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RTX 6000 Adaとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説

この記事では、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売しているグラフィックボード「NVIDIA RTX 6000 Ada」のスペックや特徴について解説します。

RTX 6000 Adaのベンチマークやおすすめの用途、おすすめのパソコンもあわせてお伝えするので、まだどのグラフィックボードを導入するか決まっていない方は、この記事で解説する内容をぜひ参考にしてください。

目次

RTX 6000 Adaの基本スペック

GPU名称 NVIDIA RTX 6000 Ada
NVIDIAアーキテクチャ名 NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ
開発コードネーム AD102
プロセス 4 nm
トランジスタ数 763億
NVIDIA CUDAコア 18176基
レイトレーシング コア 第3世代
Tensorコア 第4世代
ベースクロック(MHz) 915MHz
ブーストクロック(MHz) 2505MHz
ビデオメモリ容量・規格 48GB GDDR6
メモリインターフェイス幅 384bit
グラフィックスカード電力(W) 300W
最小システム電力(W) -
最大GPU 温度(°C) -
対応API DirectX 12
Shader Model 6.6
OpenGL 4.6
Vulkan 1.3
長さ -
-
スロット -
発売日 2023/2

RTX 6000 Adaは、アメリカの半導体メーカー「NVIDIA」が発売している、NVIDIA RTXシリーズのグラフィックボードです。

RTXシリーズの中で最上位モデルにあたるグラフィックボードで、従来モデルのNVIDIA RTX™ A6000から大幅なスペックアップがみられ、高いグラフィックス処理性能や並列処理性能、グラフィックボードではトップクラスの48GBのメモリ容量が特徴です。

また、RTXシリーズには、ミドルクラスのNVIDIA RTX™ 4000 SFF AdaNVIDIA RTX™ A5000などの製品があり、それぞれで性能が大きく異なるので、「RTX 6000 Adaほどの性能は不要だけど、最新のAda Lovelace世代のアーキテクチャを採用したグラフィックボードを導入したい」という方は、あわせてご確認ください。

RTX 6000 Adaのスペック比較

GPU名称 NVIDIA RTX 6000 Ada NVIDIA RTX A6000 GeForce RTX 4090
NVIDIAアーキテクチャ名 NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ NVIDIA Ampereアーキテクチャ NVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャ
開発コードネーム AD102 GA102 AD102
プロセス 4 nm 8 nm 4 nm
トランジスタ数 763億 283億 763億
NVIDIA CUDAコア 18176基 10752基 16384基
レイトレーシング コア 第3世代 第2世代 第3世代
Tensorコア 第4世代 第3世代 第4世代
ベースクロック(MHz) 915MHz 1455MHz 2235MHz
ブーストクロック(MHz) 2505MHz 1860MHz 2520MHz
ビデオメモリ容量・規格 48GB GDDR6 48GB GDDR6 24GB GDDR6
メモリインターフェイス幅 384bit 384bit 384bit
グラフィックスカード電力(W) 300W 300W 450W
最小システム電力(W) - - -
最大GPU 温度(°C) - - -
対応API DirectX 12
Shader Model 6.6
OpenGL 4.6
Vulkan 1.3
DirectX 12
Shader Model 5.1
OpenGL 4.6
Vulkan 1.1
DirectX 12 Ultimate
Vulkan RT API
OpenGL 4.6
長さ - - 304mm
- - 137mm
スロット - - 3スロット
発売日 2023/2 2020/12 2022/10

RTX 6000 Adaのスペックを、従来モデルのRTX A6000と、同じNVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャのGeForce RTX™ 4090とで比較してみていきましょう。

RTX A6000ではNVIDIA Ampere アーキテクチャが採用されていましたが、RTX 6000 Adaでは1世代新しいNVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャが採用されています。

このことでプロセスは8nmから4nmに微細化され、RTX 6000 Adaのトランジスタ数がRTX A6000の269%、CUDAコアは169%の数値に向上しているため、高い演算処理能力や並列処理性能を求める方は、RTX 6000 Adaがおすすめです。

一方で、GeForce RTX™ 40シリーズの最上位モデルのGeForce RTX 4090と比較すると、同じNVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャを採用していることもあり、RTX A6000ほどの性能差はみられませんが、CUDAコアはRTX 6000 Adaのほうが10%多く搭載されており、メモリ容量も2倍です。

