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Intel Arc A380とは?スペックや性能、口コミまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel」が発売しているグラフィックボード「Intel Arc A380」のスペックや特徴について解説します。
NVIDIA製のグラフィックボードとの違いや性能差もあわせてお伝えするので、グラフィックボードを購入しようか悩んでいる方は、おすすめ製品を掲載していますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Intel Arc A380の基本スペック
Intel Arc A380 | |
アーキテクチャ | Alchemist |
GPU | ACM-G11 |
プロセス | 6 nm |
トランジスタ数 | 72億 |
ダイサイズ | 157mm² |
Xeコア(CUDAコア) | 8基 |
Matrixコア(Tensorコア) | 128基 |
RTユニット(RTコア) | 8基 |
ベースクロック | 2000MHz |
ブーストクロック | - |
メモリ規格 | GDDR6 |
メモリ容量 | 6GB |
メモリバス | 96bit |
バンド幅 | 186GB/s |
消費電力 | 75W |
発売日 | 2022/6 |
Intel Arc 380は、アメリカの半導体メーカー「Intel」が発売しているグラフィックボードです。 Intel Arc A380のメモリ容量は6GBの1種類で、Intel Arc Aシリーズのデスクトップ版モデルのエントリークラスとして、2022年6月に発売されました。
発売当初は、NVIDIAやAMDといった2巨頭以外のメーカーからリリースされたグラフィックボードということもあり、大きな注目を集めました。
Intel Arc A380は、Inter Arc Aシリーズのノートパソコン向けのモデルよりも性能が高く、デスクトップ版のなかでは比較的安価であることから、グラフィックボードを初めて導入する企業やクリエイターからの採用がみられます。また、Intel Arc Aシリーズのデスクトップ版モデルには、Intel Arc A380のほかにも、ミドルクラスのIntel Arc A580や、ハイエンドクラスのIntel Arc A750があります。
Intel Arc A750の詳細は「Intel Arc A750とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」でさらに詳しく紹介しているので、合わせてご覧ください。
※Intel Arc全般に関しては「Intel Arcとは?特徴やシリーズの種類、口コミまで解説」で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
Intel Arc A380のスペック比較
Inter Arc A380のスペックを、競合メーカーのNVIDIA製のグラフィックボードと比較していきます。
Intel Arc A380は、Intel Arc Aシリーズのデスクトップ版モデルのエントリークラスにあたるグラフィックボードです。そこで、同じくシリーズのエントリークラスで、近い性能を持つNVIDIA GeForce GTX 1650と、その上位モデルにあたるNVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERの2製品を選定し、比較していきます。
Intel Arc A380 | NVIDIA GeForce GTX 1650 |
NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPER |
|
アーキテクチャ | Alchemist | NVIDIA Turing™ | NVIDIA Turing™ |
GPU | ACM-G11 | TU117 | TU116 |
プロセス | 6 nm | 12 nm | 12 nm |
トランジスタ数 | 72億 | 47億 | 66億 |
ダイサイズ | 157mm² | 200mm² | 284mm² |
Xeコア(CUDAコア) | 8基 | 896基 | 1280基 |
Matrixコア(Tensorコア) | 128基 | - | - |
RTユニット(RTコア) | 8基 | - | - |
ベースクロック | 2000MHz | GDDR5:1485MHz GDDR6:1410MHz |
1530MHz |
ブーストクロック | - | GDDR5:1665MHz GDDR6:1590MHz |
1725MHz |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR5 / GDDR6 | GDDR6 |
メモリ容量 | 6GB | 4GB | 4GB |
メモリバス | 96bit | 128bit | 128bit |
バンド幅 | 186GB/s | GDDR5:128.1GB/s GDDR6:192GB/s |
192GB/s |
消費電力 | 75W | 30W~50W | 100W |
発売日 | 2022/6 | 2019/4 | 2019/11 |
GTX 1650との比較
まずは、Intel Arc A380とNVIDIA GeForce GTX 1650を比較していきます。それぞれ別メーカーのグラフィックボードなので、アーキテクチャやGPUは異なります。
Intel Arc A380のアーキテクチャはAlchemistで、GPUにはACM-G11を採用しているのに対し、NVIDIA GeForce GTX 1650のアーキテクチャはTuring世代で、GPUはTU117を搭載しています。 プロセスはNVIDIA GeForce GTX 1650が12nmであるのに対し、Intel Arc A380は6nmと半分に抑えられています。このことから、トランジスタ数やダイサイズはIntel Arc A380の方が優れた数値です。
Intel Arc A380のメモリ容量は6GBと、NVIDIA GeForce GTX 1650の4GBよりも2GB多く、バンド幅もIntel Arc A380が上回っており、メモリ性能でも差がみられます。
GTX 1650の詳細は「GTX 1650とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
GTX 1650の詳細は「GTX 1650とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
GTX 1650 SUPERとの比較
次に、NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERと比較します。
NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERは、NVIDIA GeForce GTX 1650よりもスペックが高いTU116を採用しているため、トランジスタ数は向上していますが、Intel Arc A380の方が優れた数値です。
Intel Arc A380のベースクロックは2000MHzで、NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERの1530MHzを大きく上回っており、演算能力の性能差もみられます。
