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RTX 4000 SFF Adaとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「NVIDIA RTX™ 4000 SFF Ada」のスペックや特徴について解説します。
RTX 4000 SFF Adaのベンチマークなどを紹介しますので、グラフィックボードの選定に悩んでいる方や、ほかの製品と性能を比較したうえで導入したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
RTX 4000 SFF Adaの基本スペック
GPU名称 | NVIDIA RTX™ 4000 SFF Ada |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ |
開発コードネーム | AD104 |
プロセス | 5 nm |
トランジスタ数 | 358億 |
NVIDIA CUDAコア | 6144基 |
レイトレーシング コア | 第3世代 |
Tensorコア | 第4世代 |
ベースクロック(MHz) |
720 MHz |
ブーストクロック(MHz) | 1560 MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 20GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 160bit |
グラフィックスカード電力(W) | 70W |
最小システム電力(W) | - |
最大GPU 温度(°C) | - |
対応API | DirectX 12 Shader Model 6.6 OpenGL 4.6 Vulkan 1.3 |
長さ | - |
幅 | - |
スロット | - |
発売日 | 2023/4 |
RTX™ 4000 SFF Adaは、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売している、NVIDIA RTX™シリーズのグラフィックボードです。
RTXシリーズの中ではミドルクラスにあたり、優れたグラフィックス処理性能・レンダリング性能と、大容量の20GBメモリが特徴です。
また、RTXシリーズには、RTX 4000 SFF Adaの上位モデルにあたるNVIDIA RTX™ A5000やNVIDIA RTX™ A6000などの製品があり、それぞれの製品でグラフィックス処理性能やメモリ性能は異なるので、どのグラフィックボードを導入すべきか悩んでいる方は、複数の製品を比較してみてください。
RTX 4000 SFF Adaのスペック比較
GPU名称 | NVIDIA RTX™ 4000 SFF Ada | NVIDIA RTX™ A4000 | NVIDIA RTX™ A4500 |
NVIDIAアーキテクチャ名 | NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ | NVIDIA Ampereアーキテクチャ | NVIDIA Ampereアーキテクチャ |
開発コードネーム | AD104 | GA104 | GA102 |
プロセス | 5 nm | 8 nm | 8 nm |
トランジスタ数 | 358億 | 174億 | 283億 |
NVIDIA CUDAコア | 6144基 | 6144基 | 7168基 |
レイトレーシング コア | 第3世代 | 第3世代 | 第3世代 |
Tensorコア | 第4世代 | 第4世代 | 第4世代 |
ベースクロック(MHz) |
720 MHz |
735 MHz |
1050 MHz |
ブーストクロック(MHz) | 1560 MHz | 1560 MHz | 1650 MHz |
ビデオメモリ容量・規格 | 20GB GDDR6 | 16GB GDDR6 | 20GB GDDR6 |
メモリインターフェイス幅 | 160bit | 256bit | 320bit |
グラフィックスカード電力(W) | 70W | 140W | 200W |
最小システム電力(W) | - | - | - |
最大GPU 温度(°C) | - | - | - |
対応API | DirectX 12 Shader Model 6.6 OpenGL 4.6 Vulkan 1.3 |
DirectX 12 Shader Model 6.6 OpenGL 4.6 Vulkan 1.3 |
DirectX 12 Shader Model 6.6 OpenGL 4.6 Vulkan 1.3 |
長さ | - | - | - |
幅 | - | - | - |
スロット | - | - | - |
発売日 | 2023/4 | 2021/4 | 2022/2 |
RTX 4000 SFF Adaのスペックを、従来モデルのNVIDIA RTX™ A4000と、同じRTXシリーズのNVIDIA RTX™ A4500とで比較してみていきます。
RTX A4000では、NVIDIA Ampere アーキテクチャが採用されていましたが、後継モデルにあたるRTX 4000 SFF AdaではNVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャに進化しています。
CUDAコアやベースクロック・ブーストクロックの数値は同等ですが、プロセスは8nmから5nmまで微細化され、RTX 4000 SFF Adaのトランジスタ数はRTX A4000の205%に、メモリ容量は16GBから20GBに向上しています。
大きなスペックアップがみられるにもかかわらず、消費電力が140Wから70Wに抑えられている点も大きな特徴といえるでしょう。
一方で、RTX A4500と比較すると、RTX A4500のCUDAコアはRTX 4000 SFF Adaの116%の数値で、ベースクロックやブーストクロックも上回っています。
メモリ容量はRTX 4000 SFF Adaと同じ20GBですが、消費電力は130W多い200Wです。
より高い並列処理性能と高速な処理性能を求める方は、RTX A4500がおすすめですが、省電力性に優れたグラフィックボードを使用したい方は、RTX 4000 SFF Adaをおすすめします。
