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GeForceとRadeonのGPU性能を徹底比較!選ぶポイントも解説
この記事では、GeForceとRadeonのGPU性能比較、選ぶときのポイントについてわかりやすく解説しています。類似する機能も多数ありますが、それぞれが強み・弱みを持っているため、ご自身の利用用途ではどちらを選べばよいかわからない方も多いでしょう。おすすめのGPUもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
目次
NVIDIA GeForceとAMD Radeonを性能面から徹底比較
GeForceとRadeonはどちらもGPUとして共通する機能も多数ありますが、性能面で見るとそれぞれ特徴があるため詳しく比較していきます。
3Dモデリング
3Dモデリングは、3次元の中で立体的なオブジェクトを形成する作業です。視点の移動を通して、さまざまな角度から3Dオブジェクトを捉えられるとともに、より精細でリアルにオブジェクトや空間を表現できるため、建築ビジュアライゼーションなどの分野でも活用されています。
ただし、瞬時に膨大な量の演算処理を行う必要があるため、3Dモデリングの作業自体、およびモデリング後の3Dレンダリングの場面においても、使用するGPUに高い性能が求められます。
Radeonでも3Dモデリング・3Dレンダリングを行えますが、ユーザー数、対応するソフトウェアいずれもGeForceのほうが多いため、選択肢を多く持ちたいと考える場合には、GeForceを選択するのがよいでしょう。
アプリ開発
GPUをプログラミングに活用してアプリ開発を行う場合には、「CUDA」、「OpenCL」、「DirectCompute」などの統合開発環境が利用されます。ここで、OpenCLとDirectComputeはGPUのメーカーを問わず利用できますが、CUDAはNVIDIA製のGPUにのみ対応しているため、AMD製のGPUでの利用が不可能です。
CUDAでアプリ開発を行いたい場合、もしくは現時点で開発環境が決まっていない場合には、対応する環境の選択肢が多いNVIDIA製のGPUをおすすめします。
垂直同期(VSYNC)
垂直同期(VSYNC)は、GPUが1秒間に描画する回数(フレームレート)と、モニターが1秒間に描画する回数(リフレッシュレート)を調整し、映像を素早く滑らかに表示する機能です。フレームレートとリフレッシュレートのバランスが取れていない場合、モニターの映像がカクつく、一瞬固まる、あるいはモニター画面の上下で画像がずれるなどの現象が発生することがあります。
しかし、垂直同期の機能を活用すればこれらの症状を解消可能です。
これまでNVIDIAが開発した「G-SYNC®」では対応するモニターが限定されるという弱点がありましたが、近年、AMDが開発した「FreeSync™」にも対応しているため、垂直同期の性能では両者の差は大きくありません。
垂直同期に関する詳しい内容は「垂直同期(VSYNC)とは(外部サイト)」で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
超解像技術
超解像技術とは、元となる画像が低解像度でも画像処理によって高解像度の画像を出力できる技術です。NVIDIAは、AIを活用した深層学習型DLSS(Deep Learning Super Sampling)、AMDは、アルゴリズム型のFSR(FidelityFX™ Super Resolution)を提供しており、どちらもハードウェアへの負荷を下げながら高画質の画像や映像を出力できます。
性能面では、NVIDIAがTensorコアと呼ばれるディープラーニングに特化した技術を搭載しているため、AMDよりも高いパフォーマンスを発揮します。ただし、DLSSを利用するためにはNVIDIA® GeForce RTX™ シリーズの環境が必須なのに対し、FSRはAMD製に限らず、他社のGPUの環境でも利用できる汎用性があります。
付属アプリケーション
利用用途によっては、GPU選びにおいて付属するアプリケーションも重要になるでしょう。NVIDIAのRTXシリーズでは、「NVIDIA Broadcast アプリ」が利用でき、AIを活用した快適なWeb会議や音声チャットが可能です。
具体的には、周囲の騒音が気になる場所でもAIがノイズを除去してくれるため、クリアな音声でWeb会議に参加できます。また、自宅からのWeb会議では部屋の背景が気になりますが、ボタンひとつで背景を削除・ぼかし・置き換えが可能です。さらに実践的な用途として、建築現場から最新の施工状況を配信すれば、オフィスにいるメンバーと視覚的にも情報が共有でき、プロジェクトの効率的な進行にも役立つでしょう。
ゲームの動作検証
主にWindows用のゲームで使用されることが多いMicrosoft DirectXは、GeForceとの相性がよいことで知られ、このためゲームの開発環境ではGeForceが幅広い企業で導入されています。ゲームの開発・動作検証などの用途をお考えの場合には、リアルで精細な映像表現が得意なGeForceを選択するのがよいでしょう。
ゲーム開発用パソコンは「ゲーム開発用PCに必要なスペックとは?」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
レイトレーシング
「レイトレーシング(Ray Tracing)」は、光の反射率や屈折率を緻密に計算することで、光、影・ガラスの反射などをモニター上でよりリアルに表現する技術です。リアルタイムで完全なレイトレーシングを行うためには、膨大な演算処理が求められるため高いグラフィック性能が必要です。リアルタイムレイトレーシングには、GeForce RTXシリーズ、AMD Radeon™ RX 6000シリーズが対応しています。
両者を比較すると、GeForce RTXシリーズには「RTコア」と呼ばれるチップが搭載されており、ハードウェア面でも機能が強化されているため、リアルタイムレイトレーシングを活用したい場合には、GeForce RTXシリーズのほうが優れているといえます。
アップデートプログラム
GeForce、RadeonいずれのGPUも、ドライバ更新のアップデートプログラムが高頻度で提供されていますが、更新内容に特徴があります。
まずGeForceでは、ドライバは最適化のための更新が中心で安定した動作を期待できるとともに、市場でのシェアが大きくユーザー数が多いことから不具合に対する対応も早い傾向があります。