また、消費電力においても、Intel Arc A380は75Wと最も少なく、省電力性に優れたグラフィックボードといえるでしょう。
注意点として、NVIDIA GeForce GTX 1650やNVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERは、Turing世代の古いグラフィックボードなので、流通量は限られています。Intel Arc A380であれば、Intelの最新のグラフィックボードでNVIDIA製の両製品よりも手に入りやすいのでおすすめです。
Intel Arc A380の特徴
Intel Arc A380のAPIは、ゲーミング用途で採用されるケースが多いDirectX 12 ULtimateです。デスクトップ版のグラフィックボードであることからも、配信やチャットを行いながらゲームしたい方におすすめですが、クリエイティブシーンに役立つ機能も満載です。
特に、CPUとGPUを連動させる「Deep Link」機能には、エクスポート速度を向上させる「ハイパー・エンコード」や、必要な場所に電力を供給しパフォーマンスを高める「ダイナミック・パワー・シェア」を活用することで、快適なクリエイティブ環境を実現できます。
詳しいIntel Arc A380の特徴は、「Intel Arc Aシリーズとは?」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
Intel Arc AシリーズとNVIDIA GeForceシリーズの特徴比較
NVIDIAは、Intelと同様にアメリカに本社を構える半導体メーカーです。AMDと並ぶグラフィックボード製造メーカーでもあり、GeForceシリーズは主力製品のひとつです。APIは、ゲームで採用されることの多いDirectXに対応しているため、3DCADの制作などのクリエイティブシーンよりも、ゲーミングの用途が向いています。
Intel Arc AシリーズのAPIは、NVIDIA GeForceシリーズと同じDirectXです。そのため、NVIDIA GeForceシリーズと同様に、ゲーミングでの使用がおすすめです。
加えて、クリエイティブタスクの効率化やパフォーマンス向上を実現する、Intel独自の「Deep Link」や「XMX」を搭載しているため、クリエイティブシーンでも高い性能を発揮してくれます。
APIは同じDirectXであることから、両シリーズともゲーミング向けのグラフィックボードとして開発されたことがわかりますが、クリエイティブシーンでの利用を検討している方は、それぞれの製品の特徴や独自機能、ベンチマークを確認して選定しましょう。
Intel Arc A380のベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、3DMark・Passmark G2D Mark・Time Spyの3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
3DMark
3Dグラフィックスの処理性能を表す3DMarkのベンチマークスコアを紹介します。
Inter Arc A380の数値は4384と、NVIDIA GeForce GTX 1650の3600よりも21%高いスコアでした。
一方で、NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERと比較すると、Inter Arc A380はおよそ7%下回っている数値です。
NVIDIA GeForce GTX 1650とNVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERの性能差は、モデルの立ち位置がそのまま表れた結果となりました。
普段の業務で3Dグラフィックを扱う機会の多いクリエイターは、上記のように複数製品の3DMarkを比較して、求める性能を満たすグラフィックボードを選定しましょう。
2Dグラフィックスの処理性能を表すPassmarkのG2D Markもみていきましょう。グラフィックデザインや写真編集などのクリエイティブシーンでグラフィックボードを導入したい方は、注目すべきベンチマークです。
Inter Arc A380の数値は499と、NVIDIA GeForce GTX 1650よりも15%、NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERよりも25%劣るスコアでした。
製品によって得意分野は異なるので、2Dグラフィックスを扱う機会の多い方は、上記以外に他の製品とベンチマークを比較して性能を見極めてから製品を導入しましょう。
Time Spy
Time Spyは、グラフィックと処理性能のパフォーマンスをスコア化した、DirectX12のベンチマークです。
Intel Arc A380の数値は4682で、NVIDIA GeForce GTX 1650の3717より25%も高いスコアです。
また、NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERと比較すると、NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPERがわずかに上回っていますが、大きな性能差はみられませんでした。
DirectX12の性能を重視したい方や、DirectX12を活用した機能を使いこなしたい方は、Time Spyのベンチマークを参考にしましょう。
Intel Arc A380を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Intel Arc A380はどのような用途におすすめ?
Intel Arc A380は、画像・動画編集などのクリエイティブシーンにおすすめです。
Intel Arc A380は、高品質なビデオストリーミングを可能にする「AV1」に対応しています。AV1は、低ビットレートでも最大8Kの解像度の提供が可能で、エントリークラスのIntel Arc A380でも、快適な作業環境と高品質なクリエイティブを実現してくれます。
さらに、Intel Arc Aシリーズに内蔵されている、XMXエンジンを活用すれば、写真・動画の高速なアップスケールが可能です。
また、エントリークラスとしては比較的容量が大きいGDDR6の6GBのメモリを搭載しているため、容量や負荷の大きい動画でも扱えるでしょう。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。
CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。
まとめ
この記事では、Intel社が発売しているグラフィックボード「Intel Arc A380」のスペックや特徴、ベンチマークまで解説しました。
Intel Arc A380は、Inter Arc Aシリーズのデスクトップ版のエントリークラスにあたるグラフィックボードです。
ノートパソコン向けよりも高い性能を持ちながら、エントリークラスのグラフィックボードなので、他のデスクトップ版と比べて導入しやすい価格帯であることが特徴です。
今回の記事ではNVIDIA製のグラフィックボードとの性能差も紹介したので、どのメーカーのグラフィックボードを選んだらいいか分からない方は、紹介した内容を参考に、最適なグラフィックボードを選定しましょう。