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RTX 3070 Tiとは?スペックや性能、口コミまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「GeForce RTX 3070 Ti」のスペックや特徴について解説します。
RTX 3070 Tiのベンチマークや口コミ、おすすめのパソコンもあわせてお伝えするので、グラフィックボードの選定に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
RTX 3070 Tiの基本スペック
GeForce RTX 3070 Ti | |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Ampere アーキテクチャ |
開発コードネーム | GA104 |
プロセス | 8 nm |
トランジスタ数 | 174億 |
NVIDIA CUDAコア | 6144基 |
レイトレーシング コア | 第2世代 |
Tensorコア | 第3世代 |
ベースクロック (MHz) | 1580MHz |
ブーストクロック (MHz) | 1770MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 8GB GDDR6X |
メモリインターフェイス幅 | 256bit |
グラフィックスカード電力 (W) | 290W |
最小システム電力 (W) | 750W |
最大GPU 温度 (°C) | 93°C |
対応API | DirectX 12 Ultimate Vulkan RT API OpenGL 4.6 |
長さ | 267mm |
幅 | 112mm |
スロット | 2スロット |
発売日 | 2021/6 |
GeForce RTX 3070 Tiは、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売している、GeForce RTX 30シリーズのグラフィックボードです。
RTX 30シリーズのなかではミドルクラスにあたり、高い性能を持ちながらハイエンドクラスと比べて手に取りやすい価格であることから、グラフィックボード初心者からステップアップしたい方から高性能なグラフィック処理を行いたいクリエイターまで、幅広く採用されています。
また、RTX 30シリーズには、RTX 3070 Tiのほかに、エントリークラスのGeForce RTX 3050や、最上位クラスのGeForce RTX 3090 Tiなど、合計9つの製品があります。それぞれで大きく性能が異なるので、RTX 30シリーズの導入を検討している方は、複数のモデルを比較してみましょう。
RTX 30シリーズの製品比較は後述するので、ぜひ参考にしてください。
RTX 3070 Tiのスペック比較
GeForce RTX 3070 Ti | GeForce RTX 3070 | GeForce RTX 3080 | |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Ampere アーキテクチャ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ |
開発コードネーム | GA104 | GA104 | GA102 |
プロセス | 8 nm | 8 nm | 8 nm |
トランジスタ数 | 174億 | 174億 | 283億 |
NVIDIA CUDAコア | 6144基 | 5888基 | 10GB:8704基 12GB:8960基 |
レイトレーシング コア | 第2世代 | 第2世代 | 第2世代 |
Tensorコア | 第3世代 | 第3世代 | 第3世代 |
ベースクロック (MHz) | 1580MHz | 1500MHz | 10GB:1440MHz 12GB:1260MHz |
ブーストクロック (MHz) | 1770MHz | 1730MHz | 1710MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 8GB GDDR6X | 8GB GDDR6 | 10GB GDDR6X 12GB GDDR6X |
メモリインターフェイス幅 | 256bit | 256bit | 10GB:320bit 12GB:384bit |
グラフィックスカード電力 (W) | 290W | 220W | 10GB:320W 12GB:350W |
最小システム電力 (W) | 750W | 650W | 750W |
最大GPU 温度 (°C) | 93°C | 93°C | 93°C |
