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Intel Arc A730Mとは?スペックや性能、口コミまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel」が発売しているグラフィックボード「Intel Arc A730M」のスペックや特徴について解説します。
NVIDIA製のグラフィックボードとの性能差やベンチマーク、Intel Arc A730Mを搭載したおすすめのパソコンもあわせてお伝えします。
どのメーカーのグラフィックボードが良いか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Intel Arc A730Mの基本スペック
Intel Arc A730M | |
アーキテクチャ | Alchemist |
GPU | ACM-G10 |
プロセス | 6 nm |
トランジスタ数 | 217億 |
ダイサイズ | 406mm² |
Xeコア(CUDAコア) | 24基 |
Matrixコア(Tensorコア) | 384基 |
RTユニット(RTコア) | 24基 |
ベースクロック | 1100MHz |
ブーストクロック | - |
メモリ規格 | GDDR6 |
メモリ容量 | 12GB |
メモリバス | 192bit |
バンド幅 | 336GB/s |
消費電力 | 80W |
発売日 | 2022/11 |
Intel Arc A730Mは、アメリカの半導体メーカー「Intel」が発売しているグラフィックボードです。
アーキテクチャにはAlchemistを採用しています。また、Intel Arc AシリーズのGPUにはACM-G10とACM-G11の2種類ありますが、Inter Arc A730MはACM-G10を採用しています。Intel Arc A730Mのメモリ容量は12GBの1種類で、Intel Arc Aシリーズのノートパソコン向けのモデルとして、2022年11月に発売されました。
Intel Arc Aシリーズのノートパソコン向けモデルには、Intel Arc A730Mだけでなく、エントリークラスのA350Mや、ミドルクラスのA550Mがあり、Intel Arc A730Mはそのなかでも最上位クラスのInter Arc A7シリーズにあたります。
ノートパソコン向けモデルの型番には数字のあとに「M」が入っているので、ノートパソコン向けのグラフィックボードの導入を検討している方は、覚えておきましょう。
※Intel Arc全般に関しては「Intel Arcとは?特徴やシリーズの種類、口コミまで解説」で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
Intel Arc A730Mのスペック比較
競合メーカーのNVIDIA製のグラフィックボードと比較することで、より深くIntel Arc A550Mの特徴を解説していきます。
Intel Arc A730Mは、Intel Arc Aシリーズのハイエンドクラスにあたるグラフィックボードです。 そこで、同じくシリーズのハイエンドクラスにあたるNVIDIA GeForce RTX 2080と、そのRTX 2080の次世代モデルにあたるNVIDIA GeForce RTX 3070の2製品を選定し、比較していきます。
Intel Arc A730M | NVIDIA GeForce RTX 2080 | NVIDIA GeForce RTX 3070 | |
アーキテクチャ | Alchemist | NVIDIA Turing™ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ |
GPU | ACM-G10 | TU104 | GA104 |
プロセス | 6 nm | 12 nm | 8 nm |
トランジスタ数 | 217億 | 136億 | 174億 |
ダイサイズ | 406mm² | 545mm² | 392mm² |
Xeコア(CUDAコア) | 24基 | 2944基 | 5888基 |
Matrixコア(Tensorコア) | 384基 | 368基 | 184基 |
RTユニット(RTコア) | 24基 | 46基 | 46基 |
ベースクロック | 1100MHz | 1520MHz | 1500MHz |
ブーストクロック | - | 1800MHz | 1730MHz |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ容量 | 12GB | 8GB | 8GB |
メモリバス | 192bit | 256bit | 256bit |
