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ゲーム開発用PCに必要なスペックとは?
近年では無料で使えるゲーム開発ツールが複数登場し、少人数でゲーム開発をする「インディーゲームクリエイター」が増えてきています。PCの高性能化が進んだことで、一般のPC販売店でもゲーム開発に向いたスペックのPCが手に入りやすくなっています。
本記事では、ご購入時の助けになるゲーム開発用PCに必要なスペックについて解説していきます。
目次
目次
ゲーム開発用PCの最小スペックとは
現在、ゲーム開発ツールで有名なのは「Unity(ユニティ)」と「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」です。ゲーム開発ツールの進化やパソコンの性能向上により、多くの人がこれらのツールを活用できるようになりました。
この2つのツールについて、最低限必要とされるスペックをみていきましょう。
Unityでゲーム開発する際の最小PCスペック
Unity 2021 LTSのマニュアルによると、Unityでゲーム開発する際の最小PCスペックは、以下の通りです。
最小PCスペック | Windows | macOS | Linux |
OSバージョン | Windows 7(SP1+)、Windows 10、Windows 11、64ビット版のみ | High Sierra 10.13+(Intel editor) Big Sur 11.0(Apple silicon Editor) |
Ubuntu 20.04、Ubuntu 18.04、CentOS 7 |
CPU | SSE2命令セットをサポートする X64 アーキテクチャ | X64 architecture with SSE2 instruction set support(Intel processors) Apple M1 or above (Apple silicon-based processors) |
SSE2命令セットをサポートするX64アーキテクチャ |
グラフィックス API | DX10、DX11、DX12対応のGPU ※DX=DirectX |
Metal 対応の Intel と AMD GPU | OpenGL 3.2以降かVulkan対応のNVIDIAとAMD GPU |
追加スペック | ハードウェアベンダーが公式にサポートしているドライバー | Apple officially supported drivers(Intel processor) Rosetta 2 is required for Apple silicon devices running on either Apple silicon or Intel versions of the Unity Editor. |
X11ウィンドウシステム、NVIDIA公式プロプライエタリなグラフィックスドライバー、AMD Mesa グラフィックスドライバー上で動作するGnome デスクトップ環境。サポートされている配布で提供されているその他の設定とユーザー環境(カーネル、コンポジターなど) |
表記の内容から、よほどのことがない限りは最小PCスペックが満たせるといえるでしょう。
Unreal Engineでゲーム開発する際の最小PCスペック
Unreal Engine 5 Documentation によると、Unreal Engineでは「最小PCスペック」ではなく、「推奨スペック」として以下のPCスペックが示されています。
推奨スペック | Windows | macOS | Linux |
OSバージョン | Windows 10 64-bit version 1909 revision .1350 以上、または 2004 / 20H2 revision .789 以上 | 最新の macOS Monterey |
Ubuntu 22.04 |
CPU | Quad-core Intel または AMD、2.5 GHz 以上 | Quad-core Intel、2.5 GHz 以上 | Quad-core Intel または AMD、2.5 GHz 以上 |
メモリ | 8 GB RAM | 8 GB RAM | 32 GB RAM |
グラフィックカード | DirectX 11 または DirectX 12 対応のグラフィック カード | Metal 1.2 対応のグラフィックカード | NVIDIA GeForce 960 GTX 以上 (最新の NVIDIA バイナリ ドライバー) |
Video RAM | - | - | 8 GB 以上 |
RHI バージョン | DirectX 11: 最新ドライバー DirectX 12: 最新ドライバー Vulkan: AMD (21.11.3+) と NVIDIA (496.76+) |
- | Vulkan: AMD (21.11.3+) と NVIDIA (515.48+) |
Unityよりは多少スペックがあるものの、こちらも問題なく満たせるといえるでしょう。
Unreal Engine 5推奨スペック
またUnreal Engine 5 でゲームを開発するための合理的なガイドラインとして、下記スペックが推奨されています。
- Windows 10 64-bit
- 64 GB RAM
- 256 GB SSD (OS Drive)
- 2 TB SSD (Data Drive)
- NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPER
- Xoreax Incredibuild (Dev Tools Package)
- Six-Core Xeon E5-2643 @ 3.4GHz
ゲーム開発用PCのスペックの選び方
続いて、ゲーム開発用PCのスペックを確認する際のポイントについてみていきましょう。
設置スペースがあればデスクトップ
ノートパソコンは小型化や軽量化が重視されているため、同価格帯であればデスクトップパソコンの方が性能は高いです。PCを外に持ち出す予定がなく、設置スペースが確保できる場合は、デスクトップを選択するのがおすすめです。
アプリによるが、価格ならWindows OS
OSによって、使用できるプログラミング言語や開発に使えるソフトウェア、アプリケーションが変わるので、使いたい環境に合わせて選択しましょう。
