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Intel Arc A770Mとは?スペックや性能、口コミまで徹底解説
この記事では、アメリカの半導体メーカー「Intel」が発売しているグラフィックボード「Intel Arc A770M」のスペックや特徴について解説します。
競合であるNVIDIA製のグラフィックボードとの性能差もあわせてお伝えするので、複数のグラフィックボードを比較して自社に合った製品を選定したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
目次
Intel Arc A770Mの基本スペック
Intel Arc A770M | |
アーキテクチャ | Alchemist |
GPU | ACM-G10 |
プロセス | 6 nm |
トランジスタ数 | 217億 |
ダイサイズ | 406mm² |
Xeコア(CUDAコア) | 32基 |
Matrixコア(Tensorコア) | 512基 |
RTユニット(RTコア) | 32基 |
ベースクロック | 1650MHz |
ブーストクロック | - |
メモリ規格 | GDDR6 |
メモリ容量 | 16GB |
メモリバス | 256bit |
バンド幅 | 512GB/s |
消費電力 | 120W~150W |
発売日 | 2022/10 |
Intel Arc 770Mは、アメリカの半導体メーカー「Intel」が発売しているグラフィックボードです。Intel Arc Aシリーズのノートパソコン向けモデルの最上位クラスとして、2022年10月に発売されました。
Intel Arc AシリーズのGPUには、ACM-G10とACM-G11の2種類ありますが、Inter Arc A770MはACM-G10を採用しています。 また、Intel Arc A770Mのメモリ容量は16GBと、ノートパソコン向けのモデルでありながらデスクトップ版に劣らない大容量です。
Intel Arc Aシリーズのノートパソコン向けのモデルには、Intel Arc A770Mのほかにも、エントリークラスのIntel Arc A350Mや、ミドルクラスのIntel Arc A550Mがあります。
Intel Arc A350Mの詳細は「Intel Arc A350Mとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で、Intel Arc A550Mの詳細は「Intel Arc A550Mとは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で詳しく紹介しているので、合わせてご覧ください。
※Intel Arc全般に関しては「Intel Arcとは?特徴やシリーズの種類、口コミまで解説」で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
Intel Arc 770Mのスペック比較
Inter Arc A770のスペックを、競合メーカーのNVIDIA製のグラフィックボードと比較していきます。
今回は、Intel Arc A 770Mと近い性能を持つNVIDIA GeForce RTX 3060と、その下位モデルにあたるNVIDIA GeForce RTX 3050と比較していきます。
Intel Arc A770M | NVIDIA GeForce RTX 3050 |
NVIDIA GeForce RTX 3060 |
|
アーキテクチャ | Alchemist | NVIDIA Ampere アーキテクチャ | NVIDIA Ampere アーキテクチャ |
GPU | ACM-G10 | GA106 | GA106 / GA104 |
プロセス | 6 nm | 8 nm | 8 nm |
トランジスタ数 | 217億 | 120億 | GA106:132億 GA104:174億 |
ダイサイズ | 406mm² | 276mm² | GA106:276mm² GA104:392mm² |
Xeコア(CUDAコア) | 32基 | 2560基 | 3584基 |
Matrixコア(Tensorコア) | 512基 | 80基 | 112基 |
RTユニット(RTコア) | 32基 | 20基 | 28基 |
ベースクロック | 1650MHz | 1552MHz | 1320MHz |
ブーストクロック | - | 1777MHz | 1777MHz |
メモリ規格 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ容量 | 16GB | 8GB | 8GB / 12GB |
メモリバス | 256bit | 128bit | 8GB:128bit 12GB:192bit |
バンド幅 | 512GB/s | 224GB/s | 8GB:240GB/s 12GB:360GB/s |
消費電力 | 120W~150W | 130W | 170W |
発売日 | 2022/10 | 2022/1 |
12GB(GA106):2021/2 |
