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RTX 2060とは?スペックや性能、口コミまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce RTX 2060」のスペックや特徴について解説します。

RTX 2060のベンチマークや口コミ、おすすめのパソコンもあわせてお伝えするので、RTX 2060の細かな特徴や使用感を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください

目次

RTX 2060の基本スペック

GeForce RTX 2060
アーキテクチャ NVIDIA Turing™
GPU TU106
プロセス 12 nm
トランジスタ数 108億
ダイサイズ 445mm²
CUDAコア 6GB:1920基
12GB:2176基
Tensorコア 240基
RTコア 30基
ベースクロック 6GB:1370MHz
12GB:1470MHz
ブーストクロック 6GB:1680MHz
12GB:1650MHz
メモリ規格 GDDR6
メモリ容量 6GB・12GB
メモリバス 192bit
バンド幅 336GB/s
消費電力 6GB:160W
12GB:185W
発売日 6GB:2019/1
12GB:2022/1

RTX 2060は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。

アーキテクチャは、前世代のGTX 16シリーズと同様のNVIDIA Turing™ です。

RTX 2060のメモリ容量は6GBと12GBの2種類で、6GBは2019年1月に、12GBは3年後の2022年1月に、RTX 20シリーズのエントリークラスとして発売されました。2種類のメモリ容量があることで、グラフィックデザインから負荷の大きい動画編集や3Dグラフィックを扱った業務など、幅広い用途で使用できます。

RTX 2060のスペック比較

GeForce RTX 2060 GeForce GTX 1060 GeForce RTX 2070
アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Pascal NVIDIA Turing™
GPU TU106 GP104 TU106
プロセス 12 nm 16 nm 12 nm
トランジスタ数 108億 44億 108億
ダイサイズ 445mm² 200mm² 445mm²
CUDAコア 6GB:1920基
12GB:2176基
3GB:1152基
6GB:1280基
2304基
Tensorコア 240基 - 288基
RTコア 30基 - 36基
ベースクロック 6GB:1370MHz
12GB:1470MHz
1506MHz 1410MHz
ブーストクロック 6GB:1680MHz
12GB:1650MHz
1708MHz 1710MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR5 GDDR6
メモリ容量 6GB・12GB 3GB・6GB 8GB
メモリバス 192bit 192bit 256bit
バンド幅 336GB/s 192GB/s 448GB/s
消費電力 6GB:160W
12GB:185W
120W 185W
発売日 6GB:2019/1
12GB:2022/1
3GB:2016/8
6GB:2016/6
2018/10

RTX 2060のスペックを、旧世代の70番台にあたるGeForce GTX 1060と、上位モデルであるGeForce RTX 2070を比較してみていきましょう。

GTX1060との比較

RTX 2060は、GTX 1060の後継モデルとして登場したグラフィックボードです。

GTX 1060ではPascal世代のアーキテクチャを採用していましたが、RTX 2060ではTuring世代に進化しています。

プロセスは16nmから12nmに微細化されており、トランジスタ数やダイサイズ、CUDAコアは、RTX 2060が大きく上回っています。

メモリ規格もGDDR5からGDDR6にスペックアップされ、メモリ容量は2倍の数値です。

RTX 2070との比較

一方で、上位モデルのRTX 2070と比較すると、アーキテクチャとGPUが同じであるため、トランジスタ数やダイサイズは同値です。CUDAコアやTensorコア、RTコアといった演算回路の搭載数は、RTX 2070がわずかに上回っています。

メモリ容量はRTX 2060が上回っていますが、メモリバスやメモリ幅はRTX 2070が優れているため、より高速なメモリ処理を求める方は、RTX 2070がおすすめです。

RTX 2070の詳細は「RTX 2070とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」の記事でさらに詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

RTX 2060の特徴

RTX 2060の特徴を解説します。

RTX 2060独自の特徴だけでなく、ほかの世代と比較した結果も解説するので、ほかの世代やシリーズの製品と比較してグラフィックボードを選定したい方は、ぜひ参考にしてください。

旧世代のハイエンドクラスにあたるGTX1070を凌ぐ性能を持つ

RTX 2060は、RTX 20シリーズのエントリークラスにあたるグラフィックボードですが、旧世代のハイエンドクラスのGeForce GTX 1070を凌ぐ性能を持っています。