バンド幅 | 336GB/s | 448GB/s | 512GB/s |
消費電力 | 80W | 225W | 220W |
発売日 | 2022/11 | 2018/9 | 2020/10 |
Intel Arc A730Mのプロセスは6nmと、NVIDIA GeForce RTX 2080の12nmの半分に抑えられているため、トランジスタ数で大きな差がみられます。Inter Arc A730Mのメモリ容量は12GBで、NVIDIA GeForce RTX 2080よりも4GB多い数値でしたが、メモリバスやバンド幅は、NVIDIA GeForce RTX 2080の方が優れた数値でした。
また、Intel Arc A730Mには、NVIDIA製グラフィックボードのTensorコアにあたるMatrixコアや、RTコアにあたるRTユニットが搭載されています。それぞれ別メーカーが作成している演算回路で、搭載されている個数だけでは性能差を比較できないため、細かな性能を知りたい方は、後述するベンチマークを参考にしてみてください。
一方で、NVIDIA GeForce RTX 3070と比較してみると、プロセスは8nmで、Intel Arc A730Mの方が抑えられているため、トランジスタ数やダイサイズはIntel Arc A730Mが大きく上回っています。ただし、ベースクロックやブーストクロックは、ノートパソコン向けということもあり、2製品と比べて劣る数値です。
ノートパソコン版はデスクトップ版と比べて性能が劣る傾向にあるので、どのタイプのグラフィックボードを導入するか悩んでいる方は、十分に性能を比較したうえで選定しましょう。 また、RTX 3070の詳細は「RTX 3070とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」の記事でさらに詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。
Intel Arc A730Mの特徴
Intel Arc A730Mは、トレーシングやVRSなどの描画関連の新機能が搭載された、最新のAPIであるDirectX 12 ULtimateをサポートしています。さらに、写真やビデオなどのコンテンツに対してAIを活用して高速なアップスケールおよびレタッチを可能にする「XMX」を搭載しています。
内蔵グラフィックスのみの使用と比較して、最大2倍以上の高速なアップスケールを実現してくれるため、クリエイティブシーンにおいて生産性の向上が期待できるでしょう。
また、CPUとGPUを連動させてコンテンツのエクスポート時間を短縮させる「Deep Link」機能も搭載しています。
Intel Arc AシリーズとNVIDIA GeForceシリーズの特徴比較
NVIDIAは、Intelと同様にアメリカに本社を構える半導体メーカーです。AMDと並ぶグラフィックボード製造メーカーでもあり、GeForceシリーズは主力製品のひとつです。
APIは、ゲームで採用されることの多いDirectXに対応しているため、3DCADの制作などのクリエイティブシーンよりも、ゲーミングの用途が向いています。
Intel Arc AシリーズのAPIは、NVIDIA GeForceシリーズと同じDirectXです。そのため、NVIDIA GeForceシリーズと同様に、ゲーミングでの使用がおすすめです。
加えて、クリエイティブタスクの効率化やパフォーマンス向上を実現する、Intel独自の「Deep Link」や「XMX」を搭載しているため、クリエイティブシーンでも高い性能を発揮してくれます。
APIは同じDirectXであることから、両シリーズともゲーミング向けのグラフィックボードとして開発されたことがわかりますが、クリエイティブシーンでの利用を検討している方は、それぞれの製品の特徴や独自機能、ベンチマークを確認して選定しましょう。
Intel Arc A730Mのベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、レイトレーシング・Wild Life・消費電力の3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
レイトレーシング
レイトレーシングとは、光や影を表現・追跡する機能です。よりリアルな映像を表現したい方、楽しみたい方は注目すべきベンチマークのひとつです。
Intel Arc A730Mの数値は4262と、NVIDIA製の2製品よりも劣る数値でした。特にNIVIDIA GeForce RTX 3070のおよそ半分の数値で、レイトレーシング性能の性能差が大きいことがわかります。