RTX 3050との比較
まずは、Intel Arc A770MとNVIDIA GeForce RTX 3050を比較していきます。
Intel Arc A770Mは、アーキテクチャにAlchemistを採用しており、GPUはACM-G10です。一方で、NVIDIA GeForce RTX 3050のアーキテクチャはAmpere世代で、GPUはGA106です。
Intel Arc A770Mのプロセスは6nmと、NVIDIA GeForce RTX 3050の8nmよりも微細化されていることから、トランジスタ数はIntel Arc A770Mが大きく上回っています。
Intel Arc A770Mのメモリ容量は16GBで、デスクトップ版のNVIDIA GeForce RTX 3050の8GBの2倍の容量である点も大きな特徴です。Intel Arc A770Mのメモリバスやバンド幅も、NVIDIA GeForce RTX 3050の2倍の数値であることからも、メモリ性能のスペックの高さがうかがえます。RTX 3050の詳細は「RTX 3050とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
RTX 3060との比較
次に、NVIDIA GeForce RTX 3060とスペックを比較します。
NVIDIA GeForce RTX 3060のアーキテクチャは、NVIDIA GeForce RTX 3050と同様のAmpere世代で、GPUはGA106とGA104の2種類です。
GA104は、GA106からスペックアップしたGPUですが、プロセスやトランジスタ数はIntel Arc A770Mが優れています。また、NVIDIA GeForce RTX 3060のメモリ容量は、8GBと12GBの2種類ありますが、Intel Arc A770Mの方が大容量で、メモリバスやバンド幅もIntel Arc A770Mが大きく上回っています。RTX 3060の詳細は「RTX 3060とは?スペックや性能、ベンチマークまで徹底解説」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
Intel Arc A770Mの特徴
Intel Arc A770Mは、DirectX 12 ULtimateのAPIに対応してるのが特徴のひとつです。DirectX 12 ULtimateはゲーミング用途で採用されるケースが多いAPIなので、ゲーム用のグラフィックボードとしての導入もおすすめですが、クリエイターにおすすめの機能も備わっています。
特に、CPUとGPUを連動させる「Deep Link」の代表的な機能である「ダイナミック・パワー・シェア」機能では、必要な場所に電力を効率的に分配することで、従来の最大30%のパフォーマンス向上を実現できます。
さらに、次世代のビデオエンコードとして注目されているAV1にも対応しており、高速なエンコードと最大8Kの高画質を実現してくれるため、映像制作者にもおすすめです。
詳しいIntel Arc A770Mの特徴は、「Intel Arc Aシリーズとは?」で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
Intel Arc AシリーズとNVIDIA GeForceシリーズの特徴比較
NVIDIAは、Intelと同様にアメリカに本社を構える半導体メーカーです。AMDと並ぶグラフィックボード製造メーカーでもあり、GeForceシリーズは主力製品のひとつです。APIは、ゲームで採用されることの多いDirectXに対応しているため、3DCADの制作などのクリエイティブシーンよりも、ゲーミングの用途が向いています。
Intel Arc AシリーズのAPIは、NVIDIA GeForceシリーズと同じDirectXです。そのため、NVIDIA GeForceシリーズと同様に、ゲーミングでの使用がおすすめです。
加えて、クリエイティブタスクの効率化やパフォーマンス向上を実現する、Intel独自の「Deep Link」や「XMX」を搭載しているため、クリエイティブシーンでも高い性能を発揮してくれます。
APIは同じDirectXであることから、両シリーズともゲーミング向けのグラフィックボードとして開発されたことがわかりますが、クリエイティブシーンでの利用を検討している方は、それぞれの製品の特徴や独自機能、ベンチマークを確認して選定しましょう。
Intel Arc A770Mのベンチマーク
製品の定量的測定結果を表すベンチマークスコアを、レイトレーシング・Time Spy・消費電力の3つの観点から紹介します。
グラフィックボードを選定する際の重要な判断材料となるので、把握しておきましょう。
レイトレーシング
レイトレーシングは、光や影を精巧に表現することでよりリアルな映像を作成する機能です。現実世界に近い映像を作成したいクリエイターは、重視しておきたいベンチマークです。
Intel Arc A770Mの数値は5579と、NVIDIA製の両製品よりも高いスコアでした。NVIDIA GeForce RTX 3050よりも57%上回るスコアで、大きな性能差がみられます。また、NVIDIA GeForce RTX 3060と比較しても、8%の開きがあります。