対応API | DirectX 12 Ultimate Vulkan RT API OpenGL 4.6 |
DirectX 12 Ultimate Vulkan RT API OpenGL 4.6 |
DirectX 12 Ultimate Vulkan RT API OpenGL 4.6 |
長さ | 267mm | 242mm | 285mm |
幅 | 112mm | 112mm | 112mm |
スロット | 2スロット | 2スロット | 2スロット |
発売日 | 2021/6 | 2020/10 | 10GB:2020/10 12GB:2022/1 |
RTX 3070 Tiのスペックを、同じRTX 30シリーズの下位モデルにあたるGeForce RTX 3070と、上位モデルのGeForce RTX 3080と比較してみていきます。
RTX 3070との比較
RTX 3070 TiとRTX 3070は、同じNVIDIA Ampere アーキテクチャと、GA104の開発コードネームを採用しているグラフィックボードであるため、プロセスやトランジスタ数は同値で差はありません。
一方で、RTX 3070 TiのCUDAコアは、RTX 3070の104%の搭載数で、並列処理性能の向上がみられます。
また、メモリ規格においても、RTX 3070はGDDR6であるのに対し、RTX 3070 TiはGDDR6Xにスペックアップしています。
RTX 3080との比較
次に、RTX 3070 Tiの上位モデルにあたるRTX 3080と比較してみていきましょう。
RTX 3080は、メモリ容量が10GBと12GBの2種類あります。
RTX 3070 Tiの開発コードネームはGA104であるのに対し、RTX 3080はGA102にスペックアップしており、その結果トラフィック数も向上しています。加えて、CUDAコアも大幅に増え、12GB版はRTX 3070 Tiの145%の搭載数です。
メモリインターフェイス幅も向上しており、さまざまなスペックの向上がみられるため、より大規模なデータやアプリケーションを快適に使用したい方は、RTX 3080がおすすめです。
RTX 3070 Tiの特徴
RTX 3070 Tiの特徴を3つ紹介します。
RTX 3070 Tiが対応しているNVIDIAの独自機能や、他製品と比較した結果を中心に紹介するので、グラフィックボードの選定に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
「NVIDIA Omnuverse™」に対応
RTX 3070 Tiは、3Dのワークフローを加速させる、NVIDIA独自のプラットフォームである「NVIDIA Omniverse™」に対応しています。
NVIDIA Omniverse™は、主にクリエイティブ業界のプロフェッショナルや研究者向けに設計されており、3Dアニメーションやビジュアルエフェクト、建築設計など、さまざまな分野で活用可能です。
リアルタイムでのコラボレーションと、異なるアプリケーション間でのシームレスなデータのやりとりが可能で、企業のチーム内で相互接続することでワークフローの加速を実現します。
初心者から経験豊富なクリエイター・デザイナーまで、幅広い方がより高いパフォーマンスを発揮できるため、クリエイティブのレベルを引き上げたい方や作業効率を改善したい方におすすめです。
前世代の最上位クラスのRTX 2080 Tiを上回る性能を持つ
RTX 3070 Tiは、前世代の最上位クラスにあたるGeForce RTX 2080 Tiを上回る性能を持っています。
GeForce RTX 3070 Ti | GeForce RTX 2080 Ti | |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Ampere アーキテクチャ | NIVIDIA Turing™ |
開発コードネーム | GA104 | TU102 |
プロセス | 8 nm | 12 nm |
トランジスタ数 | 174億 | 186億 |
NVIDIA CUDAコア | 6144基 | 4532基 |
レイトレーシング コア | 第2世代 | 第1世代 |
Tensorコア | 第3世代 | 第3世代 |
ベースクロック (MHz) | 1580MHz | 1350MHz |
ブーストクロック (MHz) | 1770MHz | 1640MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 8GB GDDR6X | 11GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 256bit | 352bit |
グラフィックスカード電力 (W) | 290W | 260W |
