTX 960を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
GTX 960はどのような用途におすすめ?
GTX 960のメモリ容量は2GBと、グラフィックボードとしては少なめです。
フルHDや4K環境での作業には十分な性能を持っているので、作業負荷の少ない写真やイラストの制作・編集などのクリエイティブシーンでの使用がおすすめです。
エントリークラスにあたるグラフィックボードで比較的安価なため、はじめてグラフィックボードを試したい方におすすめです。
容量の大きい動画や3DCADを扱いたい方は、GTX 960では性能が不足しているので、後継のRTX 30シリーズの導入を検討してみましょう。
また、GTX 960と同じ60番台のエントリークラスにあたるグラフィックボードにはNVIDIA RTX™ 2060 SUPERやNVIDIA RTX™ 3060があります。
上記の2つは、Maxwell世代のグラフィックボードであるGTX 960よりも次世代の製品なので、市場に流通している数が多く、手に入りやすいです。
RTX 2060 SUPERの詳細は「RTX 2060 SUPERとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で、RTX 3060の詳細は「RTX 3060とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。
CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。