NVIDIA GeForce RTX 2080と比べても、およそ34%劣った数値です。
ノートパソコン版はデスクトップ版よりもレイトレーシング性能は下回る傾向が強いので、高いレイトレーシング性能を求める方は、デスクトップ版がおすすめです。
Wild Life
Wild Lifeは、異なるプラットフォーム上で同じ仕様のアプリケーションを動作させるプログラムの「クロスプラットフォーム」のベンチマークスコアです。
Intel Arc A730Mの数値は34350と、レイトレーシングと同様に、NVIDIA製の2製品と大きな性能差がみられました。
NVIDIA Geforce RTX 3070の数値は75672で、Intel Arc A730Mの2倍以上の数値です。また、NVIDIA GeForce RTX 2080もおよそ1.8倍の数値でした。
このように、グラフィックボードによってWild Lifeのスコアは大きく異なるので、複数のプラットフォームでアプリケーションを起動させる機会の多い方は、注目しておきましょう。
消費電力
消費電力の観点からもみていきましょう。
Intel Arc A730Mの消費電力は80W〜120Wで、NIVIDIA製の2製品よりも優れた数値でした。具体的には、NVIDIA Geforce GTX 2080の225Wよりも105W、NVIDIA GeForce RTX 3070よりも100Wも少ない消費電力です。
上記の結果は、Intel Arc A730Mがノートパソコン版であることが大きな要因です。
消費電力を抑えられるグラフィックボードを運用したい方や普段からノートパソコンを使う方は、ほかのIntel Arc Aシリーズや、他社のノートパソコン版グラフィックボードの性能を比較して、自社に合った製品を導入しましょう。
Intel Arc A730Mを使用している方の口コミ・評価
実際にIntel Arc A730Mを搭載したパソコンを使用している方の口コミ・評価を紹介します。
Intel Arc A730Mの使用感やおすすめの用途を知りたい方は、ぜひ参考にしてください
コスパがまず高いです。搭載が少ないArc730なのでどうかな?と思いましたが、試しにフォートナイトを動かしましたが、ヌルヌル動いています。熱はそれなりに出ますが、通常の使用では全く感じないくらい静かです。
メモリもストレージも余裕があるので非常におすすめできます。
ゲームに関してはGPUのアップデートさえしっかりできれば大丈夫だとは思います。
※ドスパラ通販サイトより引用
画像編集とプリントアウト、エクセル等事務処理をメインに、コストパフォーマンスの良い、長年使えるパソコンを探していました。本機のコスパは非常に優秀だと感じ、購入させて頂きました。dGPUがタダでついているんじゃないかと思わせられるような価格でした)。購入したばかりなので、使い勝手などはまだ十分把握できていませんが、問題はなさそうです。長年使用できればと存じます。
※ドスパラ通販サイトより引用
普段使いのPC(10年落ち)の挙動が怪しくなったので購入。以前使用していたPCよりもかなり処理が速く使いやすいです。モニターはかなり綺麗だと思います。
【総評】
個人的にコスパはかなり良いと思います(CPU,SSD含め)
PCの使用目的が普段使いの方にはオススメ
※ドスパラ通販サイトより引用
以上の口コミから、Intel Arc A730Mは、ゲーミングだけでなく、画像編集やOfficeソフトの使用といった普段使いでもコスパの良さを実感できるグラフィックボードだとわかりました。
Intel Arc A730Mはどのような用途におすすめ?
Intel Arc A730MのAPはIDirectXに対応しているため、ゲーミング用途での利用もおすすめですが、動画編集・作成といったクリエイティブシーンでも高いパフォーマンスを発揮してくれます。
Intel Arc A730MをはじめとしたIntel Arc Aシリーズは、CPUとGPUをデバイスのシステム内部で連動させることでタスクのエクスポート時間を短縮できる「ハイパーエンコード」機能や、AIで強化されたアップスケーリングが高解像度の作業環境を実現する「XeSS」を搭載しています。
さらに、AV1のエンコードにも対応しており、最大8Kの解像度を実現してくれるため、高品質な動画コンテンツ作成も可能です。
また、Intel Arc A730Mはノートパソコン向けのグラフィックボードなので、ノートパソコンが指定の企業や、リモートワーク中心のクリエイターリエイターなどにおすすめです。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。
CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。