Intel Arc A770Mは、ノートパソコン向けモデルでありながら、デスクトップ版のNVIDIA製よりも優れたレイトレーシング性能を持っていることがわかりました。
グラフィックボードのレイトレーシング性能は、シリーズやクラスによって大きく異なるので、レイトレーシング性能を重視したい方は、上記の製品以外にも比較してみましょう。
Time Spyは、グラフィックと処理性能のパフォーマンスをスコア化した、DirectX12のベンチマークです。DirectX12は、Inter ArcシリーズとNVIDIA GeForceシリーズの両シリーズが対応しているAPIです。
Intel Arc A770Mの数値は10866と、レイトレーシング同様に、NVIDIA製の両製品よりも優れたスコアでした。特にNVIDIA GeForce RTX 3050との性能差は大きく、Intel Arc A770Mが69%上回っています。
NVIDIA GeForce RTX 3050の上位モデルにあたるNVIDIA GeForce RTX 3060と比較しても、25%の差がありました。
消費電力
最後に、消費電力の観点からも比較していきます。
Intel Arc A770Mの消費電力は150Wでした。NVIDIA GeForce RTX 3050の130Wよりも20W高い数値ですが、一方でNVIDIA GeForce RTX 3060の170Wよりも20W低い数値です。
Intel Arc A770Mは、前述のとおり演算能力やメモリ性能において、両製品を上回っているだけでなく、レイトレーシングやTime Spyでも高いスコアを持っています。
それにも関わらず、NVIDIA GeForce RTX 3060よりも省電力性に優れていることから、コスパの良いグラフィックボードといえるでしょう。
Intel Arc A770Mを使用している方の口コミ・評価
情報が集まり次第、更新します。
Intel Arc A770Mはどのような用途におすすめ?
Intel Arc A770Mは、画像・動画編集などを行うクリエイターにおすすめのグラフィックボードです。
Inter Arc A770MをはじめとしたIntel Arc Aシリーズには、AI学習や推論処理を高速に行ってくれる「XMX」が内蔵されています。XMXのAI機能を活用すれば、写真・動画の高速なアップスケールが可能です。
また、容量もノートパソコン向けとしては大容量の16GBで、容量の大きい画像や動画、アプリケーションも問題なく処理できます。
さらに、ノートパソコン向けのグラフィックボードなので、場所を選ばずに仕事をしたいリモートワークが中心のビジネスマンやクリエイターにも向いています。
GPU搭載PCを仕事で使うことについて
PCにはCPUが搭載されており、CPUのグラフィック機能で画面が表示されています。
CPUは3D描画性能が高くありませんが、Office関連のソフトの使用がメインになる場合やゲームをしない場合は問題ありません。
グラフィックボードは外部グラフィック機能と呼ばれることもあり、主な用途としては3D描画性能を求めるゲームを快適にするための存在ですが、ここ10年程で3D描画を可能とするグラフィックボードの性能をほかの用途で活用しようとする動きが活発となっています。
主にクリエイティブ用途で活躍
特にクリエイティブ系のアプリではグラフィックボードの活用が進んでいます。
代表例としてはフォトレタッチや動画編集、CGレンダリングソフトなどが挙げられます。具体例を出すとAdobeのPhotoshopやPremiere Proでは一部のフィルタ処理を行う際にグラフィックボードによって高速化することができます。
グラフィックボードを搭載したPCを仕事で使用するメリットとして、挙げられるのはメモリです。
CPUのグラフィック機能での作業は動作が重くなる原因に
CPUのグラフィック機能はメインメモリの一部を使用するため、メインメモリの容量が減ります。したがって、複数のアプリを立ち上げて作業すると動作が重たくなる原因になるおそれがあります。
PCの仕組み上、メインメモリの速度が性能に影響されてしまうため、メインメモリが高速ではないPCの場合は、処理に多くのメモリが持っていかれてしまい、CPUの内臓グラフィック機能の性能が落ちることになります。
その点、グラフィックボードが搭載されているPCの場合は、グラフィックボードに搭載されているGPUメモリ内で済む処理であればCPUのメインメモリが使われることはないため複数アプリ立ち上げて業務を行っても動作が重くなるといった心配はありません。
ビジネスシーンなどで活躍するグラフィックボード搭載PC
結論として、Office関連のソフトをメインにPCを利用する場合はグラフィックボードの必要性は低いですが、クリエイティブ系のソフトを使用する際は処理速度を挙げられる場合があるなど活用の幅を広げられます。
以下のリンクから、ドスパラプラスの取り扱う製品を企業様・学校法人様が導入した事例をご確認いただけます。
高性能パソコンやサーバー、特別仕様のパソコンの導入をお考えの法人様はご参考になさってください。