最小システム電力 (W) | 750W | 650W |
最大GPU 温度 (°C) | 93°C | 89°C |
対応API | DirectX 12 Ultimate Vulkan RT API OpenGL 4.6 |
DirectX 12 Ultimate Vulkan RT API OpenGL 4.6 |
長さ | 267mm | 267.74mm |
幅 | 112mm | 115.7mm |
スロット | 2スロット | 2スロット |
発売日 | 2021/6 | 2018/9 |
RTX 2080 Tiは、Ampere世代の前世代にあたるアーキテクチャ NVIDIA Turing™を採用したグラフィックボードです。
開発コードネームにおいても、RTX 2080がTU102であるのに対し、RTX 3070 Tiは1世代新しいGA104です。その結果、プロセスは12nmから8nmに微細化され、CUDAコアの搭載数が増えています。
ブーストクロックやベースクロックも向上しており、演算能力のスペックアップがうかがえます。
メモリ容量はRTX 2080の方が3GB多いですが、メモリ規格はRTX 3070 TiはGDDR6Xで、RTX 2080 TiのGDDR6よりスペックが上がっています。
また、レイトレーシングに特化したRTコアと、ディープラーニングに特化したTensorコアの世代がそれぞれ1世代新しくなっているのもポイントです。
より優れたレイトレーシング性能や並列処理性能を求める方は、RTX 3070 Tiがおすすめです。
上位モデルとメモリ容量の差が大きい
RTX 3070 Tiのデメリットとして、上位モデルとの容量の差が大きい点が挙げられます。
RTX 3070 Tiと、同じRTX 30シリーズのほか製品のメモリ容量を比較した結果が、以下のとおりです。
GeForce RTX 3070 Ti | GeForce RTX 3080 | GeForce RTX 3080 Ti | GeForce RTX 3090 Ti | |
メモリ容量 | 8GB | 10GB・12GB | 12GB | 24GB |
RTX 3070 Tiのメモリ容量が8GBであるのに対し、上位モデルは10GB〜24GBと差が大きいです。
特にRTX 3090 Tiのメモリ容量は、RTX 3070 Tiの3倍の24GBと、RTXシリーズのなかでも屈指の容量を誇ります。
RTX 30シリーズと一口に言っても製品の数は多く、それぞれでスペックが大きく異なるので、複数の製品を比較してみましょう。
RTX 3070 Tiのベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・レイトレーシング・消費電力の3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
3DMark
3DMarkは、3Dグラフィックスの処理性能を見極めるうえで注目すべきベンチマークスコアのひとつです。
RTX 3070 Tiのスコアは14826で、RTX 2080 Tiや、競合のAMD Radeon RX 6750 XTを上回る数値でした。
RTX 2080 Tiは、RTX 3070 Tiの前世代のグラフィックボードなので、世代の違いが性能差に表れたと考えられます。
一方で、RTX 3070 Tiよりも1世代古いTuring世代のアーキテクチャを採用したNVIDIA Titan RTXや、競合のRadeon RX 6800と比較すると、RTX 3070 Tiは下回る結果でした。
NVIDIA Titan RTXは、研究者や開発者、クリエイター向けに設計されたグラフィックボードで、高い3Dグラフィックス処理性能を備えています。
上記のように、アーキテクチャの世代が古くても、ベンチマークスコアが上回っているケースはあるので、これからグラフィックボードを選定する方は、アーキテクチャのみで判断しないようにしましょう。
レイトレーシング
レイトレーシングは、影や光を精巧に表現し、リアルな映像を作るための機能です。
RTX 3070 Tiのスコアは8869と、5つの製品のなかで2番目に低い数値でした。
3DMarkでRTX 3070 Tiを下回っていたRadeon RX 6750 XTが最も高く、RTX 3070 Tiの127%のスコアです。
また、RTX 3070 Tiが前世代のRTX 2080 Tiを下回っている点も、注目ポイントです。
シリーズによって得意な機能は異なるので、用途に合ったベンチマークを複数の製品で比較してみましょう。
選定するメーカーが決まっていない方は、上記のようにNVIDIAとAMDの両製品を比較すると良いでしょう。
消費電力
消費電力も比較してみていきます。
RTX 3070 Tiの消費電力は、5つの製品のなかで最も多い290Wです。