GeForce RTX 2060 GeForce GTX 1070
アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Pascal
GPU TU106 GP104
プロセス 12 nm 16 nm
トランジスタ数 108億 72億
ダイサイズ 445mm² 314mm²
CUDAコア 6GB:1920基
12GB:2176基
1920基
Tensorコア 240基 -
RTコア 30基 -
ベースクロック 6GB:1370MHz
12GB:1470MHz
1506MHz
ブーストクロック 6GB:1680MHz
12GB:1650MHz
1683MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR5
メモリ容量 6GB・12GB 8GB
メモリバス 192bit 256bit
バンド幅 336GB/s 256GB/s
消費電力 6GB:160W
12GB:185W
150W
発売日 6GB:2019/1
12GB:2022/1
2016/6

GTX 1070は、NVIDIA Pascal™世代のグラフィックボードですが、RTX 2060ではTuring世代が採用されています。その結果、プロセスは16nmから12nmに微細化され、トランジスタ数やダイサイズは、RTX 2060の方が高い数値です。

CUDAコアは同値ですが、RTX 2060ではRTコアとTensorコアが搭載されている点も大きな特徴です。

メモリ規格はGDDR5からGDDR6にスペックアップされ、メモリ容量もRTX 2060の方が大容量であることから、メモリ性能の向上もうかがえます。

RTX 2060であれば、より作業負荷の大きい作業でも、より高速に処理できるでしょう。

RTコア・Tensorコアを搭載した最安値モデル

RTX 2060は、レイトレーシングに特化したRTコアと、ディープラーニングに特化したTensorコアを搭載した最安値のグラフィックボードです。

RTコアとTensorコアは、RTX 20シリーズから搭載された演算回路で、RTX 20シリーズのエントリークラスにあたるRTX 2060であれば、コストを抑えて両方の演算回路の性能を体験できます。

これまでGTX 16シリーズ以前のグラフィックボードを使用していた方や、よりリアルな映像美を表現したいクリエイター、AIを扱った業務を行う方は、RTX 20シリーズ以降のグラフィックボードがおすすめです。

次世代の製品と比較するとレイトレーシング性能が劣る

RTX 2060は、最安値でレイトレーシング性能が手に入るグラフィックボードとはいえ、エントリークラスということもあり、次世代の製品と比べると性能は劣ります。

上位モデルとRTコアの搭載数と世代を比較した結果は、以下のとおりです。

GeForce RTX 2060 GeForce RTX 2070 GeForce RTX 3060 GeForce RTX 4070 Ti
RTコア世代 第1世代 第1世代 第2世代 第3世代
RTコア搭載数 30基 36基 28基 60基

同じ第1世代のRTコアを搭載したRTX 2070と比較すると、搭載数に6基の開きがあります。また、次世代のRTX 30シリーズで同じ60番台のGeForce RTX 3060と比較すると、搭載数はRTX 2060の方がわずかに多いですが、世代はRTX 3060の方が1世代新しいため、トータルでみるとRTX 3060の方が優れた性能を持っているといえるでしょう。

さらに、GeForce RTX 40シリーズのエントリークラスにあたるGeForce RTX 4070 Tiは、第3世代のRTコアを、RTX 2060の倍の60基搭載しています。より高いレイトレーシング性能を求める方は、上位のシリーズやモデルがおすすめです。

RTコアの性能の体験が目的の方であれば、RTX 2060も選択肢のひとつとして考えられるでしょう。

RTX 2060のベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。

グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。

3DMark

RTX 2060(3DMark).png

3Dグラフィックスの処理性能を表す3DMarkのベンチマークスコアをみていきます。

RTX 2060の数値は、7498です。

次世代の同じ60番台にあたるRTX 3060を上回るスコアである点は、注目ポイントです。

上位の世代であっても、前世代と比べてベンチマークスコアが劣るケースはよく見られるので、これからグラフィックボードを選定する方は、最新のシリーズだけでなく、ひとつ前の世代の製品も確認すると良いでしょう。

一方で、上位モデルのNVIDIA GeForce RTX 2070(ノートブック)と比べると、RTX 2060はわずかに劣っています。

一般的に、ノートパソコン向けのグラフィックボードは、デスクトップ版と比べて性能が劣る傾向にありますが、上位モデルである分、RTX 2070が上回る結果となりました。

レイトレーシング

RTX 2060(Port Royal).png

※AMD Radeon RX Vega 64は必要な情報が不足しているため、4製品で比較

光や影を表現・追跡するレイトレーシングのベンチマークもみていきましょう。

RTX 2060の数値は4144と、上位モデルのNVIDIA GeForce RTX 2070(ノートブック)やNVIDIA GeForce RTX 3060(8GB)を下回るスコアでした。特に3DMarkでは上回っていたNVIDIA GeForce RTX 3060(8GB)と比較すると、約11%もの開きがあります。

