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RTX 2070とは?スペックや性能、口コミまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce RTX 2070」のスペックや特徴について解説します。

RTX 2070のベンチマークや口コミもあわせてお伝えするので、ほかの製品と比較したうえでグラフィックボードを選定したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

RTX 2070の基本スペック

GeForce RTX 2070
アーキテクチャ NVIDIA Turing™
GPU TU106
プロセス 12 nm
トランジスタ数 108億
ダイサイズ 445mm²
CUDAコア 2304基
Tensorコア 288基
RTコア 36基
ベースクロック 1410MHz
ブーストクロック 1710MHz
メモリ規格 GDDR6
メモリ容量 8GB
メモリバス 256bit
バンド幅 448GB/s
消費電力 185W
発売日 2018/10

RTX 2070は、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボードです。

RTX 2070のメモリ容量は8GBの1種類で、RTX 20シリーズのミドルクラスとして発売されました。アーキテクチャには、前世代のGeForce GTX 16シリーズと同様のTuring世代が採用されています。一方で、RTX 2070には、GTX 16シリーズには搭載されていなかったRTコアやTensorコアが搭載されているのが大きな違いです。

RTコアやTensorコアは、RTX 20シリーズから搭載された演算回路で、レイトレーシング性能を重視したいクリエイターやゲーマー、AIや大量のデータを扱う研究者などは、RTX 20シリーズ以降のグラフィックボードがおすすめです。

RTX 2070のスペック比較

GeForce RTX 2070 GeForce GTX 1070 GeForce RTX 2070 SUPER
アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Pascal NVIDIA Turing™
GPU TU106 GP104 TU104
プロセス 12 nm 16 nm 12 nm
トランジスタ数 108億 72億 136億
ダイサイズ 445mm² 314mm² 545mm²
CUDAコア 2304基 1920基 2560基
Tensorコア 288基 - 320基
RTコア 36基 - 40基
ベースクロック 1410MHz 1506MHz 1610MHz
ブーストクロック 1710MHz 1683MHz 1770MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR5 GDDR6
メモリ容量 8GB 8GB 8GB
メモリバス 256bit 256bit 256bit
バンド幅 448GB/s 256GB/s 448GB/s
消費電力 185W 150W 215W
発売日 2018/10 2016/6 2019/7

RTX 2070のスペックを、旧世代の70番台にあたるGeForce GTX 1070と、上位モデルであるGeForce RTX 2070 SUPERを比較してみていきましょう。

GTX1070との比較

GTX 1070は、アーキテクチャにPascal世代を採用していますが、RTX 2070ではTuring世代に進化しています。

GPUもGP104からTU106にスペックアップしており、プロセスは16nmから12nmへ微細化に成功しています。プロセスの微細化が主要因で、トランジスタ数やCDDAコアは、RTX 2070が大きく上回った数値です。メモリ容量は同じ8GBですが、メモリ規格はGDDR5からGDDR6に進化していることから、メモリ性能面での向上もみられます。

RTX 2070 SUPERとの比較

アーキテクチャは同じTuring世代ですが、RTX 2070 SUPERのGPUは、RTX 2070のTU106からスペックアップしたTU104です。そのため、トランジスタ数やCUDAコアが、RTX 2070から大幅に向上しています。TensorコアやRTコアの搭載数も増えているため、より高いレイトレーシング性能やAIの処理性能を求める方は、RTX 2070 SUPERがおすすめです。

RTX 2070 SUPERの詳細は「RTX 2070 SUPERとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」の記事でさらに詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

RTX 2070の特徴

RTX 2070の特徴を解説します。

前世代のGTX 10シリーズと比較した結果も解説するので、ほかの世代やシリーズの製品と比較してグラフィックボードを選定したい方は、ぜひ参考にしてください。

上位モデルに引けを取らないメモリ性能

RTX 2070は、同じRTX 20シリーズの上位モデルや、次世代のRTX 30シリーズに引けを取らないメモリ性能を持っているグラフィックボードです。

GeForce RTX 2070 GeForce RTX 2080 GeForce RTX 3070 GeForce RTX 3070 Ti GeForce RTX 3080
メモリ規格 GDDR6 GDDR6 GDDR6 GDDR6X GDDR6X
メモリ容量 8GB 8GB 8GB 8GB 10GB・12GB
メモリバス 256bit 256bit 256bit 256bit 320bit・384bit