消費電力もRTX 6000 Adaのほうが150W低いため、大規模なデータをより消費電力を抑えて並列処理したい方は、RTX 6000 Adaがおすすめです。

RTX 6000 Adaの特徴

RTX 6000 Adaの特徴を3つ解説します。

RTX 6000 Adaとほかの製品を比較してわかる特徴や、場合によってはデメリットとなり得る特徴をお伝えするので、RTX 6000 Adaの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ほかの製品よりも多くのRTコア・Tensorコアを搭載

RTX 6000 Adaは、ほかの製品よりも多くのRTコア・Tensorコアを搭載しています。

RTコアはレイトレーシング、Tensorコアはディープラーニングに特化した演算回路で、これらのコアの搭載数が多いほど、レイトレーシング処理やディープラーニング、複雑な演算処理を高速化かつ高精度に行えます。

RTX 6000 AdaのRTコア・Tensorコアの搭載数をほかの製品と比較した結果が、以下のとおりです。

NVIDIA RTX™ 6000 Ada NVIDIA RTX™ A6000 GeForce RTX™ 4090
RTコア 142基(第3世代) 84基(第2世代) 128基(第3世代)
Tensorコア 568基(第4世代) 336基(第3世代) 512基(第4世代)

RTX 6000 AdaのRTコアは142基と、従来モデルのRTX A6000の169%、GeForce RTX 4090の110%の搭載数です。

RTX A6000のRTコアは、RTX 6000 Adaより1世代古い第2世代であるため、搭載数以上の性能差がみられると考えられます。

また、RTX 6000 AdaのTensorコアは568基と、RTコアと同様に、従来モデルのRTX A6000の169%、GeForce RTX 4090の110%の搭載数を誇ります。

RTX 6000 AdaとGeForce RTX 4090が搭載しているRTコア・Tensorコアの世代は同じですが、搭載数に上記のような差があるため、より高いレイトレーシング性能・ディープラーニングの処理性能を求める方は、RTX 6000 Adaがおすすめです。

RTXシリーズでトップクラスの48GBの大容量メモリを搭載

RTX 6000 Adaは、RTXシリーズでトップクラスの大容量メモリを搭載しています。

RTXシリーズのメモリ容量を比較した結果が、以下のとおりです。

NVIDIA RTX™ 6000 Ada NVIDIA RTX™ A6000 NVIDIA RTX™ A5500 NVIDIA RTX™ A5000 NVIDIA RTX™ A4500 NVIDIA RTX™ 4000 SFF Ada NVIDIA RTX™ A4000 NVIDIA RTX™ A2000
メモリ容量 48GB 48GB 24GB 24GB 20GB 20GB 16GB 12GB

RTX 6000 Adaのメモリ容量は48GBと、RTX A6000と並んでRTXシリーズの中では最も大きい容量を誇ります。

そのため、Webサイトの閲覧や資料作成などはもちろん、画像・動画編集やCAD・CAEでのモデリング、科学研究、AIを活用したビッグデータの分析など、幅広い用途で使用できます。

また、上記のように、RTXシリーズと一口に言ってもメモリ容量やそのほかのスペックで大きな差があるので、RTXシリーズのグラフィックボードの導入を考えている方は、複数の製品を比較したうえで、求める性能を過不足なく提供してくれる製品を選定しましょう。

消費電力が高くPCIe CEM5 16-pinの補助電源が必要

RTX 6000 Adaの消費電力は300Wと高く、ほかの製品と比べてランニングコストがかかる点がデメリットです。

また、使用するにはPCle CEM5 16-pinの補助電源が必要であるため、初めてグラフィックボードを導入する方や、パソコンに詳しくない方は、電源コネクタの用意・設置に手間取る可能性があります。

グラフィックボードを導入する際は、補助電源の要否や設置方法などを購入元で確認しておくと、スムーズに運用を開始できます。

RTX 6000 Adaのベンチマーク

製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、PassMark G3D Mark・PassMark G2D Mark・消費電力の3つの観点から紹介します。

グラフィックボードを比較するうえで注目しておきたい項目なので、把握しておきましょう。

PassMark G3D Mark

rtx6000ada_3D.png

PassMark G3D Markは、3Dグラフィックスの処理性能を表すベンチマークで、特に通常業務で3Dを扱うクリエイターやデザイナーが注目しておきたい項目です。

