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Intel Arc A750とは?スペックや性能、口コミまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel」が発売しているグラフィックボード「Intel Arc A750」のスペックや特徴について解説します。
NVIDIA製のグラフィックボードとの特徴の違いや性能差、または、Intel Arc A750を搭載したおすすめのパソコンもあわせてお伝えします。
どのメーカーのグラフィックボードを導入すべきか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Intel Arc A750の基本スペック
Intel Arc A750 | |
アーキテクチャ | Alchemist |
GPU | ACM-G10 |
プロセス | 6 nm |
トランジスタ数 | 217億 |
ダイサイズ | 406mm² |
Xeコア(CUDAコア) | 28基 |
Matrixコア(Tensorコア) | 448基 |
RTユニット(RTコア) | 28基 |
ベースクロック | 2050MHz |
ブーストクロック | 2400MHz |
メモリ規格 | GDDR6 |
メモリ容量 | 8GB |
メモリバス | 256bit |
バンド幅 | 512GB/s |
消費電力 | 225W |
発売日 | 2022/10 |
Intel Arc A750は、アメリカの半導体メーカー「Intel」が発売しているグラフィックボードです。Intel Arc A750のメモリ容量は8GBの1種類で、Intel Arc Aシリーズのデスクトップ版モデルのハイエンドクラスとして、2022年10月に発売されました。
Intel Arc Aシリーズのデスクトップ版モデルには、Intel Arc A750のほかにも、エントリークラスのIntel Arc A380や、Intel Arc A750の上位モデルにあたるIntel Arc A770があります。
また、ノートパソコン向けのモデルとして、Intel Arc A550MやIntel Arc A730Mがあります。
ノートパソコン向けモデルの型番には数字のあとに「M」が入っているので、型番で見分けましょう。
Intel Arc A550Mの詳細は「Intel Arc A550Mとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で、Intel Arc A730の詳細は「Intel Arc A730Mとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」でさらに詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。
※Intel Arc全般に関しては「Intel Arcとは?特徴やシリーズの種類、口コミまで解説」で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
Intel Arc A750のスペック比較
競合メーカーのNVIDIA製のグラフィックボードと、Inter Arc A750のスペックを比較していきます。
Intel Arc A750は、Intel Arc Aシリーズのハイエンドクラスにあたるグラフィックボードなので、同じくシリーズのハイエンドクラスにあたるNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERと、RTX 2080 SUPERの次世代モデルにあたるNVIDIA GeForce RTX 3060 Tiの2製品を選定し、比較していきます。
Intel Arc A750 | NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPER | NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti | |
アーキテクチャ | Alchemist | NVIDIA Turing™ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ |
GPU | ACM-G10 | TU104 | GA104 |
プロセス | 6 nm | 12 nm | 8 nm |
トランジスタ数 | 217億 | 136億 | 174億 |
ダイサイズ | 406mm² | 545mm² | 392mm² |
Xeコア(CUDAコア) | 28基 | 3072基 | 4864基 |
Matrixコア(Tensorコア) | 448基 | 384基 | 152基 |
RTユニット(RTコア) | 28基 | 48基 | 38基 |
ベースクロック | 2050MHz | 1650MHz | 1410MHz |
ブーストクロック | 2400MHz | 1820MHz | 1665MHz |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 / GDDR6X |
メモリ容量 | 8GB | 8GB | 8GB |
メモリバス | 256bit | 256bit | 256bit |
バンド幅 | 512GB/s | 495GB/s | GDDR6:448GB/s GDDR6X:608GB/s |
消費電力 | 225W | 225W | GDDR6:200W GDDR6X:225W |
発売日 | 2022/10 | 2019/7 | 2020/12 |
はじめに注意点として、Inter Arc Aシリーズの製品には、ディープラーニングに特化したMatrixコアとレイトレーシングに特化したRTユニットが搭載されています。MatrixコアとRTユニットは、NVIDIA製グラフィックボードに搭載されているTensorコアとRTコアにあたる演算回路です。それぞれ別メーカーが製作した演算回路なので、搭載されている個数だけでなく、ベンチマークを参考に性能を比較するようにしましょう。
RTX 2080 SUPERとの比較
まずは、Intel Arc A750とNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERを比較していきます。
NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERのプロセスが12nmであるのに対し、Inter Arc A750のプロセスは6nmと半分に抑えられています。そのため、トランジスタ数はIntel Arc A750が大きく上回っており、ダイサイズも優れた数値です。ベースクロックやブーストクロックもIntel Arc A750が上回っていることから、演算能力の性能差がみられます。
メモリ性能においては、両製品でほとんど差はみられませんが、消費電力はIntel Arc A750の方が25W少ない225Wであることからも、コスパの良さがうかがえます。
RTX 3060 Tiとの比較
次に、NVIDIA GeForce RTX 3060 Tiと比較してみていきましょう。
NVIDIA GeForce RTX 3060 Tiのプロセスは8nmで、こちらもIntel Arc A750の方が優れている数値です。その結果、トランジスタ数はIntel Arc A750が上回っていますが、ダイサイズは、NVIDIA GeForce RTX 3060 Tiの方が優れた数値でした。
一方で、ベースクロックやブーストクロックは、Intel Arc A750が大きく上回っています。メモリ性能は大きな性能差はみられませんでした。
RTX 3060 Tiの詳細は「RTX 3060 Tiとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」の記事でさらに詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。
Intel Arc A750の特徴