上位モデルのRTX 2080や次世代のRTX 3070と比較すると、規格・容量・バスがすべて同じです。

RTX 3070 Tiと比較しても、メモリ規格はGDDR6からスペックアップしたGDDR6Xを採用していますが、容量やバスは同じで、大きな性能差はありません。

RTX 3080は、RTX 2070よりもメモリ容量が多く、メモリバスも高い数値なので、メモリ性能を重視したい方は、RTX 3080以降のグラフィックボードがおすすめです。

Pascal世代のハイエンドクラスのGTX 1080を上回る性能を持つ

旧世代、GeForce GTX 10シリーズのハイエンドクラスに位置づけられたグラフィックボードに、GeForce GTX 1080があります。GTX 1080は、RTX 20シリーズのミドルクラスにあたるRTX 2070よりも、クラスとしての位置づけは上位です。

しかし、スペックを比較すると、RTX 2070は、GTX 1080を上回る性能を持っていることがわかります。

GeForce RTX 2070 GeForce GTX 1080
アーキテクチャ NVIDIA Turing™ NVIDIA Pascal
GPU TU106 GP104
プロセス 12 nm 16 nm
トランジスタ数 108億 72億
ダイサイズ 445mm² 314mm²
CUDAコア 2304基 2560基
Tensorコア 288基 -
RTコア 36基 -
ベースクロック 1410MHz 1607MHz
ブーストクロック 1710MHz 1733MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR5X
メモリ容量 8GB 8GB
メモリバス 256bit 256bit
バンド幅 448GB/s 320GB/s
消費電力 185W 180W
発売日 2018/10 2016/6

GTX 1080では、Pascal世代のアーキテクチャが採用されていますが、RTX 2070ではTuring世代が採用されています。

プロセスが16nmから12nmに微細化されたことで、トランジスタ数やダイサイズが大幅に向上しました。

また、メモリ規格がGDDR5XからGDDR6にスペックアップしている点でも、性能の向上がみられます。

そして、GTX 1060で搭載されていなかったTensorコアとRTコアが搭載されている点が大きな違いです。

容量は同じ8GBですが、レイトレーシング性能やAIの処理性能を求める方は、RTX 2070がおすすめです。

NVIDIA NVLinkに対応していない

RTX 2070は、NVIDIA NVLinkに対応していない点がデメリットです。

NVIDIA NVLinkは、NVIDIAが提供する世界初の高速GPUインターコネクトで、2つのグラフィックボードをNVLinkで接続することでパフォーマンスを拡張し、高い作業負荷にも対応できます。

グラフィックボードの2枚挿しで性能を向上させる手法は、良く行われる手段ですが、RTX 2070ではできないので、注意が必要です。

RTX 2070の上位モデルのRTX 2070 SUPER以降のグラフィックボードであれば、NVLinkに対応しているので、NVLinkを活用してより高いパフォーマンスを発揮したい方は、検討してみてください。

RTX 2070のベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。

グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。

3DMark

RTX 2070(3DMark).png

3DMarkは、3Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークスコアです。

RTX 2070の数値は、8930です。次世代のRTX 30シリーズにあたるNVIDIA GeForce RTX 3060を上回るスコアである点が、大きな注目ポイントです。

上位のシリーズ・モデルであっても、ベンチマークスコアが高いとは限らないので、少しでも高い性能を求める方は、ベンチマークまで比較してグラフィックボードを選定しましょう。

一方で、競合であるAMD社のAMD Radeonシリーズの2製品と比較すると、RTX 2070は下回る結果でした。

メーカーにこだわりがない方は、複数社の製品を比較して選定するのも方法のひとつです。

レイトレーシング

RTX 2070(Port Royal).png

※AMD Radeon VIIは必要な情報が不足しているため、4製品で比較

レイトレーシングは、光や影を表現・追跡する機能です。よりリアルな映像を表現したいクリエイターや、楽しみたいゲーマーが注目すべきベンチマークのひとつです。

RTX 2070の数値は5189と、3DMarkではAMD Radeon RX 6800Sを下回っていましたが、レイトレーシングでは大きく上回るスコアでした。

一方で、NVIDIA GeForce RTX 3060(GA 104)と比較すると、3DMarkでは上回っていましたが、レイトレーシングではわずかに下回っています。

