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Quadroとは?GeForceとの違いや性能比較も
GPUは画像や映像を画面上に表示するための装置ですが、その中でも「Quadro」というGPUがクリエイター向けのパソコンによく使用されています。
しかし、Quadroという名前は知っていても「特徴や性能面についてあまり理解していない」、「Quadroの中でもどのシリーズを選べばよいのかわからない」、「Quadroと他のGPUとは何が違うのか」などの疑問を持っている方もいるかもしれません。
そこで本記事では、Quadroの概要、性能や特徴について詳しく解説します。
目次
Quadroとは?
NVIDIA社製GPUのシリーズ名
Quadroとは、アメリカの半導体メーカーであるNVIDIA(エヌビディア)社の主力商品で、画像処理に特化した半導体チップ(GPU:Graphics Processing Unit)のシリーズ名です。
現在は「RTX A」に代替わり
現在、Quadroはシリーズ名としては使われておらず、「RTX A」というシリーズ名に代替わりしており、Quadroのブランド名は継承されていません。RTX Aシリーズは、RTXシリーズ、NVIDIAシリーズといった呼称が使われていて、公式では「NVIDIA RTX/NVIDIA Quadro®」という表記となっています。
NVIDIA RTX Aシリーズに関して詳しくは、「 NVIDIA RTX Aシリーズとは?用途・スペック比較 」をご参照ください。
※そもそもGPUとは
GPUとは前述のとおりGraphics Processing Unitの略で、画像処理装置を指します。名称どおり、GPUは画像や映像を描画するための計算処理を行う装置です。GPUは大量のデータを早く処理するために、並列処理能力が高くなっています。
GPUについて詳しく知りたい方は、「GPUとは?CPUとの違いや役割・種類についてもわかりやすく解説!」をご参照ください。
Quadroの特徴
Quadroは業務用GPU
Quadroの最大の特徴は、業務用に提供されている製品であるということ。NVIDIA社製のGPUシリーズにGeforeが有名ですが、こちらは主にゲーム用途向けに開発された民生用製品。とはいえ、法人向けなら全部Quadroなのかといえば、そうではありません。
Quadroが適した業務やGeForceとの具体的な違いは後述いたします。
NVIDIA Mosaic
「NVIDIA Mosaic」と呼ばれる機能が付いている点も Quadroの特徴です。これは、複数のディスプレイを並べて1つの大型ディスプレイとして扱える機能であり、最大16台まで接続可能となっています。複数接続の際には、ディスプレイの間に生じるズレを正確に修正する機能も付随しています。拡張ボードを利用することによって、最大32台を同期することも可能です。
さらにQuadroは10bitカラー表示に対応しており、約10億6433万色もの色数を表現することができます。
QuadroとGeForceの違いとは
本項では、Quadroと前述したGeForceとの具体的な違いについて解説することで、Quadroの特性をひも解いていきます。
|
Quadro |
GeForce |
主な用途 |
業務用アプリケーションに最適 高速で正確な描写 |
ゲームに最適 高速な描写 |
API |
主に OpenGL |
主に DirectX |
出力できる色の数(2022年8月時点) |
約10億7374万色(10bit) |
約10億7374万色(10bit) |
多画面対応 |
マルチディスプレイ環境を強力にサポート。最大8画面のマルチディスプレイ表示が可能 |
一般的なマルチディスプレイ機能 ※一部製品で4画面表示対応あり |
価格帯(2022年8月時点) |
15,000〜1,800,000円 |
3,000〜400,000円 |
OpenGLとDirectXの違い
Quadroには、 OpenGLと呼ばれる3Dコンピューターグラフィックス関連の演算機能をソフトウェアから呼び出すための規約を定めたAPI (※)が採用されていることが多いため、CADなどの業務用アプリケーションが主な用途となります。
一方でGeForceは、ゲーム向けとなっており、APIも、DirectXと呼ばれる、ゲームや動画などのマルチメディアコンテンツを動かすためのAPIが採用されることが多くなっています。
※APIとは「Application Programming Interface」の略で、コンピュータプログラムの機能や管理データを外部のプログラムから呼び出して利用する手順、およびデータ形式を定めた規約を指します。最適化されたAPIによって得意分野は変化します。
価格帯の違い
価格帯については、業務用途で使用されることで、より安定性が求められている仕様であることからQuadroの方が高めの設定となっており、最上位モデルでは100万円を超すものも発売されています。
出力できる色の数
色の出力数は両者とも10bit対応しており、約10億色を出力できます。
GeForceについてもっと知りたい方は「GeForceとは?性能や特徴についても解説!」をご確認ください。
Quadroの必要性とは?適した業務を紹介
QuadroはCADデザインや3Dレンダリングに強みを発揮するため、ゲームよりもCADやイラスト制作を行うクリエイターに適したGPUです。 具体的にはAutoCAD、3ds Max、MayaなどのAutodeskアプリケーションやEDIUSなどの動画編集アプリケーションに適しています。
【Quadroが適した業務一覧】
- 3DCAD(設計)
- 3Dモデルの制作
- 3DCGのレンダリング
- 医療イメージング
- 動画編集
- ディープラーニング
Quadroの性能比較表
Quadroの各シリーズについて、性能を比較しました。
GPU |
CUDAコア数 |
GPUメモリ |
最大消費電力 |
NVIDIA RTX A6000 |
10,752 |
48GB |
300W |
NVIDIA RTX A5500 |
10,240 |
24GB |
230W |
NVIDIA RTX A5000 |
8,192 |
24GB |
230W |
NVIDIA RTX A4500 |
7,168 |
20GB |
200W |
NVIDIA RTX A4000 |
6,144 |
16GB |
140W |
NVIDIA RTX A2000 12GB |
3,328 |
12GB |
70W |
NVIDIA RTX A2000 |
3,328 |
6GB |
70W |
NVIDIA T1000 8GB |
896 |
8GB |
50W |
NVIDIA T1000 |
896 |
4GB |
50W |
NVIDIA T600 |
640 |
4GB |
40W |
NVIDIA T400 4GB |
384 |
4GB |
30W |
NVIDIA T400 |
384 |
2GB |
30W |
Quadro GV100 |
5,120 |
32GB |
250W |
CUDAコアについてより詳しく知りたい方は、「CUDAコアとは。数が多いと何が良い?」の記事をご参照ください。
6.まとめ
上記で紹介したとおり、QuadroはNVIDIA社のGPUであり、CADやイラスト制作などの業務を行うクリエイターに適したGPUであることがわかります。
CAD、3Dレンダリングや動画編集を行うためのワークステーションを購入されたい方は、Quadroや後継のRTX Aシリーズが搭載されたパソコンを選ぶのがよいでしょう。
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