Intel Arc A750は、ゲーミング用途で採用されるケースが多い、最新のAPIであるDirectX 12 ULtimateをサポートしています。
DirectX 12 ULtimateは、レイトレーシングやメッシュ・シューティングなど、最新のグラフィックテクノロジーのサポートによって、ゲーミングはもちろん、クリエイティブシーンにおいても高いパフォーマンスを発揮してくれます。NVIDIA GeForceシリーズも先行してサポートしているため、Intel Arc Aシリーズが追随した形となりました。
また、搭載されているXeメディアエンジンは、専用のAIアクセラレーションやコーディックサポートを備えており、最大8Kの解像度やXMX機能を活用した写真・動画の高速なアップスケールを実現します。
クリエイティブ品質を向上させるための機能が満載なので、より高品質な作品を作りたいクリエイターにもおすすめです。
詳しいIntel Arc A750の特徴は、「Intel Arc Aシリーズとは?」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
Intel Arc AシリーズとNVIDIA GeForceシリーズの特徴比較
NVIDIAは、Intelと同様にアメリカに本社を構える半導体メーカーです。AMDと並ぶグラフィックボード製造メーカーでもあり、GeForceシリーズは主力製品のひとつです。
APIは、ゲームで採用されることの多いDirectXに対応しているため、3DCADの制作などのクリエイティブシーンよりも、ゲーミングの用途が向いています。
Intel Arc AシリーズのAPIは、NVIDIA GeForceシリーズと同じDirectXです。そのため、NVIDIA GeForceシリーズと同様に、ゲーミングでの使用がおすすめです。
加えて、クリエイティブタスクの効率化やパフォーマンス向上を実現する、Intel独自の「Deep Link」や「XMX」を搭載しているため、クリエイティブシーンでも高い性能を発揮してくれます。
APIは同じDirectXであることから、両シリーズともゲーミング向けのグラフィックボードとして開発されたことがわかりますが、クリエイティブシーンでの利用を検討している方は、それぞれの製品の特徴や独自機能、ベンチマークを確認して選定しましょう。
Intel Arc A750のベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、レイトレーシング・Wild Life・消費電力の3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
3DMark
3DMarkは、3Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークスコアです。
Intel Arc A750の数値は、12590でした。NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERと比較すると、およそ8%上回った数値で、大きな性能差がみられます。
NVIDIA GeForce RTX 3060 Tiの数値は12242と、NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERほどの性能差はみられませんでしたが、Intel Arc A750の方が優れたスコアでした。
NVIDIA GeForce RTX 3060 Tiは、NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERよりも上位の世代にあたるグラフィックボードであるため、その分性能が上回った形でしょう。
以上のように、3DCADや3Dアニメーションの製作といった作業を行う方は、複数の製品の3DMarkのベンチマークを比較して、グラフィックボードを選定しましょう。
Passmark G2D Mark
PassmarkのG2D Markは、2Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークスコアです。
Intel Arc A750は、3DMarkでは最も高い数値でしたが、G2D Markでは最も低い数値でした。
NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERと比較すると、およそ37%下回った数値でした。
NVIDIA GeForce RTX 3060 Tiとの性能差はさらに大きく、Intel Arc A750はNVIDIA GeForce RTX 3060 Tiよりも41%劣る数値です。
このように、グラフィックボードによって得意分野は異なります。用途に合ったベンチマークを参考に、製品を選定しましょう。
レイトレーシング
レイトレーシングは、光や影を表現・追跡する機能のことです。リアルな映像を楽しみたい方や、実現したいクリエイターは注目すべきベンチマークです。
Intel Arc A750の数値は6627と、PassmarkのG2D markと同様に、3製品のなかで最も低い数値でした。とはいえ、G2D markほど数値は離れていないので、大きな性能差はないといえるでしょう。
特徴的な点として、NVIDIA GeForce RTX 2080が上位世代のNVIDIA GeForce RTX 3060 Tiよりも高い数値でした。
NVIDIA GeForce RTX 2080はRTX 20シリーズのハイエンドクラスであるため、RTX 30シリーズのエントリークラスにあたるNVIDIA GeForce RTX 3060 Tiよりも高い数値になったと考えられます。
メーカーや世代、クラスによって性能は大きく異なるため、これからグラフィックボードを選定する方は、複数の製品を比較して、最適なグラフィックボードを選定しましょう。
ntel Arc A750を使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Intel Arc A750はどのような用途におすすめ?
Intel Arc A750は、写真・動画編集などのクリエイティブシーンにおすすめです。
APIはゲーミング用途で力を発揮するDirectXに対応していますが、クリエイティブの品質向上につながる機能が満載です。
代表的な機能には、IntelのCPUとGPUの間で電力を分配しタスクのパフォーマンスと生産性を向上させる「ダイナミック・パワー・シェア」機能や、複数のメディアエンジンを連動させることでプロジェクトのエクスポート時間を短縮させる「ハイパーエンコード」があります。
さらに、最大8Kの解像度を実現してくれるAV1のエンコードにも対応しており、高画質な作業環境を提供してくれます。
Intel Arc A750はデスクトップ版のグラフィックボードなので、デスクトップPCの利用や買い替えを検討している方や、デスクトップPCが指定の企業などにおすすめです。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。
CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。
まとめ
この記事では、Intel社が発売しているグラフィックボード「Intel Arc A750」のスペックやベンチマーク、NVIDIA GeForceとの違いまで解説しました。
Intel Arc A750は、Inter Arc Aシリーズのハイエンドクラスにあたるグラフィックボードです。
デスクトップ版のグラフィックボードでもあることから、ノートパソコン版よりも高いグラフィック処理性能を求めているクリエイターや、普段からデスクトップPCを使っている方におすすめです。
本来の性能をより高めてくれる機能も満載なので、ビジネスシーンやクリエイティブシーンでの生産性・品質向上を期待できます。
どのグラフィックボードを導入すべきか迷っている方は、今回の記事のNVIDIA製グラフィックボードとのスペック比較やベンチマークを参考に、用途に合ったグラフィックボードを選定しましょう。