3DMarkやレイトレーシングでRTX 3070 Tiを上回っていたNVIDIA Titan RTXの消費電力は280Wで、RTX 3070 Tiよりも10W少ないことから、ワットパフォーマンスの高さがうかがえます。
また、ワット数別の3DMarkスコアで見てみても、RTX 3070 Tiは最も低いスコアでした。
コスパの良いグラフィックボードを導入したい方は、消費電力とあわせてワット数別のベンチマークを確認すると良いでしょう。
RTX 3070 Tiを使用している方の口コミ・評価
RTX 3070 Tiを使用している方の口コミを紹介します。
リアルな使用感やおすすめの用途に関するものを中心に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
半年使用していますが3つの冷却ファンもすべて稼働しており動作良好です。電源を入れるとPCケース通風孔の隙間からLEDの発光が見え、稼働していることを確認できます。オンボードから当ビデオカードの導入により、3D処理は飛躍的に早くなりました
※ドスパラ通販サイトより引用
VR仕様自作PCの中核をなす部品として購入。
2070Sから3070TIへの交換でしたが、コストバランスを考えても非常に高いパフォーマンスを発揮しています。
このグラボ自体もゲーミング仕様のため、使用中は元気に光っています。
※ドスパラ通販サイトより引用
1080GTXからの乗り換え
普段使いも不満なく、レイトレーシングの性能も文句ないです。
4K+レイトレ最高設定となるとゲームによっては3080が選択肢に挙がってくると思いますが、ライトな人や機器との兼ね合いでフルHDで充分、価格も少し抑えたいという人には刺さるビデオカードです。
※ドスパラ通販サイトより引用
上記の口コミから、RTX 3070 Tiは、3Dの処理性能に優れており、前世代の製品と比較してコスパの良さを感じられるグラフィックボードだとわかりました。
また、普段使いだけでなく、フルHDや4K環境でも高いパフォーマンスを発揮してくれるという口コミもみられました。
RTX 3070 Tiはどのような用途におすすめ?
RTX 3070 Tiは、2Dはもちろん、3Dや動画編集などの複雑な並列処理に対応できるだけのCUDAコアを搭載したグラフィックボードです。
前世代のGeForce RTX 20シリーズからRTコアやTensorコアが1世代進化しており、より高いレイトレーシング性能や、AIを活用したNVIDIA独自機能の「NVIDIA DLSS」や「NVIDIA Studio」を体感できます。
そのため、高品質なグラフィックを表現したいクリエイターから、オンライン授業を行う大学まで、幅広い方におすすめです。
しかし、RTX 3070Tiは2023年5月現在、流通が限られており、入手が難しいのが現状です。高性能なグラフィックボードをクリエイティブ用途で導入したい方には、NVIDIA RTX™ A4500がおすすめです。
NVIDIA RTX™ A4500は、RTX 3070 Tiと同じAmpere世代を採用しているプロフェッショナル向けグラフィックボードです。メモリ容量は20GBと大容量、RTX 3070 Tiを凌ぐCUDAコアの搭載数を誇ります。同等のGeForceシリーズと比べると消費電力も低いため、長時間稼働が求められるケースにも適しています。
NVIDIA RTX™ A4500の詳細は「RTX A4500とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、あわせてご確認ください。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。
RTX 4070 を搭載したノートパソコン
RTX 3070 Ti搭載のノートパソコンをお求めの方は、上位モデルであるRTX 4070搭載のモデルがおすすめです。RTX 4070搭載について詳しく知りたい方は、「RTX 4070とは?スペックや性能、口コミまで徹底解説」も合わせてご覧ください。
まとめ
この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「GeForce RTX 3070 Ti」のスペックや特徴、ベンチマークについて解説しました。
RTX 3070 Tiは、GeForce RTX 30シリーズのミドルクラスのグラフィックボードでありながら、前世代の最上位クラスであるGeForce RTX 2080 Tiを凌ぐ性能を持っています。
加えて、3Dのワークフローを高速化させる「NVIDIA Omniverse™」をはじめとしたさまざまなNVIDIA独自機能に対応している点も特徴のひとつです。
これからグラフィックボードを選定する方は、今回の記事を参考に、用途に合った製品を選定しましょう。