一方で、NVIDIA GeForce GTX 1080(ノートブック)と比較すると、RTX 2060は約3倍のスコアです。

GTXシリーズには、RTXシリーズに搭載されているレイトレーシングに特化したRTコアが搭載されていないため、これほどの性能差が生まれたと考えられます。

そのため、レイトレーシング性能を重視する方は、RTXシリーズのグラフィックボードがおすすめです。

消費電力

RTX 2060(ワットパフォーマンス).png

最後に、ワットパフォーマンスも比較していきます。

RTX 2060の消費電力は160Wと、デスクトップ版の3製品で比較すると、最も優れた数値でした。特にAMD Radeon RX Vega 64とは135Wもの開きがあり、デスクトップ版より消費電力が少ない傾向にあるノートパソコン向けのNVIDIA GeForce GTX 1080よりも少ない消費電力であることから、省電力性の良さがうかがえます。

ワット数別の3DMarkスコアにおいても、ノートパソコン向けのNVIDIA GeForce RTX 2070に次いで優れたスコアです。

コストを抑えてグラフィックボードを運用したい方は、消費電力とあわせてワット数別のスコアにも注目すれば、よりコスパに優れた製品を導入できるので覚えておくと良いでしょう。

RTX 2060を使用している方の口コミ・評価

実際にRTX 2060を使用している方の口コミ・評価を紹介します。RTX 2060のリアルな使用感を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

手ごろな価格になり、購入を決めました。VRAMも12GBあり、WQHDモニタでの画面表示に充分です。ゲームや普段の使用に問題なく動作しており満足です。

ドスパラ通販サイトより引用

gtx780ti からの交換です。特に問題無く動作しています。

導入もすんなり行ってクセもなくていい感じです。

他の人のコメントにあった異音も今のところ無いです。

ドスパラ通販サイトより引用

1660Tiと迷ったんですがこちらにしました。自分はパーツを選ぶ基準はいかに長く使えるかなので、最新のアーキテクチャとPCの拡張性のバランスを考えるとこれかなと思いました。価格と性能はちょうどいいと思いますし、CPUをハイグレードにしてもそれなりに機能すると思いました。

ドスパラ通販サイトより引用

上記の口コミから、RTX 2060は、普段使いからゲーミングまで幅広い用途に使用でき、旧世代のGTX 780やGTX 1660 Tiよりも高いパフォーマンスを実感できるグラフィックボードだとわかります。

また、メモリ性能が12GBと大容量である点も、高い評価を受けています。

RTX 2060はどのような用途におすすめ?

RTX 2060が主に対応しているAPIは、ゲームに最適化されたDirectXです。そのため、ゲーミング目的でRTX 2060を導入する方も多いですが、2D・3Dグラフィックスの処理性能やメモリ性能が高く、さまざまなハードウェアやOSにも対応しているため、複数機種を使い分けているクリエイターにもおすすめです。

加えて、RTX 2070は、ノイズ除去やバーチャル背景などのAIエフェクトを活用して、配信環境のレベルを引き上げてくれる「NVIDIA Broadcast」にも対応しています。リモート会議やオンライン授業を行う方にとってありがたい機能です。

ただし、RTX 2060は、最新のグラフィックボードと比べて、アーキテクチャが古い世代の製品であるため、流通が限られています。

2022年に発売された12GB版であれば、市場に流通している可能性はありますが、古いアーキテクチャだと、最新のアプリケーションに対応していない場合があります。

同じ60番台で次世代のシリーズにあたるRTX 3060であれば、RTX 2060よりも流通が多く、幅広いアプリケーションやソフトに対応しています。

RTX 3060の詳細は「RTX 3060とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

GPU搭載PCを仕事で使うことについて

PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。

CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。

グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。

主にクリエイティブ用途で活躍

特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。

代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。

グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。

CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に

CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。

PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。

その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。

ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC

結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。

以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。

高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。

まとめ

この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「RTX 2060」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説しました。

RTX 2060は、RTX 20シリーズのエントリークラスにあたるグラフィックボードで、最安値でRTコアとTensorコアの性能を体験できるのが特徴です。

また、旧世代のハイエンドクラスのグラフィックボードよりも優れた性能を持っているのもポイントです。

どのグラフィックボードを導入すべきか悩んでいる方は、この記事で紹介したベンチマークやスペック比較を参考に、複数の製品を比較して、求める性能を持ったグラフィックボードを選定しましょう。

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