RTX 4000 SFF Adaの特徴
RTX 4000 SFF Adaの特徴を3つ解説します。
ぜひグラフィックボードを選定する際の判断材料としてください。
NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャを採用
RTX 4000 SFF Adaは、NVIDIA Ada Lovelanceのアーキテクチャを採用しています。
Ada Lovelanceは、前世代のNVIDIA Ampere アーキテクチャから単精度浮動小数点 (FP32)を2倍に高速化したことで、CADやCAEなどのグラフィックスやシミュレーションのワークフローの性能が大幅に向上しています。
加えて、レイトレーシングに特化したレイトレーシングコア(RTコア)や、ディープラーニングに特化したTensorコアが前世代からそれぞれ進化しています。動画コンテンツのレンダリングや製品デザインの仮想プロトタイピング、AIコンピューティングなどにおいて、高速化やビジュアル精度の向上が期待できます。
20GBの大容量メモリを搭載
RTX 4000 SFF Adaは、ミドルクラスでありながら、20GBの大容量メモリを搭載したグラフィックボードです。
同じAda Lovelance世代のアーキテクチャを採用したGeForce RTX™ 40シリーズのミドルクラスにあたるGeForce RTX™ 4070 Tiや、ハイエンドクラスのGeForce RTX™ 4080を上回るメモリ容量で、Webサイトの閲覧やMicrosoft Word、PowerPointを使った書類の作成はもちろん、大規模なデータを扱うデータサイエンティストやエンジニア、クリエイターでも快適に使用できます。
RTXシリーズの中では性能が低め
RTX 4000 SFF Adaは高いグラフィックス処理性能と優れた省電力性が特徴のグラフィックボードですが、RTXシリーズの中では性能が低めです。
RTX シリーズのハイエンドモデルにあたるRTX A6000のCUDAコア数は、RTX 4000 SFF Adaの175%の数値で、メモリ容量も倍増以上の48GBです。
ベースクロック・ブーストクロックも大きな性能差がみられるため、より高い性能を求める方は、RTX A6000をはじめとしたRTXシリーズの上位モデルがおすすめです。
RTX 4000 SFF Adaのベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、PassMark G3D Mark・PassMark G2D Mark・消費電力の3つの観点から紹介します。
PassMark G3D Mark
PassMark G3D Markは、3Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークです。
RTX 4000 SFF Adaのスコアは21300と、同じRTXシリーズのNVIDIA RTX™ 5000 Ada Generation Laptop GPUや、競合のRadeon RX 6750 XTを上回る数値でした。
RTX 5000 Ada Generation Laptop GPUは、RTX 4000 SFF Adaの上位モデルにあたりますが、ノートブック版のGPUである分、デスクトップ版のRTX 4000 SFF Adaが上回ったと考えられます。
一方で、RTXシリーズの上位モデルにあたるRTX A4500や、GeForce RTX™ 2080 Tiを下回っています。
高い3Dグラフィックスの処理性能を求める方は、上記のように複数の製品のスコアを比較して、求める性能のグラフィックボードを選定しましょう。
PassMark G2D Mark
2Dグラフィックスの処理性能を表すPassMark G2D Markもみていきましょう。
RTX 4000 SFF Adaのスコアは1064と、PassMark G3D Markと同様に、RTX 5000 Ada Generation Laptop GPUやRadeon RX 6750 XTを上回る数値でした。
加えて、PassMark G3D Markでは下回っていたGeForce RTX 2080 Tiの113%の数値で、RTXシリーズの上位モデルのRTX A4500と比較するとわずかに下回っていますが、ほとんど性能差はなく、2Dグラフィックスの処理性能の高さがうかがえます。
消費電力
※NVIDIA RTX 5000 Ada Generation Laptop GPUはヒットしなかったため、4製品で比較
消費電力の観点からも比較します。
RTX 4000 SFF Adaの消費電力は70Wと、4製品の中では最も低い数値です。
同じRTXシリーズのRTX A4500と比較すると130Wもの差があり、GeForce RTX 2080 Tiとは180Wの差があります。
このように、RTX 4000 SFF Adaは省電力性に優れているため、ランニングコストを抑えてグラフィックボードを運用したい方におすすめです。
RTX 4000 SFF Adaを使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
RTX 4000 SFF Adaはどのような用途におすすめ?
RTX 4000 SFF Adaは、20GBの大容量メモリを搭載しているため、大規模なデータを処理するデータ サイエンティストやエンジニア、クリエイターにおすすめです。
加えて、最新のレイトレーシングコア・Tensorコアを搭載しており、動画コンテンツのレンダリングやAI技術の活用を高速かつ高精度に行えるので、クリエイターやAIを使った研究を行う大学などにも適しています。
また、消費電力が70Wと低く、ワットパフォーマンスにも優れているため、複数のグラフィックボードを運用する企業や大学でこそ効果を実感できるでしょう。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。
CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年ほどで3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。