RTX 6000 Adaのスコアは23546と、同じRTXシリーズのRTX™ A5000や、GeForce RTX 4060 Ti 16GBを上回っています。

RTX 6000 Adaは、RTX A5000の上位モデルにあたるため、モデルの位置関係がそのまま性能に現れたと考えられます。

一方で、RTX 6000 AdaをGeForce RTX 3070 Tiと競合のRadeon RX 6800 XTと比較すると、下回る結果でした。

PassMark G2D Mark

rtx6000ada_2D.png

2Dグラフィックスの処理性能を表すPassMark G2D Markもあわせてみていきましょう。

RTX 6000 Adaのスコアは880と、5つの製品の中では最も低い数値でした。

PassMark G3D Markでは上回っていた、同じRTXシリーズのRTX A5000とGeForce RTX 4060 Ti 16GBの両製品と比較すると、RTX A5000がRTX 6000 Adaの118%、GeForce RTX 4060 Ti 16GBが128%の数値でした。

以上の結果から、RTX 6000 Adaは、2Dよりも3Dグラフィックスの処理性能に長けているとわかります。

これからグラフィックボードを選定する方は、製品によって得意・不得意分野があることを把握し、用途に合ったベンチマークを確認するようにしましょう。

消費電力

rtx6000ada_消費電力.png

消費電力も比較してみていきます。

RTX 6000 Adaの消費電力は300Wと、5つの製品の中で最も高い数値でした。

Radeon RX 6800XTとは同値で、GeForce RTX 3070 Tiとはほとんど差がありません。

しかし、RTX A5000とは70W、GeForce RTX 4060 Ti 16GBとは135Wもの差があり、消費電力の高さがうかがえます。

性能が高い分、消費電力もほかの製品と比べて高めであるため、ランニングコストを抑えたい方は、ほかの製品と消費電力や基本スペックを比較して、自社に合ったものを選定してください。

RTX 6000 Adaを使用している方の口コミ・評価

情報が集まり次第、更新します。

RTX 6000 Adaはどのような用途におすすめ?

RTX 6000 Adaは、従来モデルのRTX A6000から大幅なスペックアップがみられ、高い並列処理性能とレイトレーシング性能を持ったグラフィックボードであるため、複雑な処理を行う動画編集や3Dレンダリング、機械学習などの用途におすすめです。

加えて、メモリ容量が48GBと大容量なので、大規模なデータを使用する研究や分析などにも適しています。

データ伝送中に発生するエラーを訂正する技術エラー訂正コード(ECC)にも対応しているため、データの整合性を維持しながら、より長時間の安定した動作を実現します。

ただし、ハイスペックな分、ほかの製品と比べて販売価格が高価で消費電力も大きいため、予算や用途にあわせて適切なグラフィックボードを選定してください。

GPU搭載PCを仕事で使うことについて

PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。

CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。

グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年ほどで3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。

主にクリエイティブ用途で活躍

特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。

代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。

グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。

CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に

CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。

PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。

その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。

ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC

結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。

以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。

高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。

ドスパラでRTX 6000 Adaがご購入いただけます。

以下リンクからRTX 6000 Adaがご購入いただけます。合わせてご覧ください。

RTX 6000 Ada搭載のおすすめPC

RTX 6000 Adaを搭載したおすすめPCをご紹介します。

RTX 6000 Adaの導入を検討している方は、参考にしてください。

RTX 6000 Adaのカスタマイズが可能なおすすめPC

RTX 6000 AdaにカスタマイズできるおすすめPCをご紹介します。

まとめ

この記事では、NVIDIA社が発売しているグラフィックボード「NVIDIA RTX™ 6000 Ada」のスペックや特徴、ベンチマークを解説しました。

RTX 6000 Adaは、並列処理性能やレイトレーシング性能に優れ、NVIDIA製グラフィックボードの中でトップクラスの48GBの大容量メモリが特徴のグラフィックボードです。

3Dレンダリングや大規模データの研究・分析、動画編集などさまざまな用途で使用できます。

RTXシリーズには、RTX 6000 Adaのほかにも多くの製品があるので、用途や予算を加味したうえで比較しながら最適な製品を選定してください。

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