例えばiOS向けアプリケーションを開発したい場合は、macOSにしか対応していないXcodeという開発ツールを用い、アプリケーションのビルドもmacOSで実施する必要があるため、macOSを選択します。 一方でAndroid向けアプリケーションは、WindowsでもmacOSでも対応可能です。Windowsの方がmacOSと比較して安価なため、Android向けアプリケーションを開発するならWindowsを選択するとよいでしょう。
CPUはCore i5から
CPUはスペックによって処理能力が大きく変わるため、可能な限り高いものを選ぶと作業効率がよくなります。特にCPUのコア数によってプログラムのコンパイルやビルドなどの時間が大きく変わります。
最低でもIntel Core i5、またはAMD Ryzen 5クラス以上のスペックをもったCPUが必要です。
※CPUとは何?という方は、「CPUとは?パソコン選びにおけるCPUについて分かりやすく解説!」をご参照ください。
GPUは最低でもミドルレンジ程度
GPUは、動画処理に与える影響が大きいため、3Dゲーム開発を行いたい場合には特に重要です。
3Dを多数盛り込んだ最新仕様のゲームを開発する場合は、動画処理が遅いと作業効率に影響します。最低でも数万円程度のミドルレンジGPUを搭載するのがおすすめですが、どの程度の開発かにもよります。のちほどレベル別でおすすめの構成をご紹介します。
※GPUとは何?という方は、「GPUとは?CPUとの違いや役割・種類についてもわかりやすく解説!」をご参照ください。
メモリは16GBから32GB
メモリ容量が大きければ複数のゲーム開発アプリケーションを立ち上げたり、Webブラウザで情報を調べながら開発を進めたりすると作業効率がよくなります。最低でも16GB、余裕を求めるなら32GB程度を搭載できると安心でしょう。
※パソコンのメモリについて詳しく知りたい方は、「パソコンのメモリとは?購入前に把握しておくべきメモリの基本」をご参照ください。
ストレージは1TB SSDが心強い
効率的にゲームを開発するのであれば、SSDがおすすめです。最低でも512GB、可能であれば1TBのSSDがあると心強いでしょう。HDDは、後から外付けのドライブを追加できるため、最初から大容量を確保する必要はありません。
※ストレージについて詳しく知りたい方は、「ストレージとは?種類や特徴について解説!」をご参照ください。
おすすめゲーム開発PCスペックの例
ここからは、おすすめゲーム開発PCスペックの例をみていきましょう。今回は、パソコンの持ち運びよりも作業の快適さを重視して、デスクトップPCのみをみていきます。
ゲーム開発においては、2Dのゲームと3Dのゲームで必要なリソースに大きく異なります。特に同時に動かしたいオブジェクトの数が多いほど必要なリソースも多くなります。
2D小規模ゲームを開発したい方向け
2D小規模ゲームの開発であれば、CPUはCore i5程度で問題ありません。GPUにRTX 4060を選択すると、多少開発規模が大きくなった場合でも対応可能です。
項目 | 内容 |
CPU | インテル Core i5-14400 (2.5GHz-4.7GHz/10コア/16スレッド) |
グラフィック機能 | NVIDIA GeForce RTX 4060 8GB GDDR6 |
メモリ | 16GB |
SSD | 500GB NVMe SSD |
以下は現在販売中のおすすめモデルです。※メモリ容量は、購入前にカスタマイズが増設が可能です
raytrek ILCA-PC4060
raytrek 4CD46は、第14世代のIntel® Core™ i7-14700Fが搭載されたデスクトップパソコンです。
ユーザーの用途に合わせて機能拡張を想定した設計がされており、クリエイターごとに異なる必要な機能を追加できます。
2D大規模ゲームまたは3D小規模ゲームを開発したい方向け
2D大規模ゲームもしくは3D小規模ゲームの開発であれば、CPUはCore i7程度のものがおすすめです。GeForce RTX4070程度であれば、GPUに負荷のかかる開発作業でも余裕を持った処理が可能です。
項目 | 内容 |
CPU | インテル Core i7-14700 (2.1GHz-5.3GHz/20コア/28スレッド) |
グラフィック機能 | NVIDIA GeForce RTX 4070 12GB GDDR6X |
メモリ | 32GB |
SSD | 1TB NVMe SSD |
以下は現在販売中のおすすめモデルです。※メモリ容量は、購入前にカスタマイズが増設が可能です
raytrek 4CX47
raytrek 4CX47Sは、上記のraytrek 4CX47とほぼ同じスペックですがグラフィックスには、より性能の高い、RTX 4070 SUPERが搭載されています。
3D大規模ゲームを開発したい方向け
3D大規模ゲーム開発の場合、GPUにより高性能なGeForce RTX4090を採用することで、より負荷の高い処理にも対応できるようになります。
項目 | 内容 |
CPU | インテル Core i9-14900 (2.0GHz-5.4GHz/24コア/32スレッド) |
グラフィック機能 | NVIDIA GeForce RTX 4090 24GB GDDR6X |
メモリ | 32GB |
SSD | 1TB NVMe SSD |
raytrek 4CZ49
raytrek 4CZ49は、Intel® Core™ i9-14900KFが搭載されたハイエンドデスクトップパソコンです。
グラフィックスにもハイエンドのRTX 4090が搭載されており、業務での過酷な使用に耐えることができます。
raytrek 4CZ49+
raytrek 4CZ49+は、上記のraytrek 4CZ49とほぼ同じスペックですが、クリエイター向けとして開発されたマザーボード「ASUS ProArt Z790-CREATOR WIFI」を採用しています。
Thunderbolt™ 4や10G+2.5G イーサネットが作業をより快適にします。
まとめ
UnityやUnreal Engineの必要最低限のスペックは、よほど古いPCでなければ満たせるでしょう。しかしながら最小PCスペックを満たしただけでは動作が重く効率的なゲーム開発はできないので、OSやCPU、メモリ、ストレージ、GPUなど、それぞれに推奨されるスペックを満たす必要があります。 今回の記事を参考にしてPCのスペックを選び、快適なゲーム開発をしていきましょう。
ご不明点がございましたら、ドスパラプラスへお気軽にご相談ください。