このように、グラフィックボードによって得意分野は異なるので、製品を比較する際は、特に用途に応じたベンチマークスコアで比べてみましょう。

消費電力

RTX 2070(ワットパフォーマンス).png

最後に、ワットパフォーマンスも比較していきます。

RTX 2070の消費電力は185Wと、5つの製品のなかで2番目に高い数値でした。特にノートパソコン向けのAMD Radeon RX 6800Sとの差は大きく、85Wの開きがあります。

ノートパソコン向けのグラフィックボードは、デスクトップ版と比べて消費電力が低い傾向にあるので、コストを抑えて運用したい方におすすめです。

また、ワット数別の3DMarkスコアをNVIDIA GeForce RTX 3060と比較すると、NVIDIA GeForce RTX 3060の方が優れた数値であることから、コストパフォーマンスの良さがうかがえます。

RTX 2070を使用している方の口コミ・評価

実際にRTX 2070を使用している方の口コミ・評価を紹介します。RTX 2070のリアルな使用感を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

core i9との組み合わせで使っていますがCPUパワーに負けること無く良いパフォーマンスです!

ドスパラ通販サイトより引用

GTX1060では少し性能不足を感じたので少し高めでコスパも微妙ですが今後を見据えてこのSUPERジェットストリームRTX2070を購入。

まず最低限として普通に動くかどうかですが初期不良もなく何の問題もありませんでした。

そして次にSUPERジェットストリームということで通常のジェットストリームよりオーバークロックされているのが特徴だと思います。

ドスパラ通販サイトより引用

動作良好。

HDMIが1つ、Display portが3つで、どの端子も表示に問題はありません。

Battle Field, Anthemといったデカいコンテンツもサクサク動きますし、VRコンテンツも良好に遊べました。良いと思います。

ドスパラ通販サイトより引用

上記の口コミから、RTX 2070は、前世代のPascal世代のアーキテクチャを採用したGeForce GTX 1060から性能の向上が感じられるグラフィックボードだとわかります。

Intel CPUとの相性も良く、作業負荷の大きいVRでも動作が良好という声があることから、性能の高さがうかがえます。

RTX 2070はどのような用途におすすめ?

RTX 2070の対応APIはDirectXであるため、ゲーム用のグラフィックボードとして採用する方もいますが、GPUを利用して高速な描画が行えるだけでなく、さまざまなハードウェアやOSの組み合わせに対応できるため、業務で画像や動画を扱うクリエイターにもおすすめです。

加えて、3Dアニメーションやグラフィックデザインの製作といったワークフローを、専用のツールで強化してくれる「NVIDIA Studio」にも対応しています。「NVIDIA Studio」では、AI技術を活用することで、レンダリングやエンコードを高速に行えるため、生産性に課題を感じている企業にも最適です。

ただし、RTX 2070は、最新のNVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ世代より2世代古いTuring世代のグラフィックボードであるため、RTX 30シリーズやRTX 40シリーズの製品と比べて流通が限られています。

同じ70番台で上位モデルにあたるGeForce RTX 4070 Tiであれば手に入りやすく、より高い性能を発揮してくれます。RTX 4070 Tiの詳細は「RTX 4070 Tiとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

GPU搭載PCを仕事で使うことについて

PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。

CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。

グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。

主にクリエイティブ用途で活躍

特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。

代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。

グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。

CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に

CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。

PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。

その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。

ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC

結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。

以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。

高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。

RTX 40シリーズが主流に!

RTX 40シリーズが主流に!「RTX2070搭載したデスクトップPCが購入したい」そんな方には、後継機種『RTX4070』がおすすめです。

もっと詳しく知りたい方は、「RTX 4070とは?スペックや性能、口コミまで徹底解説」の記事でさらに詳しく紹介しているので、ご参考ください。

RTX40シリーズ こちらの記事も読まれています。

まとめ

この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「RTX 2070」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説しました。RTX 2070は、上位モデルに引けを取らない優れたメモリ性能が特徴のグラフィックボードです。

さらに、GTX 10シリーズのハイエンドクラスにあたるGTX 1080よりも高い性能を持っており、TensorコアとRTコアが搭載されているのも大きな特徴です。

グラフィックボードの選定に悩んでいる方は、この記事を参考にほかの製品と比較して、用途に合ったグラフィックボードを選定しましょう。

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