一方、Radeonでは、 不具合解消を目的としたドライバの更新も多く、GeForceと比べると若干不安定といえます。
比較項目 | NVIDIA® GeForce | AMD Radeon™ | ||
3Dモデリング | ◎ | 対応するソフトウェアが多い | 〇 | 対応するソフトウェアが限定 |
アプリ開発 | ◎ | 「CUDA」環境の利用可 | × | 「CUDA」環境の利用不可 |
垂直同期(VSYNC) | ◎ | G-SYNC®の機能を利用 | ◎ | FreeSync™の機能を利用 |
超解像技術 | ◎ | DLSS技術を採用 高いパフォーマンスを発揮 ただし、GeForce RTXシリーズの環境必須 |
〇 | FSR技術を採用 パフォーマンスはGeForceに劣る ただし、他社GPUでも動作する |
付属アプリケーション | ◎ | NVIDIA Broadcast アプリの利用可 | × | 同一用途のアプリなし |
ゲームの動作検証 | ◎ | DirectXと相性がよい | 〇 | DirectXとの相性は普通 |
レイトレーシング | ◎ | 「RTコア」採用 ハード面からも機能を強化 |
〇 | パフォーマンスはGeForceに及ばない |
アップデートプログラム | ◎ | 最適化のための更新がメイン | △ | 不具合対応の更新が多い |
使用用途別のNVIDIA GeForceとAMD Radeonを選ぶポイント
ここからは、使用用途別にGeForceとRadeon、どちらのGPUを選択したらよいか、ポイントを解説していきます。
3DCAD・3DCGで利用
3DCADでは、設計図面の精密さと正確性が必要となる一方、3DCGではアニメーションなどの制作物に滑らかで精細な動きが求められます。いずれの作業でも、コンピュータ用の膨大な量のデータを圧縮し、人が理解できる形にして出力する「レンダリング」が必要ですが、このレンダリングではパソコンに大きな負荷がかかります。ソフトにより推奨環境が定められているため、安定した動作を確保し、サポートを受けられるよう、条件を満たすGPUを選択する必要があります。
なお、利用するソフトウェアがNVIDIAの高速化の機能に対応している場合にはGeForce、予算を抑えたい場合にはRadeonを選択するのがよいでしょう。
3DCAD業務用パソコンは「3DCADに最適なパソコンとは?必要なスペックや選び方について解説!」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
3DCG業務用パソコンは「3DCG業務を快適にこなせる業務用パソコンの選び方とは?」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
映像編集で利用
映像編集では、GPUの性能によって制作中の映像のプレビュー再生時や変換・圧縮作業であるエンコード時の所要時間が変わってきます。同水準のスペックを持つGeForceとRadeonであれば、作業時間に大きな差は出ませんが、Radeonは色合いが全体的に明るく、色彩も鮮やかに表現してくれるため、クリエイターから高い支持を集めています。制作する映像の色彩にもこだわりたいという方にはRadeonがおすすめです。
映像編集用パソコンは「動画編集用パソコンとは?必要なスペックやおすすめをご紹介」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
機械学習・ディープラーニングで利用
機械学習やディープラーニング(深層学習)は、はじめにAIのプログラミングを行い、プログラミングしたAIに学習をさせ、学習したAIを使用するといった流れで進めます。この中でもAIが学習をするときが最も取り扱うデータ量が増え、パソコンに負荷がかかる段階で、CPUではなくGPUを活用することで効率的にAIが学習できます。
NVIDIA、AMDともに機械学習やディープラーニング向けのGPUを提供しており、最新のNVIDIA® GeForce RTX™ 40シリーズやAMD Radeon™ 7000 シリーズのGPUを活用すれば、膨大な量の演算処理を高速に行えます。
機械学習に最適なパソコンは「機械学習に最適なPCとは?必要なスペックやおすすめPCについても紹介」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ディープラーニングに最適なワークステーションは「ディープラーニング(深層学習)に最適なワークステーションとは?」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
データ分析で利用
データサイエンスの分野では、これまでCPUを活用して膨大なデータを取り扱ってきましたが、処理に時間がかかりすぎるという課題がありました。このため、近年ではCPUよりも演算処理を高速に行えるGPUにより、データ分析やシミュレーションを行う企業も増えています。
NVIDIAでは、より高速に精度の高い分析・予測が行えるように、クライアントパソコン、データセンター、ワークステーションなど用途に応じたソリューションが提供されています。
NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Tiを搭載したモデルで高いパフォーマンスが期待できます。小型でケース内のスペースを圧迫せず、静音性にも優れています。デュアルファン冷却システムを採用しているため、放熱性に優れ長時間の稼働でも快適に動作します。演算処理も高速で3DCADや4K動画編集も快適に行えます。
Palit NED4070019K9-1047D (GeForce RTX 4070 Dual 12GB)
NVIDIA® GeForce RTX™ 4070を搭載した高スペックでパワフルなモデルです。ファンは3連ですが短くコンパクトなため、ケースに収納しやすくなっています。冷却性能にも優れており、高い負荷がかかる作業でも安定して動作します。高度な演算処理を高速で行えるため、3DCAD・4K動画編集・ディープラーニングなど、活用の幅が広がるでしょう。
新世代のハイエンドGPUであるAMD Radeon™ RX 7900 XTXを搭載したモデルです。3連ファンで冷却性能に優れるとともに、メモリ12GBを搭載し高速な演算処理、滑らかな映像表現を実現しています。このため、3DCAD、4K動画編集、ディープラーニングなど、大量のデータを扱う高負荷の作業でも高速で安定した動作を期待できるでしょう。